Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

河合祥一郎先生の「『リア王』の哲学的世界」

2019-10-25 21:46:00 | イギリス


日比谷公園内にある日比谷図書文化館にて河合祥一郎先生による講座に行ってきました。

「こんなに面白かったシェイクスピア」という著書で河合先生が私のような知識ゼロにでもわかるお話を書いてくれたので、題材がシェイクスピアの中でも私が苦手な「リア王」でもOKかな〜っと思ったのです。

上の写真のような1ページに9コマのハンドアウトが9ページも配られましたので、メモの必要もなくバッチリ!!

そして内容も、とてもシェイクスピアの哲学に納得でき、実用的なんだな!とありがたいものでした。

究極の結論だけ書きますと、

シェイクスピアの哲学=ストア派 

    つまり

ストイックに正しいことをして徳を積みより良い人間を目指す

   キャラで言うと、

ハムレットブルータス

おおおおお!そうか〜!「高潔なベン・ウィショー・・・じゃなかったブルータス」とはそういうことだったのか・・・

    しかし、

これが高じて独善的となり本人に悲劇が

    そこで

ユマニズム(人文主義)でもって人間の愚かさを認めどんな価値観だろうが愛と思いやりをね!

・・・ってことなんだそうです!スッキリ!


もう一言

シェイクスピアの特徴:オクシモロン

なにこれ?!ポケモンみたいな・・・

英語で OXY(賢い)MORON(愚か)

そうだ、よく反語が=で結ばれるセリフが出てきてわけわからないのありますが、

道化が賢いという、ソクラテスの「無知の知」(賢い人は自分が知らないことがあると知っている)。

なんか妙に納得・・・





自己主張を学ぶ

2019-10-24 21:25:00 | 異文化


泊まっていたホテルや賃貸マンションなどでエアコンが故障して作動しなくなり、ホテルや管理会社から「修理は2日後になります」と言われたらどうします?

真夏や真冬は誰だって「エアコンないと死にますどうにかして!」となりましょうが、

気温15〜20度の今日この頃だったら私は「そーですか、どうせ使わないから大丈夫です、よろしくお願いしまーす」です。

それが、そうは問屋が卸さないお客さんが私の勤務先にいたんですよ。

そして彼女は結果的に、家賃上乗せのない広い部屋へのアップグレードを果たしたのです!!!

それをどうやって彼女が手に入れたか、裏を返せば、自分の要求を通すには役に立つな、と思ったのでシェアいたします。


彼女Bさんのやり方は、私もロンドンで習ったことのあるコミュニケーションツールの理想的な「assertive/断定的な」ものの言い方です。

断定的/攻撃的/受動的/捻くれ的

と4種類あるのですが、Bさんは断定的と攻撃的のミックスかな。なぜなら彼女の要求を聞いてると腹が立つからです。

断定的のみならば、下の図のように



相手を尊重しつつ自己主張できるからです。

そのバランスが難しいですよね。Bさんは自分の受けるべきサービスは100%要求してくるので、私にとっては一方的なので攻撃されている感じがするんですが、

重要なのは、自分の受けて当然なサービスをどこまでと決めたら絶対に折れないことです。

彼女はこの涼しい今日この頃でも「エアコンがないと暑くて眠れない」と主張し、

いくらなんでもそれは大げさだから2日くらい待てるだろうという私の予想に反し、

「このエアコンなしの補償はどうしてくれるのか」
「2晩エアコンなしは受け入れられない」
「もう1度修理に連絡して絶対に明日直せ」
「マネージャーを出せ」

ということを何度も何度も言ってきました。

私はゲストサービスですので、この要求を断るか無視して、2日後の修理が来た時に部品がなくてさらに時間がかかったときのことを恐れました。

問題が大きくなる前に、かろうじて運良く空いていた部屋をエアコンが直るまで使ってもらうことを先輩に提案して許可をもらいました。

すると予測していましたけど、その別の部屋の方が広くて快適なので、「その部屋をずっと使っていいか確認して」との要望がきました。

普通は部屋のサイズで値段が違うのでそれは無理です。

しかし部屋割りと値段の決定権を持つ営業部に相談したところ、もともとBさんの家賃は高めのレートで契約していたため、その値段なら大きい部屋へのずっと変更という返事が来たんですよ!!!

私も先輩もそんなことは通らないと思ってたので、悔しさと、これでBさんも大満足という安心の混じった複雑な気持ちに!

この案内をしてBさんにはきちんとお礼を言われましたし、営業さんとBさんの交渉では「ゲストサービスはとてもよくしてくれる」とも言っていたそうです。

しかしな、ゲストスタッフ全員Bさんに色々サービスを要求されると「うるせーな」「メンドクセーおばさんだぜ」という気持ちになるんですよね。

いくら彼女が交わした契約ではエアコンを使う権利があるとしても、とにかく要求の1点張りをされ、困っているスタッフの身にもなってくれないと”攻撃”されていると感じますからね。

なので、私はいつか理不尽なサービスだと思った時に、この「正当な要求」ははっきりと何回でも相手に伝えるべきなんだな、と学習しました。相手も困っていることをねぎらいつつ、私が買ったサービスを要求している、ということははっきり相手にわかるまで伝えて。

私はついついいいお客さんでいた方が自分もストレスないから「大丈夫!」と言ってしまうんですが、せっかく嫌な思いをして気付いたことなので、いつの日か役に立てたいものです。


ちなみにBさんはアメリカ国籍のアフリカ系の女性です。

部屋には家電の取説は当然入ってるんですが、入居してきた時にテレビやエアコンはもちろん、お風呂の使い方など、一切自分では読まないでゲストサービスに聞いてきました。

「自分で読めよ!」と思いつつも、一応聞かれたら答えるのがゲストサービスの仕事でもあるのでいちいち部屋まで行って使い方を説明しました。

アメリカの大学卒で、ゲストサービス歴の長い先輩によると「典型的な黒人のアメリカ人女性です」だそうです。




執事が見たイギリス王室

2019-10-22 16:43:00 | イギリス


「NHK世界のドキュメンタリー」というシリーズで「執事が見たイギリス王室」を見ました。

「執事」という言葉で思い出すのはTVドラマ「ダウントン・アビー」やカズオイシグロ原作の映画「日の名残り」、それに王室の舞台裏という意味ではドラマ「ヴィクトリア」「クラウン」もあります。

そういうドラマに比べ、実際のところはどうなんだろう?リアルな使用人の世界は?と興味が出たのですが、


(以下NHK公式ページより)
チャールズ皇太子のための究極の靴下のたたみ方、王室ハウスキーパーの採用試験、ウィリアム王子の結婚式で出されたケーキのレシピ…。イギリス王室には、執事、料理人、乳母など千人以上が仕え、それぞれプロの仕事の流儀がある。華やかな世界に身をおく憧れの仕事は、安い給料でも大人気だ。ロイヤルファミリーひとりひとりの性格をうかがわせる秘話も織り込みながら、執事たちの目線でイギリス王室の知られざる一面を描く。


「事実は小説よりも奇なり」という言葉がこれほど当てはまると思ったことはありません。

皇太子の靴下のたたみ方を実際にやって見せてくれたのは、古いグローブトロッターのトランクに下着のパンツ(カルバンクラインでした。アメリカなのね)にもアイロンをかけねばなりませんと言いながら衣装をしまっていましたので、ヴァレット(ご主人様の身の回りの世話係り)も兼ねた執事のようです。それが真剣にそのたたみ方がご主人が靴下を履きやすくすると話しています。

「ダウントン・アビー」では突如相続人となった弁護士のマシューが「主人が服を着るのを手伝うなんて一人前の男の仕事か」とヴァレットという職を否定するシーンがありましたけど、21世紀の使用人達は100年前のドラマの世界なんかよりもずっと仕事に誇りを持っているではないですか!

それに別の執事は、自分がその仕事に応募したのは「日の名残り」「ダウントン・アビー」のイメージに憧れたからだというんですよ!

そして中には長く王室メンバーに近い仕事をした後、マスコミにその仕事を通じて知った王室のプライバシーをしゃべりまくる人というのがいて、そういう人のことをこの番組に出演した人たちは本気で軽蔑していました。(これは王室に限らず企業秘密は厳守が鉄則ですよねー)そりゃそうです。人権侵害ですわ。

「ヴィクトリア」で女王の衣装係長の可愛い女性が出てきてましたが、彼女は恋人ができても女王を優先します。まあ日本の感覚だったら仕事優先というのはよくあることですけど、真剣に自分がいなければ女王の公務が回らないと心配しているんですが、あの姿は現在の宮殿でも健在でした!

王室ドラマ好きの私もでもびっくりする王室への忠誠心。

どんなにリベラルな社会ができても、「王様」「女王様」って特定の人に魅力のある存在なんだな〜と改めて確信しましたです。


*NHKオンデマンドが見られる方は放送しているとのこと。

PASSENGER LIST 07

2019-10-21 23:31:00 | コリン・モーガン


エピ7:Inoperative Operative

エピ名が韻を踏んでカッコイイ感じです。
Inoperative は Operative(活動する/効力のある)の反対語で(効力のない)の意味になりますが、このタイトルの Operativeは形容詞ではなく名詞で、意味は(工員/スパイ)。

ということで、効力のない、つまり除名されたFBI職員であるジェイムズ(ジム)・デニソンが出てきます。

この人、声を聞いた限りではトーマスとそう変わらない青年かと思いましたが、「アトランティック702」事件の担当ではないのに首を突っ込んだとして休暇という名のクビを言い渡された時に「20年も貢献しているのに!」と言い、ケイトリンと同年代の娘がアトランタ702に乗っていたと・・・とてもケイトリンのパパと同世代には思えませんでした^^;

今エピの展開は、そのジムがFBIから追い出され、ケイトリンに接近。

初めは取り合わなかったケイトリンも、彼の口から「7h:100c:95f」という先週登場した暗号が飛び出してから、彼の話に耳を傾けました。

暗号の真相は、伝染病の拡散力を表す数式だったのです。ひとりの患者から7時間(h=hour)で100人(case)に伝染し95人が致死(fatal)問いう意味でした。

ジムはそのエボラよりも恐ろしいウィルスを搭乗していた研究者がNYに持ち込むのを避けるため、何者かによって飛行機ごとどこかに連れ去られていると信じてます。エピ6で、ケイトリンの留守電に「連絡をくれ、これはリクエストではなく命令だー」という怪しいメッセージを残してた人。

で、彼と親しい研究者が学会でアトランタに来るのでケイトリンに調べるようジムから説得され行っちゃうケイトリン。

この時点では謎の「チャド」が言ってた暗号をジムにより解明されたということで、真実に近づけるかもと思ったケイトリンですね。

消えた研究者と共同研究もしていたことのあるマーシャル博士には、またまたシャーロックのごとく博士が話したくなるような身分を語って接近は成功しますが、結局のところ、すぐには成果と思える情報はなし。ただ、昔していた共同研究が秘密のようなので、今度何かつながるとするとその過去ですよね。

しかしな、エピ7にしてやっと出てきたウィルス隠蔽説は、このドラマの真実へと導かれるのか・・・一応初期のエピにも病原菌説はちらっと出てきてはいたけど、なんだかな。

そして、今週のトーマスは、アトランタのホテルにいたケイトリンに電話をかけてきて

「失踪したアトランティック702の破片が発見された」ニュースを伝え、

この時点でトーマスは飛行機が本当に墜落したと信じ、調査を続けるケイトリンに事実を受け入れ、コナーの死を受け入れるよう説得も。

あれ?

元MI6のトーマスがテレビのニュースで簡単に信じちゃう???

そしてケイトリンまでトーマスにのまれて・・・

まあ狂信的なジムを見てしまうと、自身の姿を鏡で見せられてるような気にもなったのでしょうが、テレビのニュースごときで今までの「鳥衝突フェイク説」から簡単に気を変えてしまったトーマスとケイトリン・・・単に、愛する人を失ったという受け入れたくない認識を受け入れるのに十分な時間がちょうど経ったということでしょうか。

自殺を演出しMI6を欺き、ロシア経由で逃亡するトーマスがそんなことでいいのでしょうか?!





フッド:ザ・ビギニング

2019-10-18 22:46:00 | その他の映画・ドラマ・舞台
珍しくネタバレなし



「ロケットマン」で勢いついて同じタロンくん主演の「フッド:ザ・ビギニング」を見てきました。

これが「ロケットマン」と同じで期待以上に面白かったです。

と言っても、別のおもしろさなんですけどね、

タロンくんが何かのインタで「アクションを楽しんでね」と言ってましたが、それが本当に楽しめました❤︎

ところでこの原題(英語)はただの「ロビン・フッド」なんですが、珍しく邦題がなかなか優れてて、ロビン・フッドがロビン・フッドになるまでの話なんですと。

なんですと、と言うのは、実は私もとのロビン・フッドの原作もこれまでの映画も見たことがない。でも富裕者から盗んで庶民に還元する、ってことだけ知ってましたがそれで十分スカッと楽しめました。

ロビン・フッドの時代はなんと12世紀の十字軍遠征の時です。

それなのに、こんなにモダンな衣装なんですよ!



時代劇といえば、兵士や平民は泥だらけでくすんでボロボロの衣装、支配層はギラギラフリフリ、とだいたい決まってますが、

あの時代にはなかった素材も使ってるけどそれがカッコイイので文句なし。



町の作りも全然イギリスのノッティンガムらしくなくて、架空の町風。

小高い山の上に城のように町ができてるのは、私にはイタリアを連想させましたが、ロケはクロアチアやフランスだそうです。ま、お隣とアドリア海を挟んでお向かいの国ですので当たらずとも遠からず・・・(無理)

そして印象に残るのが、カーチェイスならぬお馬さんチェイスと馬車チェイス。

そんなところは12世紀を再現してますけど、エフェクト撮影だとわかっていてもお馬さんが危険なことするのはハラハラドキドキです。戦火の馬です。



タロンくんの他に、「ベイビー・ドライバー」でキレた犯罪者を演じたジェイミー・フォックスがイスラムの男、「ザ・フォール」でサイコ・キラーを怖く怖く演じたジェイミー・ドーナンも出ています。敵か味方かはっきりしないところがよかった。

あと、この下の写真のタックという聖職者が飄々として好きでした。



この巾着は、ムビチケの特典なんですが、映画の中にたくさん出てきて、これが御目当てで買って嬉しくなります。

私はちゃんと中には夫には秘密の隠し貯金を収容しております。