映画「ヒトラーに盗られたうさぎ」原作本「ヒトラーにぬすまれたももいろうさぎ」を読みました。1980年発行で現在絶版、映画化されたら原作本も再販または文庫化されているのでは?という淡い期待も期待に終わりましたが、幸い図書館にありました。
面白かったです。映画もロンドンに着いたところで終わって個人的にはガッカリしましたが、本の方でそこまで読んだ時、その後の人生をイギリスで過ごし、イギリスで終える作者の亡命の旅が終わった瞬間だったのかと納得できました。
おとうさんは演劇批評家、おかあさんはピアノが趣味(?)の家事が苦手な家庭で、国から国へと移動した子供時代なんて、外国に転校とは大変なのでしょうけれども、サラリーマンと主婦の家庭で育って外国に旅行すると「気が狂ってる」と言ってくる親に育てられた私には羨ましいくらいです。
子供の目で見たヨーロッパの国の違いもまた興味深く、ドイツの小学校は勉強も遊びも男女一緒なのに、スイスでは別々に分かれていて好きな子には物を投げつけるのが意思表示とは!ドイツの子供でもフランスのエスカルゴには閉口するのね、とかバゲットやクロワッサン、モンブランのケーキが美味しいのには同じだな〜と頷き、ロンドンに着いたら雨が降ってて寒くて「イギリスでは常にウールの下着を着なくては」「イギリス人は皆ゴム底の靴を履いている」とか。
しかしベルリンやスイスに比べてパリでは夏に暑く何もやる気になれなく皆避暑バカンスへといなくなる、というくだりを6月なのに35℃の東京で読んでる私は。。。
ロンドンで亡命生活が終わったと感じた、と書きましたが、実は「あとがき」によると続編があり3部作なのだそう。2作目はアンナ15歳でイギリスで第二次世界大戦の終わり頃。そうするとナチスに追われて来た身なのに、ドイツ人としてイギリスで敵視されたということでしょうか。気になるなあ。
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