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読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

EPUB戦記 電子書籍の国際標準化バトル

2017年11月23日 17時26分01秒 | ■読む
小林龍生著、慶應義塾大学出版会刊
国際標準規格が非常に重要なことは「ISO 14000」に規定する環境マネジメントシステムを学ぶ過程で知りました。世界標準規格をリードしなければ優位に立てないこと、規格を満さなければ国際的な経済活動に支障を来すことは理解しても、戦略的に対応することが日本人は苦手であることも。
本書は、電子書籍の国際標準規格に、日本語に特有な表現方法を可能にする規格を盛り込むために苦闘した物語です。しかし、著者自身は本件の主役ではなく、様々な場面で関与する機会があったとのことです。
そのためか、4つの章の内、本論は第二章から第四章で、第一章は、著者がそれ以前にどのような仕事に携わってきたかを述べています。丁度、パソコンの普及とソフトウェアーの性能の急激な向上、インターネット環境の普及が進行する中で、編集、ソフト開発、標準化への関与という、時代が要請した課題に最先端で取り組んできた様子が分かります。
文章が独特ですが、読み易く臨場感を感じました。品位のある語り口で著者自身と関わった人々の人柄が浮かび上がってきました。知性に加え大量の文章に深く馴染んでこられた故の力量なのでしょうか。著者は本書の前に、著者自身が主役を演じた「ユニコード戦記」を出版されているとのこと。ユニコードは一時、パソコンの雑誌で随分と取り上げられ、興味を持って記事を追った記憶がありますが、その最前線での戦いの舞台が描かれているようなので、近日中に読みたいと思います。
なお、本書で知りましたが、日本語を処理するために、マイクロソフトのワードなどで日本語に対応できるように奮闘した方々の活躍の一端が本書に出てきます。永らくワードを使っていて、(IMEは未だにイケテいませんが)少しずつワードの日本語の表現力が向上してきたことを実感していたので、少しく感動しました。
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URL => https://ja.wikipedia.org/wiki/小林龍生
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評価は5です。

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