我が家の傍には清水寺(たぶん京都の清水寺とは関係がない?)というのがあるんです。
なんでも、700年代の終わりか800年の初め頃に最澄がここに庵をむすんで、807年に円仁がこの地を訪れ千手観世音菩薩を刻んで安置したとされるお寺。元の本堂は同じ年に坂上田村麻呂が建立したといわれているらしい。
ここの鐘は毎日、枕を斜めにして耳をそばだてなくても聞こえてくるのですけど、
もう一つの雪の方はこちらは大変難しい。
なんせ真冬でも、陽射しがあって散歩が暑かったなんてところでありますからして。
でも、まったく降らないわけじゃないからと思っておりましたら、降りましたよ。
ここんとこの寒波、大雪でさすがに岬にも雪は降る、あなたは来ない、、、なんちゃって。
なら、御簾を上げて香炉峰の雪をって思いましたが、御簾なんて用意してないし、、、
すだれなら夏に使ったのがあったんですけど、もうボロボロになっちゃったので捨てちゃったし。
まあ、「御簾を高く上げたれば笑はせたまふ」お方もいないのですよ。せいぜいふて寝しているチビ太がいるだけですからね~
遺愛寺鐘欹枕聴
香炉峰雪撥簾看
白居易ですよね。
遺愛寺の鐘は枕をずらして聞く
香炉峰の雪は簾を上げて見る
その前は
日は高くなって十分に眠ったんだけど、起きるのが面倒
部屋は小さいし、布団はたくさんかけているから寒くはない
でもって上の文句が続くのです。
近くの遺愛寺の鐘をきくのに、起きて聞くんじゃなくって、寝たまま、枕をずらして耳を出して聞く
香炉峰の雪を見るのにも、窓を開けて見るんじゃなくって、御簾を上げて、布団に入ったまま見る
まあ、どっちかというと、私の生活そのものですね~
食べることすら億劫、面倒くさくなってきたし、
チビ太がいなきゃ、外にも出ないで布団の中でミイラになっているかも
久しぶりに長崎弁でやりましょうか
日 高 睡 足 猶 慵 起
小 閣 重 衾 不 怕 寒
遺 愛 寺 鐘 欹 枕 聴
香 炉 峰 雪 撥 簾 看
匡 廬 便 是 逃 名 地
司 馬 仍 為 送 老 官
心 泰 身 寧 是 帰 処
故 郷 何 独 在 長 安
香 炉 峰 下 新 卜 山 居 草 堂 初 成 偶 題 東 壁
白居易
日は高く登って、もう十分に眠ったとばってん、まだ起きるのが億劫
小さな部屋で、布団をたくさんかけて寝ているので、ちいとも寒くないし
遺愛寺の鐘は枕をちょっとずらせば聞こえてくると
香炉峰の雪は布団から離れんとも、御簾を上げれば見えるじゃろ
ここは(匡廬、廬山のこと)名声だのなんだのって煩わしかとから逃げるには一番のところたい
司馬って仕事(白居易は左遷されて田舎の司馬という役職をもらっていた)は老人にはちょうどいい仕事
気持ちが落ち着いて、体も休まるところが、一番いい場所やろが
何も都ばかりが故郷じゃないけんね~
ついでに枕草子はというと、
雪のいと高う降りたるを
例ならず御格子まゐりて
炭櫃に火おこして
物語などしてあつまりさぶろうに
少納言よ 香炉峰の雪 いかならむ と仰せられれば
御簾を高く上げたれば、笑はせたまふ、、、
。。。
枕草子 280