はかなしといふにもいとど涙のみ
かかるこの世を頼みけるかな
源 道済(みちなり)
新古今集 8-813
はかないものだとは言うけれども涙ばかりが流れてしまう。
こんなはかない世を頼りにしたのだから。
幼い子供を亡くしたときの詩。
万葉集や古今集に比べて、新古今集は技巧に走っていて面白くないという人が多いのですけど、こんなにも感情に素直な表現の詩もあるのですね。
子供たちの健やかな成長を願うのは親にとって当たり前のこと。その願い、そしてそれが叶えられなかったときに、悲しみに打ちひしがれながらもその子の来世を願い気持ち、この気持ちが、ほかの人の子供たちにも平等に向けられるようになればいいのでしょうけど。
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