■寡聞にして知らざる沖縄県民■
①全国学生調査団の沖縄現地調査
②照屋さんの必死の証言
③証言者たちの「深層心理」
*
当日記は、沖縄の地元紙が極端に偏向しているとを、これまでくどい程書いてきた。
だが、偏向しているとは知りつつも、地元紙に情報入手を頼らざるを得ない不都合さ。
最近、これをいやというほど感じさせる出来事を体験した。
地元マスコミは、地元大学生が少しでも「反戦平和」運動をすれば下記のように写真入りで大きく報道する。
大学生から中高校生へ 「虹の会」が来月戦跡巡り
![](https://ryukyushimpo.jp/uploads/img4747c75c8d683.jpg)
戦争体験の継承に取り組む「虹の会」(赤嶺玲子代表)を中心に県内大学生が12月15日、県内中高生対象に南部戦跡巡りを実施する。「虹の会」と「琉球大学学生ガイドの会」のメンバーがこのほど、西原町の琉大で第1回の勉強会を開いた。県内大学生が県内中高生を平和祈念公園(糸満市)やガマなどの戦跡を案内し、ともに沖縄戦を見つめ直し「集団自決」(強制集団死)や教科書検定問題を考えていくことが目的。
学生ガイドはこれまで主に修学旅行生を対象に戦跡を案内してきたが、9月の「教科書検定意見撤回を求める県民大会」後「中高生が意識を持ち始めた今こそ理解を深めるチャンス」と、初の県内の中高生対象の戦跡案内を行うことを決めた。(略)
(琉球新報 11/24 16:03)
◇
地元紙が県内大学生の「平和活動」をこのように大きく報じるのも結構だろう。
だったら,全国の大学生調査団10数名が沖縄の世論調査に資金カンパでわざわざ訪沖したのなら、普通のローカル紙なら地域情報として少なくともベタ記事くらいでは報道するもの。
それが読者の知る権利を守る地方紙の役目ではないか。
ところが沖縄の地元2紙は普通の地方紙ではなかった。
自己の主義主張と相容れない団体の行動は、例えそれが学生の調査団といえどもこれを報じることはない。
全日本学生文化会議所属の大学生(首都大学東京、福岡教育大学、熊本大学、佐賀大学、長崎大学等約10名)が、11月初旬、沖縄を訪問し、今回の「教科書検定意見撤回県民大会」に関する歴史検証を行った。
だが筆者は沖縄に住みながらこの事実を寡聞にして知らない。
今更ながら地元マスコミの黙殺に恐れ入った。
無視に勝る攻撃を知らない。
学生調査団が属する全日本学生文化会が日本会議と提携していることから地元マスコミは揃ってこれを黙殺したものと思われる。
日本会議http://www.nipponkaigi.org/index.html
大学生たちは14日まで沖縄に滞在し、次のことを調査したという。
①沖縄戦の真実と反日資料館の調査
②沖縄県民大会の虚偽の実態調査
③大学調査
地元マスコミが黙殺した学生たちの沖縄での現地調査については、
自民党の「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」沖縄問題小委員会/第3回会合で報告があり、
「草莽崛起 ーPRIDE OF JAPAN」さんその詳しい内容を報告なさっている。
遅ればせながらこれを転載させて頂いた。
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以下は、「草莽崛起 ーPRIDE OF JAPAN」よりの抜粋です。(太字・カラー強調は引用者)
「日本の名誉と教科書を守る」沖縄学生調査団報告
平成19年11月22日
■1、沖縄県民の総意は、「集団自決」を含む沖縄戦をきちんと教えて欲しいということである。今回の教科書問題について県民は「集団自決」の記述が消されてしまうと誤解しており、「軍命令」の有無についてこだわっている人は必ずしも多くない。
*資料1参照
①723名の対面アンケート調査の結果、「参加した」「参加したかった」と回答した335名にその理由を尋ねたところ、「集団自決の事実を伝えたかった」と答えたのは48%(161名)だった。
グラフ① (省略)
グラフ②(省略)
②集団自決が「軍命令」によるものであるとは未だ立証されていないという、検定意見がついた背景に、照屋昇雄氏の証言などがあったという経緯を、8割の沖縄県民は知らなかった。
グラフ③ (省略)
③高校生用の歴史教育副読本『沖縄の歴史』(沖縄教育委員会編)には、集団自決については触れているものの、「軍命令」という言葉は記載されていない。つまり、教育委員会も必ずしも「軍命令」にこだわっているわけではない。
*資料2参照
■2、沖縄県民が抱く、日本軍のイメージは極度に悪いことが分かった。逆に沖縄戦においてのアメリカ軍のイメージは頗る良く、住民を救ってくれたという声が多くあった。
グラフ④ (省略)
①街頭での意見で多く聞かれたのは、日本軍は「壕から民間人を追い出した」「赤ちゃんがうるさいから銃殺した」などが多く、逆にアメリカ人は民間人に食料等などをくれ、救ってくれたという発言だった。
②逆にアンケートで、特攻隊や戦艦大和の話をすると、名前は知っているが、沖縄の為に戦ったことを知っている人は、少なかった。また、沖縄戦での戦死者のうち、6万5千人が本土から来た日本軍であったという事実は、殆ど知られていなかったり、摩文仁にある「平和の礎」のことは知っていても、丘の上にある全国の慰霊碑への参拝を行ったことがない人が多かったりで、本土の軍も沖縄を守るために共に戦ったという歴史が風化しつつある。
グラフ⑤ (省略)
グラフ⑥ (省略)
■3、集団自決が行われた最大の舞台と言われるのが、慶良間列島にある渡嘉敷島である。その渡嘉敷島の人口は700名余りで、テレビに後姿が映っただけでも、誰なのかがわかるそうだ。さらに渡嘉敷の島民の半分が沖縄戦当時の村長の親族である。そこで、集団自決が軍の命令によるものでないという証言をしてしまうと、当時自決を命じたと言われる村長の責任となってしまうため、集団自決に関する証言がしにくいのが現状である。
■4、今回の沖縄県民大会に向けて、6月9日に「沖縄戦の歴史歪曲を許さない沖縄県民大会」が開催されている。そこには、特定の思想を持った政治団体が実行委員として名を連ねている(下記参照)。これらの団体は、9月29日の県民大会にも、恐らく共催団体として参加していると思われる。
このような政治集会に、仲村県教育長は校長研修会で校長先生に参加を呼びかけ、さらに学校教員にも参加を呼びかけるよう促している。また教育委員会も、正式な会議の場で全員参加の合意を得ており、教育委員長は大会で登壇し発言している。
これは、教育基本法の第14条「政治の中立性」と第16条「教育行政の公正」に触れる問題ではないだろうか。事実確認を文部科学省の方から県教委委員会に行っていただきたい。
参考
<6月9日の実行委員団体>
沖教祖、自治労、沖縄県歴史教育者協議会、ジェンダー問題を考える会、沖縄九条連、反戦地主会、一坪反戦地主、日本中国友好協会沖縄県支部、高教祖(沖縄平和ネットワーク)、社会党、社民党、共産党、民主党
■5、「沖縄県民の気持ちをくみ取った歴史教科書はどうあるべきか」について、沖縄戦は、国土を戦場としたため、住民を巻き込む悲惨な戦いになり、その中で集団自決という悲劇が起こったことを教える姿勢がまず必要である。但し、その前提として、沖縄戦では米軍に対して本土の軍人と沖縄県民が総力をあげて戦ったことを教えるべきであると考える。
◇
「11万人」集会が行われる一方、沖縄県民の8割は照屋昇雄さんの命がけの証言を知らない。
本土学生調査団が「集団自決」関連の調査に来沖しても、殆どの県民はこれを知らない。
「照屋証言」は、地元マスコミが徹底的に黙殺してきた結果、殆どの県民がその存在さえ知らないのも無理は無い。
昨年の夏、「集団自決」に関する最重要証人の照屋昇雄さんが長年の沈黙を破って勇気ある証言をしたとき、沖縄のマスコミは揃ってこれを黙殺し、一年以上経った現在でも依然その詳細は報じられていない。
「集団自決」は小さな島の閉鎖された空間で起きた。
今回の学生調査団の報告の中で、次の部分はこれまで沖縄メディアが敢て避けてきた「証言者の心の深層」に踏み込んだGJである。
≪渡嘉敷の島民の半分が沖縄戦当時の村長の親族である。そこで、集団自決が軍の命令によるものでないという証言をしてしまうと、当時自決を命じたと言われる村長の責任となってしまうため、集団自決に関する証言がしにくいのが現状である。 ≫
古波蔵村長が「集団自決」のきっかけとなる掛け声を発したとされ、しかも生き残って戦後は米田と改姓し島を出て那覇に在住していた。
古波蔵村長の掛け声を「軍の命令」と同じだとこじつけたのは、金城重明証人である。
金城重明がその体験から証言できるのは、集団自決前に古波蔵村長が音頭をとった「天皇陛下万歳」の三唱だった。彼は、軍からの自決命令そのものだと強弁した。最近の新聞でも、そんなことを語っているらしい。しかし、音頭をとった村長や幹部達は自決せずに生きていたのであり、ちょっと頭を冷やして考えれば、それが軍からの自決命令だという理屈に大きな飛躍があることは誰でもわかる。(沖縄集団自決冤罪訴訟を支援する会http://blog.zaq.ne.jp/osjes/article/35/)
照屋証言については、当日記は昨年の8月以来、その重要性を再三述べてきた。
同証言の詳細を知らない県民は下記の関連エントリを是非読んで欲しい。
「軍命令は創作」初証言 渡嘉敷島集団自決
渡嘉敷島の集団自決 「大尉は自ら十字架背負った」
決定的証言者・照屋さんは「捏造証言の元援護課職員」?
「集団自決」と沖縄タイムス 地元メディアの言論封鎖
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