ちょっと前に熊本マリさんの「
人生を幸福にしてくれるピアノの話」という本について日記を書いていたことがあった。
この人のことはこっちのほうが面白いかな?
楽器やホールのピッチや音色、響きというようなことは門外漢の私にもいやおうなしに耳に入ってくるけど、ピアノを弾かない私なんかには判らないような湿度の話がでていたりして面白かったんだけど、この本の中にピアノの「賞味期限」の話が出ていた。
たしか25年くらいって書いてあったのかな?
えぇ~って思う。そんなに短いのかな?
確かに楽器の「賞味期限」についてはよく話題になる。
バイオリンなんかは、例えばストラディバリウスは300年経った今でも、「期限切れ」にはなっていないし、ピアノもそんなものかと思っていた。
以前にも、知人がストラスを持っていて、彼の先生もまたストラスを持っているんだけどこの先生の楽器をどうしても聴いてみたいと書いていたことがあったと思います。
彼のは今のピッチに合わせた「普通の」ストラスだけど、彼の先生のはオリジナルのままのもの。おそらく現存するものでは唯一のオリジナルピッチのものなのです。バイオリンもやはり賞味期限があるので、ストラディバリウスも作られた当時の音を聞いておきたい。ストラディバリがどんな音を目指していたのか、その期限内にその音を頭に刻んでおきたいな~って、、、でも、この先生、世界的なバイオリニストだから、ちょっとお宅をお訪ねして聞かせてくださいなんていえないしね~なんてもだえた日記でした。
ピアノの場合は、今のピアノの形態になって200年ちょい(まあ、何を持って今のピアノだというかによって違いますけど)だからまだまだお若いさなかだろうと思っていたのですよ。
だから演奏家が賞味期限が25年なんていうと「へぇ、そんなものかな~」という気がします。
ということは、ベーゼンドルファーのインペリアルでも殆どが賞味期限切れなんでしょうかね。特にタイプ3なんて面白いピアノだったけど。
でも、そうすると今聞いているオリジナルのピアノフォルテやチェンバロは全部期限切れの音? 知人のピアノフォルテなんかずいぶんと艶やかな、色っぽい音を奏でるけど???
ベーゼンドルファー;
この日記にはずいぶんとこのピアノのことが出てきます。
やはりExtendされた低音部が格別なのですね。別にこれを弾かなくっても、この追加された低音部のために全体がデザインされたということが中音から下の響きが全く違うものになっている。別格のピアノなんです。
もちろんベヒシュタインの音の切れというのも別格ではありますけど。
気になるものには積極的にアプローチして、何が何でも聞いておくべきなのでしょうね。知り合いの刀剣の専門家だったら、インペリアルの1,2,3をあちこちののホールで聞き比べしたいなんて言いだすかもしれませんけど、私はそこまで贅沢は言わないから。
賞味期限が過ぎる前に、、、、、
お茶碗だってね~
利休のころのものは、もう使えないって話を先日の
茶壷のときに悪口を書いていた著者に言われたことがある。
彼女は美術館の人だから、陳列していればいいのでしょうけど、お茶碗でも刀剣でも本来は道具、林家先生がおっしゃっているように「使って何ぼ」なんです。
その辺の微妙な差が茶壷の本にもお茶人が解説を書いて欲しかったな~ってことだけど、この日記とは関係がないか。
賞味期限が過ぎる前に、、、、、
うん。
友人がニーナ・アナニアシヴィリの公演に行ってきて、さかんにいつまで踊れるか気にしていた。
踊るだけならねぇ、彼女より十年以上あとまで踊っている人もいないでもないよね~
艶やかかな色気とかなんとか、かんとか言い出したら、それがバレエであるのかちょっと判らなくなるけど、、、、
賞味期限ねぇ
うん。