Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

自己主張を学ぶ

2019-10-24 21:25:00 | 異文化


泊まっていたホテルや賃貸マンションなどでエアコンが故障して作動しなくなり、ホテルや管理会社から「修理は2日後になります」と言われたらどうします?

真夏や真冬は誰だって「エアコンないと死にますどうにかして!」となりましょうが、

気温15〜20度の今日この頃だったら私は「そーですか、どうせ使わないから大丈夫です、よろしくお願いしまーす」です。

それが、そうは問屋が卸さないお客さんが私の勤務先にいたんですよ。

そして彼女は結果的に、家賃上乗せのない広い部屋へのアップグレードを果たしたのです!!!

それをどうやって彼女が手に入れたか、裏を返せば、自分の要求を通すには役に立つな、と思ったのでシェアいたします。


彼女Bさんのやり方は、私もロンドンで習ったことのあるコミュニケーションツールの理想的な「assertive/断定的な」ものの言い方です。

断定的/攻撃的/受動的/捻くれ的

と4種類あるのですが、Bさんは断定的と攻撃的のミックスかな。なぜなら彼女の要求を聞いてると腹が立つからです。

断定的のみならば、下の図のように



相手を尊重しつつ自己主張できるからです。

そのバランスが難しいですよね。Bさんは自分の受けるべきサービスは100%要求してくるので、私にとっては一方的なので攻撃されている感じがするんですが、

重要なのは、自分の受けて当然なサービスをどこまでと決めたら絶対に折れないことです。

彼女はこの涼しい今日この頃でも「エアコンがないと暑くて眠れない」と主張し、

いくらなんでもそれは大げさだから2日くらい待てるだろうという私の予想に反し、

「このエアコンなしの補償はどうしてくれるのか」
「2晩エアコンなしは受け入れられない」
「もう1度修理に連絡して絶対に明日直せ」
「マネージャーを出せ」

ということを何度も何度も言ってきました。

私はゲストサービスですので、この要求を断るか無視して、2日後の修理が来た時に部品がなくてさらに時間がかかったときのことを恐れました。

問題が大きくなる前に、かろうじて運良く空いていた部屋をエアコンが直るまで使ってもらうことを先輩に提案して許可をもらいました。

すると予測していましたけど、その別の部屋の方が広くて快適なので、「その部屋をずっと使っていいか確認して」との要望がきました。

普通は部屋のサイズで値段が違うのでそれは無理です。

しかし部屋割りと値段の決定権を持つ営業部に相談したところ、もともとBさんの家賃は高めのレートで契約していたため、その値段なら大きい部屋へのずっと変更という返事が来たんですよ!!!

私も先輩もそんなことは通らないと思ってたので、悔しさと、これでBさんも大満足という安心の混じった複雑な気持ちに!

この案内をしてBさんにはきちんとお礼を言われましたし、営業さんとBさんの交渉では「ゲストサービスはとてもよくしてくれる」とも言っていたそうです。

しかしな、ゲストスタッフ全員Bさんに色々サービスを要求されると「うるせーな」「メンドクセーおばさんだぜ」という気持ちになるんですよね。

いくら彼女が交わした契約ではエアコンを使う権利があるとしても、とにかく要求の1点張りをされ、困っているスタッフの身にもなってくれないと”攻撃”されていると感じますからね。

なので、私はいつか理不尽なサービスだと思った時に、この「正当な要求」ははっきりと何回でも相手に伝えるべきなんだな、と学習しました。相手も困っていることをねぎらいつつ、私が買ったサービスを要求している、ということははっきり相手にわかるまで伝えて。

私はついついいいお客さんでいた方が自分もストレスないから「大丈夫!」と言ってしまうんですが、せっかく嫌な思いをして気付いたことなので、いつの日か役に立てたいものです。


ちなみにBさんはアメリカ国籍のアフリカ系の女性です。

部屋には家電の取説は当然入ってるんですが、入居してきた時にテレビやエアコンはもちろん、お風呂の使い方など、一切自分では読まないでゲストサービスに聞いてきました。

「自分で読めよ!」と思いつつも、一応聞かれたら答えるのがゲストサービスの仕事でもあるのでいちいち部屋まで行って使い方を説明しました。

アメリカの大学卒で、ゲストサービス歴の長い先輩によると「典型的な黒人のアメリカ人女性です」だそうです。