「マーリン」ロスの旅が、いつの間にかコリン・モーガンを追う旅になって、漂着したのがこのDVD「ISLAND」(2011)でした。
写真が暗そう&重そうなのでためらっていましたが、仮にもメインの役なのでやはり見たくなり、案の定、ダークなストーリーでした。(笑)
あらすじ(小ネタバレはあり)
施設で親の愛を知らずに育ったニッキーは29歳にして産みの母を殺す決意をし、スコットランドの孤島に彼女を訪ねる。村の郵便局にて母の家で下宿人を募集していることを知り、島の研究のために滞在すると本性は隠して住み込んだ。そこには彼女の弟に当る息子カラムがいた。母から弟の父親が死んだことは聞き出すが、ニッキーについては「娘がいたが10か月で死んだ」と聞かされ母への憎悪は膨らむ。カラムは繊細で素朴で母に溺愛され閉じられた世界に生きているが、ニッキーには心を開く・・・
インディー映画で、英国公開日は2011/4/22とIMDbにはありますが、果たしてどの程度公開されたのかは謎です。
見始めて「アニメーションとか出てきて、ベネディクト・カンバーバッチとトム・ハーディの「Stuart:A life Backward」を思い出させるなあ。しかも内容もダークだ・・・」と思ったところで英語字幕がないことに気がつきました。しかもスコットランド英語だし私の聞き取りも追いつかない?!
そこでカンニングのためWikiってみましたら、原作は同名小説で、なんとシェイクスピアの「テンペスト」を下じきにしている・・・ことがわかりました。わお!コリン・モーガンは舞台でも「テンペスト」に出ていたので、ここでやる気を回復しました。
テンペストに通じているのは、主人公の復讐、マジカルな孤島が舞台、ということくらいなのですが、おかげで島や海の自然描写がドラマチックに感じられるようになりました。イギリスの田舎の描写って、それを退屈と思うと眠くなるので、その風景に何のドラマを感じるかって大事だと思うのです。波打ち際にアザラシがちょこんといて可愛かったです。それをコリンが「見て!」って指差すのですよ。ああ、ほのぼの。
インディーで資金調達には苦労した様子が特典の舞台裏で語られていました。お金かけた映像には見えないのですけれど、スコットランドの島のロケは交通費/滞在費もかかるし、コリンは撮影の2008年12月には、「マーリン」1と2の撮影の間。でもキャスティング決定の時にはマーリンの成功はわかっていたかどうか微妙な時期だろうな、と思わずギャラはどうだったんだろう・・・
そして、音楽を担当したのは「シャーロック」「ロード・オブ・ザ・リング」と同じマイケル・プライスで驚きました!た、確かに音楽も良かった・・・!
そうそう、主役の女優ナタリー・プレスも良かったです。爬虫類顔で好き嫌いが分かれましょうが、ファンタジーではないのに現実のファンタジーみたいなこのお話にとても合っていて魅力的でした。
特典映像のメイキングに、テレビドラマの「パイロット版」みたいな用途の「サンプルシーン」というのがあり、俳優は本編とは違うんですね。それを見たら全然ぜ~んぜん違ってて、やっぱりナタリーさんの繊細で神経質そうな容姿、コリンの田舎の子全開の演技はすごい!と感動しました。しかし、サンプルのカラム役の俳優さん、あれ?と途中で気づいたらトム・バークでした!いやすみません!
それでね、あらすじに書いてない後半のストーリーが、面白かったですよ!
ニッキーの出生の秘密、カラムとニッキーの関係と行動、目が離せませんでした。
作品公式ページ(ダークなアニメと音楽つき!)
↓DVD特典の、コリンのインタビューの時は楽しそう!