soramove

読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

「ブレス」意味を求めるのでなく、ただ感じる

2008-07-19 19:38:38 | 韓国映画・アジア映画
「ブレス」★★★☆
チャン・チェン、パク・チア 主演
キム・ギドク監督、2007年、韓国、84分



この監督だから見るとか、あまり考えないが
稀な存在としてこの映画のキム・ギドク監督は
多作で多彩でわけ分からん映画が多いが
それでも劇場へ見に行ってしまう、まるで
怖いもの見たさのように。

何かぐっと引き付けられるものもあれば、
「何だ、これ」ってのもある、
それでもこの監督の作家性には強く惹かれる。


死刑囚である主人公は
喉に鋭利なものを突き刺し自殺を繰り返している、
ここに無関係な女が面会に訪れる。

いくらなんでも簡単に許されるわけないのに
面会し、
彼女は面会室の壁をお花畑や海の写真で飾りたてる、
それはもう非現実的で
ストーリーを追うのでなく
この行き詰る密室でのやり取りを
息を潜めて見つめるだけだ。

生きるということ
生かされるということ、
殺すということ
殺されるということ。

そんなことにどれだけの意味があるだろう


とりあえず息をしていると
自分の生を生きなければならない
誰にも等しくある「今の生」だけれど
その生き方はそれぞれだ。

死を待つだけの生もあれば
死んだみたいに生きているだけの生もある。

面会に来る女性はもう少し肉感的であれば
もっと生々しい感じがするんじゃないかと思ったが
監督の映画に3度目の登場であり、
彼女の中に監督は自分の表現したいことを
具現化できる何かを感じているのだろう。

ラストの雪合戦のシーンは
そこだけ見ると幸せそうな家族の風景だ、
でもその直前のシーンから見ている観客には
とても穏やかではいられないシーンでもあり、
共犯者になったような後ろめたい感覚、
うーん、こういうのを味わいたくて見てしまうんだよな。

★100点満点で70点くらい★

soramove
★参考になったらココもクリック!←ランキング上昇ボタン


この映画はハリウッドの分かりやすい映画と違い
見る人によって感じ方は全くちがうだろう。

★映画ランキングはこちら


「スピードレーサー」極彩色のオモチャ箱から溢れる光の帯

2008-07-18 21:15:53 | 大作映画ハリウッド系
「スピードレーサー」★★★
エミール・ハーシュ 、クリスティーナ・リッチ 主演
アンディ・ウォシャウスキー 、ラリー・ウォシャウスキー 監督
2008年、アメリカ、135分



主人公の名はスピード、
彼はレース事故で亡くなった兄の後を継ぎ
地元のレースで優勝し、
プロのレースに出場することを決意、
高額のサポートを提示するスポンサーを断り
家族でレースに参加する。

それから始まる数々の妨害工作、
それらを乗り越えて主人公は成長していく。

とまあ、ストーリーはあるけれど
それぞれの登場人物に深みはない、

スーザン・サランドンやクリスティーナ・リッチまで
引っ張り出しておきながら
ミュージックビデオのノリでとにかく
流れが命でサラーッと展開していく。

この映画の描きたいものが人物ではなく、
マンガチックな美しいレースシーンにあるからだけど、
これはもうピンボールマシーンというか、
極彩色のネオンサインの光が
大きな画面を猛烈なスピードで駆け抜ける。

この疾走感は心地いい。

期待しないで見に行けば
それなりに楽しめる、
ここに人生とか揺れ動く心とかそんな繊細なものはない
でもアニメの「マッハGoGoGo」の実写版だと
割り切って見るのが正しい見方のようだ。


★100点満点で60点

soramove
★参考になったらココもクリック!←ランキング上昇ボタン


韓国の大スターピ(レイン)が出てますが、日本人役を固辞し
妙な役になってます、真田広之も出てるけど、写ってるだけ

★映画ランキングはこちら


「近距離恋愛」主演のミシェル・モナハンの魅力全開

2008-07-17 00:09:42 | ミニシアター系映画
「近距離恋愛」★★★
パトリック・デンプシー 、ミシェル・モナハン 主演
ポール・ウェイランド 監督、2008年、アメリカ、101分



大学で知り合って以来10年、
男女の親友関係を続けてきた2人に変化が起こる。

「近距離恋愛」というタイトルもどうかと思うが、
2ヶ月もの長期出張で会えない事が
大切な人だったと気づかせる。

そんなの当然だろ!と突っ込みを入れたくなるような
絵に描いたようなラブコメ、
主演はドラマ「グレイス・アナトミー」でも
優柔不断な医者役のパトリック・デンプシー、
かなりばかばかしい設定をちゃんと
リアルに見せるのは彼のかもし出す人柄の
ようなもののせいか。

それ程ひねりも無いドタバタコメディーだけど
見終えてすっきりなのは
誰でも似たような分かりきったことを
やはり同じようにあーじゃない、こーじゃないと
思い悩むことに思い当たるからかな。

全米でも粘り強くチャートインしたこの作品、
初登場2位で6週ベストテン内にとどまり
4.400万ドルあまりと大ヒットとまではいかないが
主演の知名度とこの内容なら上出来。

見逃したくない作品とまでは言わないが
レンタル開始となったら
リラックスしたい週末の夜なんかには
最適の作品だ。


★100点満点で65点

soramove
★参考になったらココもクリック!←ランキング上昇ボタン


ミシェル・モナハンはすごい美人って訳じゃないけど
しなやかな感じのするいい雰囲気を持った人だ。

★映画ランキングはこちら


「花より男子ファイナル」とうとう「ザ・マジックアワー」を抜いた!最新国内映画興行成績(7/13付)

2008-07-16 00:09:40 | 映画のランキング
最新国内映画興行成績(7/13付)

2週連続首位の「花男」が37億を稼ぎ出し
「ザ・マジックアワー」の成績を抜き去った、
もしかすると「インディー」に届くかも・・・。

今週(先週)   
 1 (1) 花より男子ファイナル

ここまでヒットすると気にはなります、
せっかくたくさんの高校生あたりが映画館へ来てるのだから
面白そうな予告編をバンバン流して、
他の面白そうな映画を紹介して欲しいものだ。


 2 (2) インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国

この週末から「崖の上のポニョ」が登場、
さて「インディー」はどこまで頑張れるか。


 3 (初)  ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌

鬼太郎が3位発進、上出来
見ませんが。


 4 (3) クライマーズ・ハイ

この地味な作品がワンランク落としただけなのは
嬉しい。この骨太な映画をたくさんの人に見てもらいたい、
描かれた事件でなく、たぶん自分のことを
考えてしまうはずだから。

 5 (4) ザ・マジックアワー

少しずつダウン、よくできました。

 6 (初) それいけ!アンパンマン 妖精リンリンのひみつ

劇場で着ぐるみのアンパンマン見ました。

 7 (5) スピード・レーサー

これ見るつもりですが早くしないと終わりそうだ。

 8 (6) 奇跡のシンフォニー

この作品も派手じゃないけどしみじみいい映画です。

 9 (7) ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛

10 (8) 西の魔女が死んだ

今週は4本見てますが、この週末でガラッとチャートが変わりそうだ。


soramove
★参考になったらココもクリック!←ランキング上昇ボタン

「近距離恋愛」は11位発進ですが、これは見たいな。

★映画ランキングはこちら


「1987年冬」それでもこうして生きている

2008-07-14 19:22:55 | 香港・アジア映画
「1987年冬」★★★☆
ヤン・プーティン監督、2007年、日本・中国、101分



1978年の冬、
中国北部の小さな村、
年の離れた兄弟は西幹鉄道に乗り
兄は工場へ、それを見送るように弟は
学校へ通っている。

荒涼とした風景
赤や黄色などカラフルな色は全く見当たらない、
30年前の中国の一地方の姿だ。

映画のチラシのコメントに
「家族の囲む食卓のシーンが多く登場し、
非常においしそう」とあるが、
そうかなと思う、
薄暗い部屋で暖かいだけの食事をし、
会話も無くおかずで食卓が埋まるわけでもない、
そちらかというと惨めな光景に見えた。

それは飽食の日本だからかもしれないし、
その食卓はかつての日本の風景でもあったかも
しれないが、美味しそうには見えなかったな。

毛沢東の死から2年、
改革開放の時代の足音が
寒村にも聞こえ始めた当時
その象徴のように北京からやってきた美しい娘。

穏やかな日々が色づき始め
小さな池の中心に小石が投げ込まれ、
同心円が広がるように
いくつかの事件が起こる。

劇的な要素より、毎日の暮らしを
丁寧に描いたことで
そこで暮らし生きることについて
考えさせられる。

ここに描かれた生活に憧れはしない
けれど、どんな状況でも人間はきっとなんとか
やってきたし、これからもやっていくのだろうなと

明るい希望は冬のやわらかい日差しの中に
見えた気がした。

★100点満点で70点

soramove
★参考になったらココもクリック!←ランキング上昇ボタン

あまり褒めた感想かいてないけれど、こういう映画は結構好きだ。

★映画ランキングはこちら