Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

GG賞に思う

2018-01-09 18:42:00 | その他の映画・ドラマ・舞台
映画、ドラマ、演劇が好きなのに、今まで私はあまり賞に興味を覚えませんでした。おそらく、アカデミー賞やエミー賞はアメリカの賞なので見たことのない作品や俳優が多いので、ちょっと遠巻きに眺めるようなスタンスなのです。

でも今年は「黒いドレス」で女性差別による冷遇や暴力に抗議が行われたり、作品賞/主演女優賞が女性の不平等な社会を描く「侍女の物語/ハンドメイズ・テール」だったりと、とても興味を惹かれました。



ゴールデングローブ賞ってアカデミー賞の前哨戦と言われているのは聞いたことがありますが、そもそも誰が決めるの?ということも知りませんでした。

調べてみますと、ハリウッド外国人記者協会の会員の投票で決まる、つまり外国人プレスに評価された作品と俳優ということなのですね。そうか、グローブは地球という意味だからアメリカにおける世界からの評価とも言えるのかな。


さて、「黒いドレス」は、女優が賞会場で話題にされるのがドレスのブランドや着こなしのことばかりで、俳優やその他男性受賞者やノミニーが作品の中身について質問されることに比べ差別的である、という抗議行動だったわけです。

実際に黒いドレスを着た女性が多かったばかりか、その抗議に賛同する意思を表したピンバッジを胸につけた男性もいて、

またプレゼンターや受賞者による公のスピーチにもそのメッセージが込められ記事となりました。

欧米の、特にアメリカの価値観として「意見を主張する」ことが評価されるがための成功ではないか、と、女性の地位が先進国中ずば抜けて低い日本ではいったいどうしたらそこまでたどり着けるのか・・・などと羨ましく思いました。

日本では女性ひとりひとりは能力は男性にも劣らないし賢い。けど社会的な権力はまだまだ旧体制の高齢男性に握られて、そのバトンが次の世代の男性にのみ渡されている感じ。それに意見する女性は徹底的に男性からも女性からも制裁を受けるような社会がなぜこうも続くのか。


というような酷な社会が描かれているのが「侍女の物語/ハンドメイズ・テール」なんですって。女性が人間としての権利を奪われ子供を産むマシーン化されるディストピア。女性への過酷な社会的圧力がたくさん出てきますが、それらのどれも世界のどこかで過去または現在も現実に起こっていることだというのがまた怖い。

このドラマについての記事をきのう、今日と読んでいて印象に残ったことがあります。それは、アメリカでこのようなドラマが製作・配信されることができたのは、映画でもテレビでもない媒体だからというのです。(すみません、どこの記事だったのかわからなくなってしまいました)

アメリカはクリスチャンの国なので宗教を悪者扱いする作品は検閲に引っかかるのだそうです。テレビと映画とそれぞれ検閲やスポンサーの意向も反映されるので、このネット配信オリジナル作品というものができて初めて可能になったと。

私が大好きなドラマにもNetflixの「ザ・クラウン」や「ストレンジャー・シングス」があり賞をとってますし、今は「ダーク・ジェントリー」を見てるし、「侍女の物語」は2月末にHuluで日本でも配信されるし、

今年はゴールデングローブ賞をとても身近に感じました。

それに、「つぐない」から大好きなシアーシャ・ローナンと彼女の主演作「レディ・バード」もコメディ部門で作品賞と主演女優賞をとって嬉しいし、早く日本に来ないかな、と楽しみです。




 パディントン舞台挨拶付きプレミア上映会チケット発売

2018-01-06 09:23:00 | ベン・ウィショー

ロンドンでのプレミアにて

本日の11:00より、チケットぴあにて発売されるんですって!

「パディントン2」舞台挨拶付き先行上映会のチケットです。
場所はTOHOシネマズ六本木ヒルズ。

登壇者はヒュー・グラント、ヒュー・ボネヴィルの両ヒューsと日本版声優の皆さんです。

発売ページは → nikukiu

ですが、時間にならないと購入ページには行けないようですね。

本日は抽選受付ですので、焦らなくても大丈夫ですよ。
抽選受付が1/10 11:00まで、

抽選ではない一般発売が1/11 10:00から。


私も、抽選に応募してみるつもりですが、いったいどれくらいの倍率なのでしょうね。ダブルヒューズのイケオジ度がマックスですので厳しいでしょうね〜

主役の声のベン・ウィショーが来ないのはなんとも残念のようなホッとしたような。(だってチケット買えなかったら悲しくて仕方なくなりますから)




キングスマン ゴールデン・サークル

2018-01-05 15:50:00 | その他の映画・ドラマ・舞台

公式ページスタンプより

公開日にお仕事の休みを入れて見てきました、「キングスマン」第2作。

その映画館では、土地柄がオシャレでトレンディーではないためなのか、初日の朝という本気のオーディエンス、男性度が高くて意外でした。しかし世の中的にはアクション映画は男性向け的な存在でしたね、すっかり忘れていました。

実際、カーチェイス、スパイ、カウボーイ、銃撃戦、乱闘、美人のお姉さん、と20世紀までは男性的なものの宝箱のような映画でしたが、

もうマニアックで最高に楽しめるこだわりかつゴージャスな悪趣味であることは間違いありませんsymbol4

パンフレットの町山智浩さんの解説に、監督マシュー・ヴォーンの生まれが「労働者階級のイギリス人母と俳優のアメリカ人父の婚外子として育ったが、実の父親はイギリス貴族。」とあり、

キングスマン前作ではイギリス労働者階級チャヴのエグジーとジェントルマンのハリーが描かれたけど、2作目でイギリス的なものとアメリカ的なものが並べて提示されたのには、彼のバックグラウンドがそれぞれの世界にあったからなのかと激しく納得したのでした。

しかも父だと思ってた人はアメリカのスパイドラマ「0011ナポレオン・ソロ」の主役だというのですから、スパイへの憧れは離れて育った父への憧れがあったのだな、と、まるでGotGのスター・ロードのような人生が彼の現実なのかと、

改めて監督さんのような人が映画作ってくれて観客はラッキーだなと思いました。

こうなるとエグジーがスウェーデン王女とうまくいってしまうのも、最初は監督お得意のヤクザな童話の世界と思っていたのですが、監督の奥様がスーパーモデルのクラウディア・シファーだということ似ていて、彼にとっては童話ではなく現実なのだし、とまた納得してしまうのです。

今回はイギリスvsアメリカな話とはいえ、前作の負け組チャーリーがパワーアップして復活し、冒頭で「お前がジェントルマンでオレが平民とはな」としつこく喧嘩を売ってくるのには、前作からの続きをしっかりと感じて嬉しくなります。

つながりという点では、そのチャーリーとの車中での奮闘に靴のつま先から出るナイフが役に立ったり、警察から逃げてハイドパークの池に窓ガラスの割れた車で入らなくてはならなかった時、マーリンから「息を止めるのは得意だろ」と言われたりとオマージュが散りばめられています。

あとキングスマンを見るとパグ愛が燃え上がります。JB可愛い。

パグ以外にのsymbol1ポイントとしては、

エグジーがハリーにテーブルマナーを教わったシーンだけがテンポが特出して遅かったこと。全体の流れが止まるほどだった。

エグジーのスーツのジャケットの胴回りがパンパンだったこと。サビルロー仕立ての体に沿った作りだからこそ。あのアクションで破れないのでしょうか。衣装係のお仕事したい。

グラストンベリー・フェスが出てきたこと。ブリット・ポップ・カルチャー好きの好物網羅。そこにちゃんとエグジーもゴム長靴履いていってた、日本ではエーグルが有名だけどそこはキングスマン、英国ブランドHunter。

エグジーの王子様姿!元チャヴなのに、そこまでやるのね!

サー・エルトン・ジョンが楽しそうに自身の役を演じていたこと。

残念だったのは、1作目ほど愛すべきキャラクターがいなかったこと。それは基本的にカウボーイに魅力を感じないからステイツマンの人たちに愛着が持てなかった。ポピーランドはドーナツ屋さんが可愛かったけど。


そして、私が個人的にアガったのは、エグジーが子供の時にハリーからもらったネックレスを使う時が来たのが、ロンドンの老舗ワイン店の地下室だったことです!

そのお店は実在する有名店で、現実にもキングスマン・ショップが店舗の一部に現在作られてグッズが販売されているのですが、私の夫のロンドンでの勤務先でもあったのです。もう、びっくりです。

ステイツマンのお酒が入った金庫のある地下室も実際にあり、とても古くて店そのものよりも広いのです。お店のお得意様などは案内されて見せてもらうこともありますが、正式には店舗部分ではないので、どんなに金払いのいいお客でも、地下室の存在をどこからか聞いて偉そうに「下を見せろ」と言っても店員は入れてくれません。

とはいえ、お店主催のワイン・テイスティングや講座(日本語のも以前はありました)に参加すると、その地下室で行われますし、食事をケータリングしてワインはもちろん自店の製品を味わえるディナーパーティーなども開催されているので、そういう名目で地下に行くことも可能なんです。

テーブルのある部屋だけでなく、倉庫やオフィスもあり、セント・ジェームズ・ストリート3番が店の住所ですが、その通りの先はセント・ジェームズ宮殿ですから、実は宮殿とつながっているとの噂まであります。とてもスパイ映画ぽいですよね?!

監督もそういう店の背景を知っていて、サヴィル・ローの店が爆破されたのちの新店舗のロケーションにナンバー3(お店内部のこの店の呼び名です)を思いついたのかもしれません。



サヴィル・ローはテイラーで有名な場所ですが、この通りも紳士のための帽子屋や靴屋、グルーミング洋品店などが立ち並び、キングスマン前作の悪者ヴァレンタインにハリーが勧めた帽子屋もすぐ近くです。


ニュージーランドのチャイ

2018-01-04 18:02:00 | ニュージーランド


いただき物のニュージーランドのお茶、

容器がグリーンなので、私はてっきり緑茶かと思っていました。

そして、海外産のグリーンティーとは、日本茶とは似て非なるものなので、

お茶の棚にて放置していたのですが、ふと裏の解説を読んだら、

ちゃんと正面にも表示されている通り「CHAI」=「チャイ」でした!

オーガニックでフェアドレードのアッサム茶に、

生姜、シナモン、カルダモン、クローブなどのスパイスが加えてある、

ミルクで煮て作ると美味しいインド式のお茶です。

緑の茶=グリーンティーと刷り込まれた私の思い込みのおかげで

(あと、偽緑茶への恐れも)

こんな美味しいものに気づかなかったなんて!!

さっそくミルクをたっぷり入れて作ったら、

大変美味しゅうございました。

どなたにいただいたのか不明ですが結構なお品をありがとうございます。




否定と肯定

2018-01-03 21:45:00 | その他の映画・ドラマ・舞台


この映画は2000年に裁判が行われた事実に基づく歴史映画です。

ヒットラーによるユダヤ人殺害=ホロコースト否定論者のイギリス人作家が、ユダヤ系アメリカ人の歴史研究家女性の大学の講義に突如現れ、「ホロコーストなんてなかった」と授業を妨害したので、

彼女は著書にて彼の研究はウソだと指摘、

それを彼は名誉毀損だとイギリスの法廷で訴え、裁判が行われました。

それは事件として世界中(多分ユダヤ系の人が多い地域では特に)の注目を集めた有名な裁判でした。



・・・ところが、恥ずかしいことには、私には実は初耳でした。2000年といえば私は未婚のキャリアウーマンでしたが、私がニュースに疎かったのか、日本では報じられていなかったのか、

とにかく、私が誘って一緒に見に行った夫は当時日本にいたのに、英語圏情報の世界に生きていたからでしょうか、「世の中大騒ぎだった有名な事件」と知っていたのでした。



その歴史への興味というより、見たい俳優さんが複数出演しているというだけでモチベーションがムクムクっと上がり、こんな事実があったのかと勉強になりました。


見たかったのは、

訴えたイギリス人作家アーヴィング・・・ティモシー・スポール
受けて立った教授の弁護士・・・アンドリュー・スコット
オランダ人の建築歴史家・・・マーク・ゲイティス
高等法院判事・・・アレックス・ジェニングス

この4人。豪華ですよね〜

そしてあまり期待していなかった、主役のリップシュタット役のレイチェル・ワイズの演技には関心さえしました。

イギリスやヨーロッパ人の中のアメリカ人女性、教授ですから知性的なのは当たり前ですが、正義感の強さと自分の正義の「主張欲」とでもいうのか、知的な人間でありながら全体の空気を読むということはありえずまず自分の正しさへの執着が特出、

ちょっと悪い言い方をすると「感情的になりやすい正義の人」をうま〜く演じてたなあと思います。

それに比べて、思ったより迫力なかったのは実はティモシー・スポールで、なぜそう思ったかといえば、本物のアーヴィングを検索して出てくる写真を見ると、ものすごい凶悪な表情なんです。

こんな男にがなられて負けなかったリップシュタット、「もうちょっと考えてものを言えばいいのに」とは思ったものの、それくらい気と正義感が強くないと正面切って対決できなかったんでしょうね!

淡々と仕事をするイギリスの弁護士たちのキレ具合がかっこよくて、これはドラマに法廷ジャンルというのがあるもの納得だと思いました。