つれづれおもふ

思えば遠くに来たもんだ~ぼつぼつ語る日々の出来事

親は哀し

2012年04月18日 | 子育て

以前ここで紹介したMさんが共通の仲間Tさんと遊びに来てくれた。

「私、ここんち入るの久しぶり!1年以上なるよ~~!!」

そうだ前回、集まるセッティングを全部してくれて、自分は仕事でこれなかったんだっけ…。
今日は急に決まったので他に連絡をせず、三人でゆっくり話をした。 

前にも話したが、この友人たちとの共通項は「第一子が平成元年生まれ」ということ。
我第一子 は浪人をしたので4年生だが、彼女たちの第一子はこの春大学を卒業している。
Tのお子さんは福祉の大学に学び、関係施設に就職が決まり働き始めている。
あの仕事、苦労の連続だろうと思うが、高校時代“いじめ”で苦労し乗り越えた優しいあの子を考えると、
自分に合った仕事を選んだなと感じる。頑張ってくれることを願う。

Mのお子さんは、ついに仕事が決まらなかった。
気丈な彼女は言う 「私だって、雇う側ならあの子を選ばない」
話が進んで行くうちに、“いまどき” の若者の “?” が彼女のお子さんの姿を借りて浮き上がってきた。 

何事も“欲”がないのだ。
Mいわく 「就職が決まっていく子ていうのは、概してガツガツしている」

“やりがい”“生きがい”のようなものを求めて仕事を探す子もいれば、
“生活費稼ぎ”と割り切って探す子もいる。
どちらにしても 「あれが欲しい」 「ああいう生活がしたい」 という“欲”があるし、
出来ないことは出来ない、分からないことは分からないとはっきり言う強さがあるという。
彼女の息子にはそれがない―――らしい。

「家に家賃として入れろって私が言っている3万円と奨学金の返済に2万円。
携帯代と保険と年金で合わせて全部で8万稼げばいいと考えているの。
それ以外は一切切り詰めるらしい…で、バイトの面接に行っても8万円あればいいって話しちゃうのよ!?」

「バイトでなんとか1年食いつないで、もう一度新卒ブランドで就活を考えているから、
面接で“就活続けています”って言っちゃう…そう言ってその場で履歴書返されたこともあるらしいけれど
なにがいけないのかわからないのよねえ、あの子には…。」

「札幌の最低賃金705円がバカらしいというのね!でも、あんたにその価値はないよって口酸っぱくなるほど言うんだけれど…」

情けなさそうなお母さんの話に慰める言葉も見つからず、

「貴女みたいな人が育ててどうしてそうなるかなあって、私は思うけれど…きっと遅咲きなのよ」

思い切って自立させればいいのじゃないかとも思うが、Tのお子さんも、Mのお子さんも
高校時代から金利がついて返済義務のある「奨学金」をもらっている。もらっている―――という言葉があっているのだろうか?
利子付けて返すのだから、借りている が正しい表現だろう。 それぞれに総額が500万、300万になっているという。
それを卒業と同時に返し始め、20年、30年にわたるという。二十歳越えたばかりの子どもが、 “借金” をもう持っているのだ。
家賃として家に入れさせようとしているものも、半分はその繰り上げ返済に充てられるようにしてやりたいと考えているそうだ。
そういう “借金” があるから 「家を出ていけ」 と強くも言えないようだ。

だが、厳しい言い方をするとそこまでして、この程度のレッテルしか貼れなかった、
この程度までしか伸びなかった大学に通うことはなかったようにも感じる。
手に職つける方向でいってもよかったのではないかとのだろうか・・・
無責任に他人がコメントするよりも、それは親が一番よくわかっていて、受験当時また在学中も、何度もそういう話をしたようだ。
それでも 「どうにかなる」 と理由なき自信の塊の息子は、どうにもならないことなど露ほども考えなかったらしい。
それが、若さの特権と言うものだろう。可能性と言う花を持っているはずの息子は、今どうにもならなくても慌てる様子はないという。

困り果てているお母さんは 「親が頑張れるうちは我慢してやるしかない」 と考えているようだ。
彼女は私よりも10近くも若いから、まだ時間のゆとりはある。

だが、それにしても待ち遠しい…花咲く季節が早くくるといい。 

 

コメント (4)
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