10月に
中野卯月さんの作品展が東京であったときに、中野さんの本来の活動である紙ではなく、シルクオーガンジーの染色のほうを、その柔らかな、暖かい透明感がどうしたらカメラで捕らえられるだろうとそちらばかり見ておりましたら、練習台にと作品を貸していただきました。
私のカメラは、ご覧になって判るようにいつも何も考えもしないで、とにかく目の前のものを追っかけてパシャパシャと撮っているだけのもので、イメージがあって、それをどう生かして作品にしていくかということは今までやったことがなく、初めての経験になりました。
作品を手に取ることもなく、ずっと頭の中で、あーでもない、こーでもないって考えていました。そしてやっと
最初のテストピースをアップしたのが、11月の21日。奇しくも彼女の横浜展の展覧会の開始日でした。
横浜展には行けなかったのですけど、でもまだ自分では不満があり、どうしたらいいのだろうと思い悩んでおりました。
今日、2回目の撮影をいたしました。
でも、まだまだですね。一つにはリサイズするとオリジナルの持っている質感がなくなるという致命的な問題もありますし、PCの場合はディスプレイの調整の仕方でずいぶんと違ってくる。これはこのような微妙な光を出そうとするときには結構大きなファクターになります。
でもそれ以上に、光を強調すると、柔らかさ、暖かさが消えるという問題。これは織物の置き方、環境で変わっていけると思いますが、まだ適当なものが見つかりませんでした。
光を紡ぎ
風を紡ぐ
正直、ちょっと、途方にくれています。
それにしても、彼女と同じ歳の座頭も勤める舞台女優さんがいますけど、(前にもかいたと思いますけど、仕事場まで押しかけて、今度こんなのやるからねって、大きな声で歌をうたい。御下命に難しいなんて答えようものなら、難しいって思うから駄目なのよ、なんてお叱りを受ける)彼女も美術学校卒。舞台の傍ら、花で染色したりして、展覧会を開いたりしています。落ち込むとこの二人からはビチッとバッシングされるでしょうね。
まあ、とにかく元気、元気で。
私はこの年代の女性には近づかないほうが安楽な生涯が送れるようですね。
もう一人の知人は多摩川の野草をスケッチして日本画を描いていますけど、(昨年の11月に招かれてニューヨークで個展をやった方って紹介したことがあったと思います) 散歩仲間とはいえ彼女は、私のコースよりもだいぶ上の二子多摩川あたりを散歩しているのでご一緒はしたことがありませんけど、考えてみると私の身近には、野草や野の花を仕事のモチーフにしている人ってずいぶんいるんですね。私の仕事では全く関係のなかった分野なんですけど。