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読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

政治家の殺し方

2012年09月22日 18時27分27秒 | ■読む
中田宏著、幻冬舎刊
政治家の程度は、その国民や市民の程度を示すと言われています。今日の日本の政治、あるいは世界の政治を見ると、ゲンナリしてしまいます。しかし、かつて読んだ石ノ森章太郎さんの日本の政治史のマンガを読むと、政治は、その時々の権力闘争の舞台として、(政治家としての)命を掛けた戦いであり、いつの世でも、俗世界のあらゆる事象の反映であり続けてきたことが分かりました。
だから、政治の舞台で行われていることは、血の流れない抗争と考えるべきなのかもしれません。どのような手段を講じても勝つことが重要で、高邁な理想を振りかざしても、権力を掌中に収めなければ、自らの信念を実現することが出来ないとう現実があります。
本書の著者である中田さんは、大学卒業後、松下政経塾を経て衆議院議員を3期、横浜市長を2期務めましたが、横浜市長の時代に、政敵から仕掛けられたスキャンダルを中心に、今だから率直に言っても聞いてもらえる話を述べています。
ご自身の性格や信条故に、不用意に敵に回してしまった政敵ではあるが、自分の信念を貫いて公約を実現しようとしたことに、執念深くスキャンダルをでっち上げてつぶそうとした経緯が率直に書かれています。私自身は、そうしたスキャンダルを垂れ流すマスコミを信用していませんが、残念ながら、そうであっても報道内容で自分の印象が変わることは事実です。
現実に、私が属している世界でも手段を選ばない人々を見ているので、中田さんの経験は如何にもありそうです。任期の8年弱を乗り越えた精神力と信念の強さに感服しました。そして、いくつもの箇所で共感できる考え方に触れ、励みを感じました。良書です。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/中田宏
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評価は4です。

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