Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

マシュー・ボーンの白鳥の湖

2019-07-21 19:05:00 | その他の映画・ドラマ・舞台


「マシュー・ボーンの白鳥の湖」千秋楽を見てきました。

感想は一言で終わり「いいものを見た・・いいものを見た・・」!!!

新演出版でのワールドツアーは日本がスタート地点で、この後8〜9月が中国で4箇所、10月に韓国ソウル、12~1月にかけてアメリカ3箇所の予定が公式ホームページに出ています。

早く見られて嬉しい

私は2006年ごろに、ロンドンのサドラーズ・ウエルズで見たことがありますが、新演出と言われてもそんな細部は覚えてないのでまっさらな心で楽しめました(威張れない)。


写真は公式からで王子がリアム・モウアー。これが見たかったなあ

特にスワン、マシュー・ボールは期待以上でした!!

プロフィールはすでに発表されていたので、ロイヤルの現役プリンシパルだとは知識はありましたが、それでも、実際見るまではどんなプリンシパルかわかりません。

でもほぼ群舞の白鳥たちと同じメークと衣装なので、その王者のような存在感と美しさがより引き立っていました。

でも本来が王子さまなキャラに見えるので、スワンの神々しさの方がストレンジャーの色男ぶりよりも抜きん出ていました。・・・というのはスワンだと露出度が高いからでしょうか。人間の役だとジャケットに革パンツで視線をシャットアウトしていてもったいない、というかつまり肉体が宝物のように美しい。

今回の席は抽選だったのですが、S席で1階11列。去年のシアター・オーブでは同じ抽選でも最前列という大当たりだったので、今年は大ハズレのような気分ですが、確かホリプロの有料会員の方のみ対象の抽選が先だったので、会員費をおしんだ自己責任かなぁ。(でも2階席までSらしいので大ハズレではないのかな)

それでオペラグラスを持参しまして、スワンの表情に注目しました。野生の動物の表情ってあるのか、それでも視線で王子に関心持ってる様子など、ロイヤルの感情抑えめと呼ばれる演技が生きていました。

オペラグラス越しでも表情を見るつもりが肩、腕、胴体の表情があまりに豊かで、さすがのマシュー・ボーンの美意識よ・・・とスワン役は上半身の肉体美で決定か、と妄想しました。

ところでクライマックスでベッドからスワンが出てくるってのは衝撃で、思わず初期の映像で確認しましたけどこれは新演出ではなかった、けど忘れてたのでまた驚きました。これはどういう意味だったのかな。もうこの時点で魂の世界になってたとも言える。



ロイヤルファミリーの犬としてコーギーちゃんが出てました。

モウこれは英国王室がモデルとバレバレですよねー

皇太子が母の愛情に恵まれずにグレちゃったところまで同じ。ちょっとヤバいですね〜



パンフレットは2000円と高価ではありますが内容充実しています。



その中で、
マシュー・ボーンの序文に「ふたりの他界してしまったカンパニーのメンバーを讃えてこの作品を彼らに捧げる」というくだりがあります。

そのうちのひとり、ジョナサン・オリヴィエさんの交通事故が起きた時、私はとても近くにいたことを思い出しました。彼はサドラーズ・ウェルズに「カーマン」出演のためオートバイに乗っていてすぐ近くのクラークンウェル・ロードで悲劇が起きたのです。その直後に私はサドラーズ・ウェルズをバスに乗って通りましたら、劇場の前に人が溢れていて尋常じゃない雰囲気で、マシュー・ボーンが公演中止を決定した前後だったのだと思います。彼もスワンを踊ったダンサーでした。



最後に、ツイッターで見かけたマシュー・ボールの意外な映像を記念に!



この流暢な日本語、絶対に「ワンピース」ファンと見た!



Benjamin DVD が発売

2019-07-20 09:14:00 | コリン・モーガン


待ちに待ってたコリン・モーガン主演の名作「ベンジャミン」DVDが出ます。

今まではイギリス&アイルランドでの劇場公開と配信のみ、しかも日本からは正規アクセス不可という日本在住ファンには不遇の存在でした。

8/12発売!もう直ぐ!アマゾンUKで予約できます。

日本にも発送可、やった〜!

何を期待って、字幕です。

今のところ、アマゾンの記述には字幕の字もなく、一抹の不安はぬぐえませんが、どうせ字幕が出ないとわかったところで買うんですから、着く時のお楽しみでしょうか。

見ているだけでもかわいいボーイズのオタクな会話がやっと解明できる日は来るのか?!




ENDEAVOUR 0102 fugueの謎

2019-07-18 00:00:00 | モース&ショーン・エヴァンズ
いつからだったか、若モースの推理にはついていけなくなり、もう理解できなくても謎は謎のまま追求することをやめていました。

実はENDEAVOURのシリーズ1エピ2からすでにその兆候があったんですが、初期のエピなので「私にはよくわからないモースの推理」として記憶に残ってたんです。

それが先日オックスフォードで参加したツアーで、ガイドさんがその謎について「歴史的知識がないと難しい」と触れたのをきっかけに俄然好奇心が湧き調べました。

その謎とは「誘拐された6歳の女の子デビーの居場所をモースがどう推理したか」というものです。

「歴史的知識がないと難しい」なら、調べればわかるんだ、と気付いたのです。


最初から理解できてた方々はすごい・・・私は日本語字幕で見ても英語字幕で見てもどうも今ひとつわかりませんでした。そこで英語字幕から一つ一つ見てみたら、オックスフォードの建物のニックネームや歴史がちりばめられていたのでした。



①女の子の赤い靴から出てきたメモ「リブラ・アイドルの近く」

→アナグラムで「ボドリアン図書館」のことだった。
 図書館に行ったモースは犯人にナイフで刺される。

②犯人の変装道具と持ち物が図書館近くで発見される
 「警官の一部は役に立たず 全員悪人だ」と書かれた楽譜が

→モースが病理心理学者に見せると「ボカルドの三段論法」だという返事
 「否定文、肯定文、次に『ゆえに〜〜である』と続く論法」

③モースが「警官の一部は役に立たず 全員悪人だ」に続く文を考えながら
 殉教者の記念碑(Martyrs Memorial)を通りかかった時に閃く

→16世紀のプロテスタント迫害の時に改宗せず処刑された聖職者たちが
 処刑まで投獄されていたのがボカルド牢獄だった。
 その牢獄は聖マイケル教会の近くだったとされる。
 モースが向かって女の子を発見したのがその教会。

というわけでした!!ふうううう〜


やっとこの理屈が分かったことも嬉しかったけれど、
なんとこの聖マイケル教会が、私が泊まった寮の隣の教会だったんです!

この写真の右端の木の陰に近代的なガラス窓が見えますよね。



そのガラス窓越しに撮った写真がこれだったんです!



もっとも、教会の外観は、ドラマでは別の教会を使っていると思います。あんなに広い外庭はなかったですもん。

でもその教会の説明をモースがサーズデーにした時にサーズデーが、

「タワー教会にドアが展示されてる牢獄のことか?」

って確認してるんですけど、

そのTower Churchとは聖メアリー教会のことで、高い塔があって上まで登ることができ、私は上から写真を撮るために入場料払って細い階段を上がったんですが、その途中でサーズデーが言及したドアを確かに見てるんですよ!きゃー、その時は、何か昔の人に由縁のある扉らしいな、としか思わなかったですけど〜

そして殉教者の記念碑(Martyrs Memorial)、ツアーの集合場所でもありました。そうでなければ行かなかったと思います。

そうそう、女の子を母親に引き渡した後、ストレンジがモースにコーヒーをくれる場所、あれはペリカン・マンが子供達に救われたクイーンズ・レーンでした。


ガイドさんが言ってましたが、最近はもう人が増えたためオックスフォードでの撮影が年々難しくなってるとのこと。私もその原因の一人ではありますが、このENDEAVOUR初期には本当にオックスフォードでの撮影がほとんどで感動です。




POLDARK 0501

2019-07-17 00:00:00 | POLDARK


ポルダーク、シリーズ5、最終シリーズですよ!

ずっとBBCに拒否られて心の黒い雲が晴れなかったんですが、やっと繋がることができました!

ポルダーク見るときってなぜだかすごいドキドキするんです。

きっとロスが何をやらかすか不安なせいでしょうか(笑

シリーズ4の最終回のブログはいつ書いたか見てみたら、去年の7月でしたので調度1年ぶりなのですね。

1話でもちゃんと「これまでのお話」をまとめてくれていて記憶が悪い私にもやさしい。

エリザベスが早産を促した薬のせいで亡くなったしまった、ここが4の終わりです。もっとも死因はエニス医師しか知りません。

5はいきなり1781年アメリカ独立戦争でロスが重体を負った時に引き戻されてます。命の恩人を出すためでした。ロスの顔の傷はその時の名誉の傷だったのね。

そして1800年に戻って、エリザベスの死で長男ジェフリー・チャールズがロンドンから成長して戻ってきました。

ポスダーク1から約20年の年月が経ってるのですが、登場人物ほとんど変わってないのでジェフリー・チャールズの成長ぶりだけが時の経過を告げております。

ジェフリー・チャールズの父親はロスの従兄弟フランシスでまだ彼が小さい時に亡くなっているのでこれで両親を亡くしてしまって・・・

その生家に戻って、ロスとデメルザ兄弟とモワナ、エニス夫妻でエリザベスに乾杯。ここではもしやこの家がジェフリー・チャールズに譲られたのかな?と思ったのですが、

いやいや、ジョージはそんなに甘くなかった、悪党中の悪党、ジェフリー・チャールズがハロー卒業後は軍に入るので支援を頼みにロスと一緒に尋ねても、仮にも義理の父親のくせに「一銭も出さん」と追い返しましたよ。

ジョージの辛さには同情し掛かるも、あの子供達への憎悪剥き出しはヴィラン中のヴィランですね。

ヴァレンタインが不憫でならないけど、これも元はと言えばロスのせいなんですよねー。こんな育ち方したら性格ヒネちゃうでしょー、チャールズ皇太子みたいになっちゃうよ〜

しかしロスにはそんな自覚はなく、デメルザに「自分の人生は君なしでは意味がない」とか言ってるんですけど、う〜ん、そうなのか、デメルザが好き勝手にやらせてくれるから?

ところでBBCが見れても、どういうわけか字幕が出せないので台詞がわからなくて話の詳細がわかってません。

とにかくジョージの意地悪でロスの鉱山の賃金が半分になってしまい労働者の反感マックスになっています。

しかしロスはアメリカ時代の命の恩人に助けを求められロンドンへと出発。

コーンウォールに残ったデメルザに何者かが嫌がらせを仕掛け、

ロンドンではロスが劇場で王の暗殺者を追ったところ逆に権力者に呼び出しを食う

2箇所でのスリリングな展開が同時進行してました。

私的には一番の見せ場は犬のギャリックが番犬として大活躍したことです。いいぞ、ギャリック!!演技うまいぞ!

あと受けたのは、黒人にお茶を差し出すプルーディーの目つき。

そしてジョージがマッド・ジョージになってエリザベスとの世界へと逃避してしまったこと・・・・!悪魔だけどこれは痛い!そしてこの状態で嫌がらせをしたらどんなことが起きるのか?!







アレルヤ!

2019-07-16 19:45:00 | その他の映画・ドラマ・舞台


去年、ベン・ウィショーの「ジュリアス・シーザー」などで話題になったロンドンの新しい劇場ブリッジシアターにて、サミュエル・ベネット君が出ているお年寄りのミュージカルぽい「アレルヤ!」という舞台をやっているとツイッターで知った時から見たかったのをついに、東京でナショナルシアター・ライブで見れました。

老人ホームが舞台なんだなと思い込んでいたら、まんまと罠にかかっていて、実はホームではなく病院なのに、行く所がないため退院できない老人病棟の話でした。

日本でお年寄りというと茶色とか灰色のイメージなんですが、イギリスの老人たちってカラフルなのでそれでミュージカルと思ったくらいです。

しかも元気。特に数少ない男子はガンコジジイで、これはハイトナーの願望もあるのでしょうか。イギリスは老女の方が無敵に強いイメージがあったのですが。

しかしカラフルで元気な病棟の話だけれど、捻りは来るだろうとは思ってたけど、
ダークなストーリーとは予想以上でした。

サミュエル君といえばどうしても「ヒストリー・ボーイズの〜」と言いたくなりますが(「ダーク・ジェントリー」も忘れてないけど!)、そのヒストリー・ボーイズからもう一人のキャストがいたんです。

インド人の医師役サシャ・ダワン。

この二人の語りが増える終盤近く、「ああ、これは老人たちの『ヒストリー・ボーイズ』だったか」と独り言が出てしまいました。

それぞれの登場人物の事情がわかってくるとそれぞれに感情移入してしまう。

特にインド人医師、不法滞在がバレて国外退去になるんですね。その時に彼はイギリスの国としてのダメな部分やイギリス白人の根拠なき優越感を嫌という程知っているのに、「それでも僕はイギリスに帰化したいのか」と自問自答するんです。ここに、同じ外国人として切ないほど共感します。

私もイギリスいいところばかりじゃないのを知っているけど、なぜか日本よりも精度が整っているんじゃないか、と夢を見てしまうのですね。現に、この劇の老人たちは自宅を子供にとられても病院には無料で住んでいるわけですから。

でもインド人医師、良心的で決して医師として無免許でもなんでもなく資格があるのに、なぜ病院で謎の老衰が多発したのか見抜けないのだけは疑問に思ったけど、さすがに80歳以上で寝てるうちに死んでたらやはり老衰となるのがどこの病院でも普通なのかな。

と重い話ながら、重く見せずにメッセージだけが伝わるのはイギリス的なユーモアと、歌と踊りと、それからサミュエル君たちキャストのせいでしょうね!みんな頼りなさげな人物を演じてるのに台詞がうまい。

サミュエル君って、いるだけで、見てるだけで幸せな気持ちになるんです、私。

ところでパンフレットにはリハーサルの写真が出ていて、老人役の人たちもジーンズにTシャツにスニーカーで全然若々しいんです。あのお芝居の衣装は入院患者だからというのもあるけど、お年寄りらしいお年寄りの衣装として考え抜かれたのかな。