つれづれおもふ

思えば遠くに来たもんだ~ぼつぼつ語る日々の出来事

地吹雪

2011年02月12日 | 北国の生活

地吹雪に前へ進めなくなったことがある。

20年近くの前のことだ。まだ、長男が3歳くらい長女が2歳になったかどうかの頃だったと思う。
公園で仲良くなったお友達の家に遊びに行った。以前住んでいた家から歩いて3分もかからない場所だった。信号を渡る場所で、もう一人のお友達と別れた。信号を渡ると、大きな倉庫をなぞるように道を中小路に入り、もう一本小路を入る場所に家はあった。太い道路に面した側をお友達と少し遠回りになるけれど行くか、より近いほうを行くかその時一瞬悩んだ。夕飯の準備が迫っていた。一緒に行ってわかれずらいとまた遅くなると考え、信号を渡った。

倉庫の陰になるところにはいったとたん、凄い地吹雪に襲われた。娘を抱いて、息子の手を握ってあるいていたが、あまりの雪と風に一歩も前に進めなくなった。その時道もほとんどなく、ラッセルして前に進むような状況だった。ほんの10メートルほどの距離が動けないのだ。泣き叫ぶ子どもたちに途方にくれた。この倉庫を回りこめば風よけになるに違いないと考えて、息子に大きな声で叫んだ。「ここに立ってて!かならず迎えに来るから!みいちゃん運んだら戻ってくるから、風に背中向けてここにしっかり立ってて!!」
必死だった。
娘をしっかり抱いて、情けなさそうな息子の顔を振り切って雪をかきわけた。ようやく、倉庫の切れる場所にたどり着いたとき、歩道用の除雪車が進んできていた。もう頭が真っ白だった。まだ、子どもがいる。除雪車にひかれる!パニックだった。息子がいる場所に入り込んでいく除雪車の脇を歩く作業員に必死で叫んだ。
「子どもがいるんです!まだ、あそこに一人で立って待っているんです!この子を運んで、置いてきているんです!」
涙が出そうだった。置いてきちゃった・・・置いてきちゃった。なんで一緒にいなかったのか。こんな怖い目にあわせちゃった・・・。大きな音で除雪車が動いていた。雪煙が上がり、その後ろに道ができている。その跳ね飛ばしている雪の向こうから、作業員の方に抱かれた運ばれてきた息子がいた。

息子はその時のことを覚えているだろうか・・・。
聞いたことはない。でも、あの時息子の手を離した自分を忘れることができない。

ほんの10メートルの恐怖だった。ほんの5分前にはお友達と笑って過ごしていた。
天国と地獄のような北国の出来事だった。

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雪まつり

2011年02月12日 | 日記

どこか上の空の私を旦那(これまでパートナーと記載してきましたが、どうもしっくりこないこちらにかえさせていただきます)が「雪まつりに行こう」と誘ってくれた。私も彼も、健康方面では“要注意”である。我が家から大通会場までは、散歩(ウオーキングというのだろうか)丁度いい距離だ。

子どもたちに一緒に行くかと尋ねたら、高校生の娘は「模試だから、帰りは7時すぎるよ」
小学生の息子は「将棋教室…午後からは研究会があるから、おにぎり作って」と、それぞれに前の日から却下された。まだ、小さい頃は「雪まつりに連れて行って」とねだられたものだが、大人になったものです。

陽ざしがあったので、雪道も楽に歩けた。少しうわっかわが融けた雪は、うっかりすると足がとられる。私は雪国生活20年になるが足元がおぼつかない。その点還暦を迎えたが旦那様はしっかりしたものだ。幼い時期にどこでどういう体験をしたが、生活の礎になると感じてしまう。うちの子どもたちも苦もなく雪道、アイスバーンを歩くし、上手に転ぶ。

子どもが付き合ってくれなくなってから雪像をゆっくり見て歩けるようになった。
見た事のない方は、一度是非ご覧になることをお勧めする。本当に見事なものだ。「すごいなあ」と結構感動する。だが、やっぱりどんなに見事でも雪像を見てあるくだけのお祭りなので、子どもたちも飽きてしまうようだ。
昔は、自衛隊がこんなことやっていていいのかなと思ったが、この何年かで自衛隊の行く先がどうも怪しい場所が増えてきて、雪像作っていられる自衛隊がいいなあと考えるようになってきた。

 

 

テレビでよく取り上げられた雪像を見たら、旦那がひとこと「腹減った、もういいだろう、めし食いに行こう」
そんなものかと思ったが、おなかがすくと機嫌が悪くなる人なので、黙ってついて歩く。

夫婦二人だったので、ちょっと足を延ばして「てんぷらの蛯天」に入った。
久しぶりのことだ。職人さんがきちんとあげてくれたてんぷらは、こんなにさっくりと上がるものかと思うほどサクサクで、春菊のてんぷらが最高においしかった。http://ebiten.net/

丸井今井の地下にあるアンデルセンで、ハイジの白パンを買って、二人で並んで歩いて帰った。
きりきりと心配は変わらないが、そういう感情が少しほどけた感じがした。

 

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