珍しく、お店の紹介です。
普段はやらないし、やっても辛口になりすぎるのでお店の名前は出せないんですけどね。
上総一ノ宮の駅前からちょっと行ったところに「ことろ」(古土絽)という骨董屋さんがあります。
私にとっては、ここの古布や、数は少ないけど山ぶどうやアケビの籠類はなんとも蠱惑的。
とくに、山ぶどうの買い物かごは垂涎の逸品だけど、ちょっと懐が許さない。
お店に行った時に、横目でちらちらと、目にごちそうを頂いているだけ。
でも、アケビの籠なら、手が届く範囲。
以前の日記の
「秋」の籠はこちらで求めたもの。
そのとき、耳が一つなくなっちゃったって、もう一つ頂いたのだけど、形的にはこちらも素敵。だけど今のところこの籠を使うチャンスはないので、じりじりしながら出番待ち。
ところで、持ち帰ってよくよく見てみるんだけど、耳、なくなっている方にどうも付けた痕跡がない。もしかしたら最初から片耳だったんじゃないかななんて、、、、
仕事着も、縞物の仕事着を求めました。
(いえ、横じまの、あのコンクリートの長い塀の中で着るユニフォームじゃなくって、、、、まだお巡りさんから、招待状は来ておりませんって。私はすぐに懲りる面々の一人ですから。みなさん、私の前職を思い出して下さい。江戸時代にあそこを通じて、縞物は日本へ入ってきたんですよ。おまけに、その一部は千葉で定着したのですね。私と縞物は少しは関係ある、、、、って、後ほどもっと関係あることをご紹介しますけど。)
もう少し袖が長くって、ポケットがついていればいいなって思いました。
そんな薄物を以前からもう一つ、持っていたんですね。
「以前、メグ・ライアンだったかな? 彼女が書斎でこんな上っ張りを着て作業しているシーンがあって、大きなポケットがついていて、ちょっとしたものを入れたり、手を突っ込んだりしてたんだよ。あれ便利そうだなって思ったんだけど、これにもポケットが欲しいよ」っていいましたら、
「私のは、その辺の端切れで作っちゃった」って、見せてもらいましたが、やはりそのほうが便利なよう。
みんな考えることは同じなんですね。
でも、「自分で作ればいいじゃん、、、」なんて簡単に言わないでくださいよ。このムクつけき九州男子がそんなこと、できるわけないじゃん。
少し前、お茶の師匠が近くまで来たというので、このお店に連れて行ったら、1時間以上ぺちゃくちゃと話をして、着物を買って、大喜びで帰って行った。
師匠も、着物大好き人間。
同じ趣味の人たちは、波長が合うのでしょうね。
今、私が狙っているのは、秋田の刺子の上っ張り。刺子、すごく丁寧な仕事で、あれ欲しい。手は出そうになるけど、懐の筋肉痛で出せないんですよ。おまけにもう一つ、豊衣って言うのでしょうか、浜着があって、こちらはあちこち破れていたり、下手な補修をしてあったり、でも、それがやつれていて、侘びていて、目がうるうるしてくる。
これからの寒い冬、欲しいんだけど、、、、
って、みなさんのお歳暮のリストを見直して下さいね。
待ってま~す。
ところで、怒られるかもしれないけど、私が重宝していること。
先日はこのお店を通じて単衣の洗濯をお願いしました。
なんせ、こちとらは寝間着も、浴衣も、単衣も、全く区別のつかない、おばかさん。
寝間着のつもりで持ち込みましたら、「あ~た、これは越後上布の単衣でござんせんか」なんてことで、、、、恥~ぃ。。。。。
あちらは、天下のMデパートで長年、着物売り場におられた方。
しかも布が好きでこの商売を始められているお方なんです。
私がその辺の「寝間着」を直接、洗濯屋さんに持ち込んでも、指示の一つもできるわけない。
単衣が洗濯から帰ってきて、今は浴衣をお願いしております。
よかったら、袷も控えております。
ただ問題は手数料をお取りにならないこと、ご面倒をお願いしているのですから、取っていただかないとあとあと、お願いしにくくなりますね、、、、
ところで縞の因縁話。
仕事をしている時に、神戸の市立博物館の可愛い学芸員さんが、(別件でしたけど)訪ねてこられました。仕事を終わって雑談になって、実は彼女の専門は繊維なのだと言われるのです。そして、私のところで何か資料がありありませんかってお尋ね。「へっ?」って聞き返しましたら、私の同族が、実は長崎奉行所の反物目利きをやっていたことがあって、家の名前を付けた端切帳が国立博物館にも収蔵されているっていうのです。
彼女が発表しているたくさんの論文にも、その端切帳からの写真がいろいろ載せられていました。
とにかく、家は、あの辺のお殿様の前の殿さまの一族で、生き残っちゃったんで仕方なく、支藩に居候として押し込められたんだってしか聞いておりません。
「反物目利きですか? 始めて聞きました。多分何も残っていないのじゃないかな」ってお答えしましたが、
あの時、「私は知りませんけど、ご一緒に家を探してみましょう」なんて答えていれば、私の人生もっと変わったものになったんでしょうね。
なんて、、、、
あの時、家の蔵を探していれば、、、
今は遠山コレクションなんか目じゃないかもしれませんね~