Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

「トールキン旅のはじまり」試写

2019-08-07 07:12:00 | その他の映画・ドラマ・舞台
Fan's Voice独占試写「トールキン旅のはじまり」にありがたくご招待していただきました。



感想は昨夜のうちにツイッターでつぶやいたのですけど、補足するとトールキンが生き延びて旅から帰還した「ソンムの戦い」とは、第1次世界大戦の中でも最も過酷でイギリス軍が最大の犠牲者を出した戦いとして知られています。

「ホビット」では平和そのもののミドルアース(中つ国)になぜ泥沼の大戦争のシーンがなくてはならないのかと不満を思い続けていた、戦闘シーンの苦手な私をも納得させる、トールキンの戦争体験が映画で描かれていました。

獣どもの気持ち悪い殺し合い=ソンムの戦いだったのか!

そしてトールキンはオックスフォードの教授という経歴からは私には想像のできない孤児でした。

お母さんが教育に熱心で、子供を聖職者に託してトールキン12歳の時に亡くなりました。

それが中等教育から富裕層の学友ができて、彼らと芸術の秘密結社(公然の秘密だったらしいですが!)により結ばれるんですが、彼らが絵に描いたような理想に燃えるピュアな少年たちだったんですよ!

私は2014年の「ライオットクラブ」という映画で、富裕層の子弟がいかにムカつく存在かというトラウマを負ったんですが、世の中には出身で人を判断する富裕層だけじゃない、よかった、イギリス学園ものを嫌いにならなくて済む、と救われました。

映画鑑賞後に、ゲスト平山義成 氏(20世紀フォックス映画)によるトークショーもありまして、

監督はフィンランド人でアカデミー賞の外国語映画賞に2度ノミネートされたドミ・カルコスキの生い立ちもトールキンと似ていたこと、サーチライト社は良い監督を掘り出すことに長けている、

衣装担当のKolleen Kelsallにちょうどメールインタビューをしたところで、作中に出てくる甲冑には、トールキン作品からの引用文が刻み込まれていること、

キャスティングも主役だけでなくトールキンたち4人の少年時代を演じた若い俳優も演技力が高く必ずしや数年後にスターが生まれるであろう。「今のハリウッドは英国俳優でもっている」と平山さん。。。。

ここでまた私がオックスフォードで撮った写真を貼りますよ〜

11時にまだなってなくて開店前で入れなかったトールキンたちアート結社の溜まり場「イーグル アンド チャイルド」


この下は今年ではなく2015年に撮ったエクスター・コレッジのチャペル


トールキンの在学したコレッジです


彼は熱心なカトリック信者だったということです


トールキン像


エクスター・コレッジのフェローズ・ガーデンの奥
生垣の奥に見える建物はラドクリフ広場のボドリアン図書館


フェローズ・ガーデン(ちなみにフェローとは大学では教授のこと)



トークショーの後半の話も追記しておきます;

これから公開される3つ映画

「ジョジョ・ラビット」タイカ・ワイティティ監督

1944年ドイツを舞台に、想像上のヒットラーが見える10歳の少年ジョジョの軍隊訓練校生活。予告編と、この映画への監督本人によるパロディというのか短編。大爆笑でした。

ワイティティ監督は、この後「マイティソー4」「AKIRA」と続いて絶好調。

「ヒドゥン・ライフ」テレンス・マリック監督

偶然にも、これまたナチスの話だが、ナチスに迎合しなかった男の人生を描くジョジョとは正反対の映画、というのがオモシロイ。

ワイティティ監督と同様に、マーベルとサーチライトを行き来しているもう一人の監督がいた。次作は

「エターナル」クロエ・ジャオ監督

彼女は中国系でマーベルのダイバーシティ度は高まるばかり。今年のサンディエゴ・コミコンでマーベル社長のケヴィン・ファイギに紹介されて登場。ちなみに彼女のサーチライト作品は「ノマドランド」と言い、リーマンショック後アメリカに現れた、元中産階級の車で生活し移動する遊牧民を描いているとのこと。

というように、充実の試写会&お話で楽しかったです!




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