
間川清著,Nanaブックス刊
謝ることは難しい。プライバシーでも仕事でも。場合によっては,こちらに非がなくとも謝罪しなければならないこともあります。切ないなぁ。
かつて,私が好んで食していた菓子パンがありました。ある時,そのパンの生地が以前よりパサパサになったと感じたので,その旨をその会社へハガキに認めて送りました。
そうしたら一週間ほどで,その会社の別な製品を添えた丁重な文書が送られてきました。内容は,意見を寄せたことへの感謝,原因と思われる点,今後もなお一層おいしい製品作りに努めること,最後に,手間を取らせたことに対する謝意として社品を送ったことなどでした。
これには参りました。私は単に好きな菓子パンを,今後も美味しく食したいという思いだけだったので,クレームをつけた意識は全くありませんでした。
一方,ある時に新車購入の勧誘の書類が,ディーラーから送られてきました。その前年,新車を買ったばかりなので,少し憮然としながらなかを見ると,「あなたの車の下取り価格」が「0円」とされていました。よく読めば,実車を見て査定する,としてありましたが,これで私は切れてしまいました。(私は短気です。)電話で店長に「0円」は失敬であるので,数値を印刷しなければよいのではないかと指摘すると,店長は平謝りでした。最後に,貴方の所にはもうお世話にならない,と話して電話を切りましたが,本心では,担当の営業の方から改めて電話なり訪問があれば,と思っていました。しかし,まったく音沙汰がなく,何と,定期点検の勧誘の電話や,車検のお知らせが、何事も無かったかのように平然と送られてきたのでした。また文句を言ったのは大人気ないと思い無視することにしました。
さて,長々と記しましたが,人の心は複雑です。私のような比較的分かり易い性格でも,このように結構ねじまがった反応をするものです。だから,謝ることは難しい。ましてや,謝罪内容に即した適切な謝罪は難しい。本書は,そんな悩みに実に適切なアドバイスを与えてくれています。アドバイスは例に沿って具体的なテクニックをしめしていますが,同時に,人間性に立脚した合理的な対応であることも理解できるよう、考え方を平易に解説しています。著者が弁護士として得た数々の経験から学び体得したエッセンスに満ち溢れた内容です。
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URL => http://ameblo.jp/kmagawa/
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評価は5です。
謝ることは難しい。プライバシーでも仕事でも。場合によっては,こちらに非がなくとも謝罪しなければならないこともあります。切ないなぁ。
かつて,私が好んで食していた菓子パンがありました。ある時,そのパンの生地が以前よりパサパサになったと感じたので,その旨をその会社へハガキに認めて送りました。
そうしたら一週間ほどで,その会社の別な製品を添えた丁重な文書が送られてきました。内容は,意見を寄せたことへの感謝,原因と思われる点,今後もなお一層おいしい製品作りに努めること,最後に,手間を取らせたことに対する謝意として社品を送ったことなどでした。
これには参りました。私は単に好きな菓子パンを,今後も美味しく食したいという思いだけだったので,クレームをつけた意識は全くありませんでした。
一方,ある時に新車購入の勧誘の書類が,ディーラーから送られてきました。その前年,新車を買ったばかりなので,少し憮然としながらなかを見ると,「あなたの車の下取り価格」が「0円」とされていました。よく読めば,実車を見て査定する,としてありましたが,これで私は切れてしまいました。(私は短気です。)電話で店長に「0円」は失敬であるので,数値を印刷しなければよいのではないかと指摘すると,店長は平謝りでした。最後に,貴方の所にはもうお世話にならない,と話して電話を切りましたが,本心では,担当の営業の方から改めて電話なり訪問があれば,と思っていました。しかし,まったく音沙汰がなく,何と,定期点検の勧誘の電話や,車検のお知らせが、何事も無かったかのように平然と送られてきたのでした。また文句を言ったのは大人気ないと思い無視することにしました。
さて,長々と記しましたが,人の心は複雑です。私のような比較的分かり易い性格でも,このように結構ねじまがった反応をするものです。だから,謝ることは難しい。ましてや,謝罪内容に即した適切な謝罪は難しい。本書は,そんな悩みに実に適切なアドバイスを与えてくれています。アドバイスは例に沿って具体的なテクニックをしめしていますが,同時に,人間性に立脚した合理的な対応であることも理解できるよう、考え方を平易に解説しています。著者が弁護士として得た数々の経験から学び体得したエッセンスに満ち溢れた内容です。
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