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読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

「崖の上のポニョ」子供に見せたい絵本のような映画

2008-07-24 00:09:24 | 邦画
「崖の上のポニョ」★★★
宮崎駿 監督、2008年、101分
山口智子 、天海祐希 、所ジョージ 声の出演



「ポーニョ ポーニョ ポニョ さかなの子
青い海からやってきた
ポーニョ ポーニョ ポニョ ふくらんだ
まんまるおなかの女の子」


久々に混んだ劇場でしかも子供に囲まれて
ポニョを見てきた。
パステル画のような優しいタッチの映像、
悪人は存在せず、
夢だって強い気持ちがあれば叶う。

希望や勇気に溢れた子供向け作品だ。


絵本を読ませたい年頃の子供には
手放しで勧めたい、
「好きなことやっていいんだよ」
危ないことをしたら、ちゃんと大人が見守ってるからね、
だから少年も小さな金魚に
「ボクが守るからね」と言ってのける。

主人公の笑顔や純粋さとは対照的に
周囲の風景や特に海の中の生き物は
古代生物のような姿が不気味なものが
たくさん蠢いていて、
5歳の子供の希望を描きつつ
大人には「これから色々あるよね」と語っているようだった。

でもね、これを大人が一本の映画として見るのは
ちょっとキツイな、

子供に見せたい絵本のような映画だと
ちゃんと先に言ってもらわないと
「千と千尋」のノリで予備知識なしで見ると
当惑する、これで終わりなのかとビックリする。

夏休み、子供で映画館が一杯になるといいな、
外へ出れば「通り魔」だとか
「学校の先生の裏口合格」とか
とても大人や社会を信じられないニュースが多いからね。

夢が叶った2人は、それから幸せに暮らしましたとさ、
と言ってしまうには2人はあまりに若く
それなら「小さな恋のメロディ」のように
果てしなく続く線路を2人で力を合わせて進んでいくのだろうか。
大人になるとどうもその後が気になるのです。

★100点満点で65点

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一本の映画として見たとき、大人の鑑賞には
ちょっと物足らないが、子供向けならこれで文句の付けようがない。

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「崖の上のポニョ 」予想通りの好スタート・最新国内映画興行成績(7/20付)

2008-07-23 00:09:33 | 映画のランキング
最新国内映画興行成績(7/20付)

上位に2本がチャートインし、先週から
それ以外は2位づつ降下、チャートは堅い。
10位に「百万円と苦虫女 」が入った。

順位(先週)
1 (初) 崖の上のポニョ

「ポニョ、ポニョ、ポニョ」と子供の歌うフレーズが
頭から抜けません。
「ハウルの動く城」(最終成績196億円)対比では70%と
最終成績は100億に届かなそう、
子供向けということで、大人をどれだけ取り込めるかが
課題だ。

 2 (初) 劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド・パール ギラティナと氷空の花束 シェイミ

この時期必ず登場のポケモン、かつての勢いはないものの、
それでも2位発進は立派。週末3日間で10億を超え
前作比90%と言うことで、前作が50億だったので40億は堅いところだ。


 3 (1) 花より男子ファイナル

まだまだ女子で混んでいるようで、2回目3回目と
リピーター効果も。


 4 (2) インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国

さてさてインディーは100億に届くか。

 5 (3) ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌


 6 (4) クライマーズ・ハイ

この作品は派手ではないが、大人には見て欲しい作品だ。


 7 (5) ザ・マジックアワー

 8 (6) それいけ!アンパンマン 妖精リンリンのひみつ

 9 (7) スピード・レーサー

この作品は出来はまあまあ、でも評価は悪いので
そのあたりで損をしている、まあこんなもんだよ。

10 (初) 百万円と苦虫女

蒼井優主演映画、必ず見ます。

今回のチャートでは4本見てます、今後あと2本追加で見ます。


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「インディ・ジョーンズ」はラストで賛否両論ですが、まあこんなもんじゃないかな、
楽しませてもらいました。

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「やさしいため息」誰にでも秘密はある

2008-07-22 00:09:13 | 読書の時間
「やさしいため息」★★★★☆オススメ
青山七恵著、173ページ、1200円



長く音信不通だった弟が一人暮らしの主人公の部屋に
やって来た。

何気ない会話をするが
その一部は本当で一部は嘘だ。

会社では同僚と仕事以外の付き合いは無いが
弟には色々話したり、飲み会に出たりしていると言った。
そんな嘘をついてもつかなくても
別に何も変わることもないのに
それが無いと自分の毎日の生活が
モノクロで殺風景だと漠然と感じているのかもしれない。

この本に出てくる主人公をはじめとして
その弟や弟の友人や会社の同僚など
皆、生活観が希薄だ、
汗とか涙とか感動とか大声とか
およそ劇的なものから遠い存在だ。

でもそんなものかもしれないとふと思う、
日常なんて鮮やかな色なんてほとんど無くて
モノクロで昨日も先月も昨年も
似たようなことをしているのだ。

そんな毎日を繰り返しながら
それをなんだか少しつまらないなと思う、
出来たらなにかしら前進というか、
同じ繰り返しのなかでも、自分らしい色づけみたいな
ものが加わっていたらいいなぁと思う。

人に語る自分の生活は
「こうありたい」という部分に少し嘘が入っているかもしれないが、
それは人を騙す嘘じゃなく
微かな未来をしめしているようで。


弟が現れ、主人公の生活に少し色が付けられていく、
そして読んでいるこちらにも
自分のことを少し考えさせる
不思議な小説だ。

青山七恵の本は全部読んでいるが
だんだんと表面上の文体は読みやすくなっている、
簡単に読めてしまうが、語られていることは
その平易な文章だからこそなのか、
語られない奥行きが感じられる。

芥川賞の「ひとり日和」よりは「窓の灯り」が好きだったが
この小説は好きだ、
人間はややこしい生き物だけれど
ややこしく書くのでなく、やさしくやさしく書いても
ちゃんと人間に届くのだ。

★100点満点で90点

5月に出版されて直ぐに読みきったが、もう一度読み終えて
やっと感想を書いた。

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才気煥発って感じはないが、これからもしっかりと追いたい
作家のひとりだ。

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「純喫茶 磯辺」コーヒーの香りのしない喫茶店

2008-07-21 00:24:29 | 邦画
「純喫茶 磯辺」★★★
宮迫博之 、仲里依紗 、麻生久美子 主演
吉田恵輔 監督、113分、2008年



こういう映画って
「かもめ食堂」がヒットし、次の同じつくりの
「めがね」まで当たれば、これだってって勢いが
感じられる、そのあたりの安っぽさを
分かっていながら、それでも見てしまう観客が
なんと多いことか。


これは見終わって「つまらない」と言う人は少ないだろう、
最初からそんな「心に一生残る作品を
期待してもいないし、そこそこ脱力系の笑いは
ちゃんと見せてくれてるしね。



じゃあ、どうだったのかと言うと
ワリと面白かったけれど、
これがそのうちwowowで放映されても
録画しないし、TVの深夜枠で放送されても
見ないだろうな。

でもレンタルで目にしたら、「半額」に日なら
借りてしまうかもしれない。


そんな不思議な映画だった。


喫茶店は世の中から
どんどん消滅している、その代わり
行くことが生活スタイルのようなスタバや
廉価がウリのドトールのような
どこでも同じ顔の店は増殖している。

だから思いつきで喫茶店なんて
どだいムリなんだ、そのムリなところが
この映画全体を包み、
そのはかなくもオカシイ感じがこの映画の
ムードでもあるのだ。

何かきっかけがあれば
今とは違う自分になって見たいのは
誰だって思うこと、映画では簡単に
「それから一年」なんて出てくるけど
これからの一年後なんて誰にも分からないから
根拠の無い夢のような一年後に思いを馳せるのだ。

この純喫茶磯辺が近くに出来ても
コーヒーを飲みに行こうとは思わない。

★100点満点で65点

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この映画に要求するものは全部出てくるので
物足りなさはないけど、斬新な何かは提示されない

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「前世療法」前世の記憶はありますか?

2008-07-20 10:20:11 | 読書の時間
「前世療法」★★★
セバスチャン・フィツェック著
柏書房、1680円、446ページ



ベルリンの敏腕弁護士が
ガールフレンドから紹介された10歳の少年は
「僕は15年前に人を殺しました」と話し始める。

前世はあるのか、前世での罪は裁かれるのか、
「どうなってるんだ」
「そういうことも本当にあるのかな」
そんなふうに読み進めていった。



この本が三作目、処女作の「治療島」が面白かったので
最新作を即購入、行き帰りの地下鉄で読んだ。

で、どうだったかというと
あまり楽しめなかった、
「前世の記憶」や「前世の罪」など
キーワードは面白いし、
主人公の敏腕弁護士の混乱振りもいい、
一体この小説はどこに着地するのか
途中までは興味を持って読んだ。

だけど、途中からその興味は失速する、
どうしても都合よすぎて
そこに作り物ながらのリアルを感じられないからだ。

「あー、そうなっちゃったか」

でもこの厚い本を途中で飽きさせずに
最後まで読ませてしまう筆の力は感じる、
「治療島」が好きだっただけに、
次の作品も期待して待ちたい。

ドイツのミステリー仕立ての小説って
なかなかお目にかかれない、
もっとドイツの街や人についても掘り下げてくれたら
また別の楽しみもできる、そんなところも
期待したい。

「治療島」の感想はココ

★100点満点で60点

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最近は本はビーケーワンかアマゾンでネットで注文することが多い、
1500円を超えれば送料が無料だし、書店では定価販売だけど
ネットならポイントがつくからね。

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