2月22日、普天間基地の移設先である沖縄県辺野古地区のキャンプシュワブで、基地勤務の日本人警備員が活動家数名を拘束、県警はこの活動家らを逮捕した。翌日以降、沖縄メディアはこの事件を「不当逮捕」と取り上げた。県下では米軍に抗議する決議が次々に採択され、沖縄選出の国会議員らも日本政府を追及しはじめた。米海兵隊と日本人警備員らへのバッシングが広まるかに見えたが、3月4日、事件現場を撮影した米軍監視カメラの映像が外部に提供され事態は一変する。
この動画を外部に提供したのは、元・米海兵隊政務外交部次長のロバート・D・エルドリッヂ氏。軍人ではなく軍歴もない民間人の同氏が、なぜ今回の行為に及んだのか。(聞き手・構成/月刊正論 塩瀬崇久)
※月刊正論7月号から転載しました。
何がおこったのか
--何があったのか教えて下さい。
エルドリッヂ氏(以下RE) 反対派の何名かが日本人警備員らを挑発したり、基地の越えてはいけないラインを何回も越えたりしたため拘束することになったのです。映像を見る限り混乱した状況でした。
翌日以降、地元メディアが「不当拘束」という論調で報道し、翌々日からは県下の市町村も米軍への抗議決議を出しはじめます。基地の日本人警備員への風当たりも強くなっていきました。3月3日の衆院予算委員会では沖縄選出の赤嶺政賢議員がこの問題について色々質問していたんですが、安倍首相も閣僚もちゃんと答えられていなかった。現場には沖縄県警もおり、正確な状況は報告されていると思っていましたが、どうもそうではないと気づきました。
海兵隊やアメリカ政府の名誉のため、日本政府が国民に対してきちんと説明できるようにするため、なによりも不当なバッシングにさらされている日本人警備員のためにも、映像を外部に提供すべきだという結論に至ったのです。
--映像から事実としてわかることは何でしょう? またポイントは?
RE 彼らの言い分と異なり、基地反対運動のリーダーが何回も境界線を越えたり、警備員を挑発していたことがわかります。少なくともこの動画からは、基地反対運動は暴力的な集団にしか見えない。これは非常に残念です。彼らの活動は平和的な沖縄県民にとって大きなダメージになっています。
あと地元のメディアが現場にいた。それは映っているんです。現場を見ているにもかかわらず、なぜ事実と異なる事を書き続けたのかという点も重要ですね。
映像の提供は違法行為か
--外部への映像の提供は、海兵隊や合衆国政府の定める規則上、違法な行為ではなかったのですか?
RE 違法ではありません。提供した映像自体も、機密指定があったりする性格のものではありません。ただ2月9日から「沖縄の海兵隊に所属する全員、参謀長の許可なくメディアと勝手に接触してはいけない」という内規的なものができてはいました。それは口頭とメールによる通知、注意喚起といったものでしたが。
--詳しく説明していただけますか?
RE 例えば外部からの問い合わせ、メディアへの回答なども最近参謀長がいちいちチェックしてから外に出すということです。司令部の参謀長は事務局長的な役割の人なのですが、専門家ではありません。このところ海兵隊には、我々それぞれの専門分野に上が細かく介入するという傾向が見られます。
ただ今回のビデオ提供は、そういう次元の話ではなく、許可が必要とは思いませんでした。なぜなら正確な情報を発信するのは私の日常の仕事だったからです。
海兵隊も公開を検討していた
RE 最近聞きましたが、私が映像提供に踏み切る前に、「この映像を公開すべき」という議論が海兵隊内部でもあったらしいです。
--司令部内で、ですか?
RE そうです。映像の管理部署が公開しようとしていたそうですけど、会議で却下されたらしい。本来であれば、政治顧問で広報外交の担当者である私を、その会議に招集すべきです。会議に参加していれば、公開の重要性を説明し、他の部署の主張を裏付けて、公開は承認されたはずです。
--在沖海兵隊の正式決定として「映像は公開しない」という決定が下されていたら従いましたか?
RE そうですね。しかし、決定があったことも知らなければ、会議が開催されたこと自体も知りませんでした(笑い)。司令部内の意思決定に問題がありますね。いずれにしても、公開すべきという主張を最後までしたと思います。
--実際のところ、正式な解雇理由は何ですか?
RE 実は私もよくわからない(苦笑)。文書上は「参謀長の許可なく映像を外部に提供したため」となっています。
--解雇は不当だとお考えですか?
RE 今までの実績と今後の課題を考えると、不当というか、やりすぎだと感じています。とはいえ、ある程度の覚悟もしていました。でも、もしあの映像を出さなかったら、今回の一連の事件は一体どう歴史に記録されたことか。おそらく「不当逮捕」「米軍の占領意識は変わっていない」とか、平和的な運動家を…これはある意味噴飯ものですが…無理やり基地側に引きずりこんで逮捕したとか、とんでもない話になった可能性が高い。だから映像提供の歴史的な意味、意義は大きいと思います。
--今回の件、尖閣諸島付近で海保の船が中国船に衝突された事実を外部への映像提供で暴露した、一色正春・元海上保安官のケースと似ているように思います。
RE 尊敬する一色さんを、この時イシキせずにやったんですがね(笑い)。あの件と似ている面もあれば、異なる面もあります。大きく異なるのは、少なくとも海兵隊は映像を隠蔽する意図はなかった。単に日本や沖縄の中で海兵隊がどういう状態に置かれているのかの洞察に欠け、組織内の意思決定過程がうまく機能せず、非公開を決めたようです。そもそも「Sengoku38」事件の経過を海兵隊司令部は知らなったのです。
--あの事件を知らないのですか?
RE 人事異動もありますし、日本の専門家がいない。だから彼らには「一色正春の事件」がわからなかった。今回の映像は別の部署のものだったので、私が勝手に外部に出すのは、組織からすれば常識的には少しやりすぎだったかもしれませんが、「よくやった」「勇気ある行為だ」などの激励を今でも頂いています。
--ちょっと海兵隊が、細かいわりにダメな管理職のいる日本企業みたいに思えてきました
RE そう。会社というか、軍の官僚化を感じます。
--官僚化しているとはいえ、世界最強の戦闘集団の一つですよね?
RE はい。でも正直、次の戦闘がちょっと心配。真の海兵隊の心が分かる先輩方もそう思っています。
誰でも何かに反対する権利はある
--ここはクリアにしておきたいのですが、基地に反対する人たちの反対する権利、あるいは主張することそれ自体を、否定されるわけではないですよね?
RE その権利は当然あります。いささか手前味噌ですが、海兵隊員たちこそ、そういう価値観を守ろうとしているのだと思います。
ただし車への妨害、警備員への挑発、威嚇、暴言、暴力行為、こういうやり方はどうなのかとは思っています。米軍だけでなく、警察、海保関係者、施工業者などの方々に対しても同様です。テントによる公道の占拠も問題ですね。地元から「駐車しないでくれ」といわれているにもかかわらず、基地のすぐそばの小さな公園が反対派の駐車スペースになっています。また、大きな集会があると路上駐車が増え危険ですし、反対派のみなさん自身も危ない。これらは誰が見てもよくないです
あと地元の人ではない、場合によっては日本人ですらない人たちがかなり現場にいる点も指摘しておきたい。韓国、中国だけでなく欧米の活動家が沖縄にも入っています。
--なぜ欧米の活動家が沖縄にいるのでしょう?
RE 原理主義的な平和学習のせいでしょう。ニュージーランド人、オーストラリア人、アメリカ人、イギリス人、あとイタリア人もいる。その資格のない「外国人」は、「日本」の政治運動に参加すべきではありません。
首相訪米と日米関係・沖縄問題
--今回の安倍総理の訪米について伺います。今後の日米関係、沖縄問題にどう影響するでしょう?
RE 安倍政権を長期政権にする重要な出来事だったと思います。全米で色々な人たちと直接会い、議会とか、色々な場で講演したこともよかった。実際お会いしたこともありますが、彼は本当にいい人だと思います。人って直接会わないとわからないことがある。メディアが作る彼の印象と、実際の彼の印象とが全然違っただろうと思います。
アメリカ人の一部には、安倍晋三という人に何か怖いイメージがあったのではないかと思う。反動主義者で歴史修正主義者、とかね。とんでもない。まず信念をちゃんと持っている。また戦後の歴代首相の中で、最も国際性ある人の一人ではないかと思う。今の時代に一番求められている「信念」と「国際性」の人、それがアメリカ側に伝わったはずです。
アメリカにはアメリカの、日本には日本の考え方と国益があり、異なるのは当然です。と同時に、価値観や国益が二国間で重なれば重なるほどいい。それを色々な意味で再確認できたと思います。ワシントンと東京ほど地理的に遠い首都はないので、とにかく会って話をしないと、本当の気持ちは通じないでしょう。
--遠距離恋愛、ですね(笑い)
RE 私は愛する人と一緒に住んでいるのでわかりませんが(笑い)、色々な所で「日米関係は婚姻関係のようなものだ」と私も書いています。理想は、お互いが持っていないものを提供しあって、お互いにベターな存在になる。日米関係もそうあるべきだと思います。
約20年間、沖縄問題が日米首脳会談で大きな障害になっていたと思います。日本に長期的な安定政権が存在せず、地元との調整に時間がかかったためです。私は個人的に辺野古案に賛成できないので「勝連構想」という代案を提唱しましたが、辺野古への移転が進むことで「ポスト普天間」といったパラダイムも生まれつつある。共同声明は「希望の同盟」と、将来性を感じさせるものでしたし、今回の総理の訪米は全般的に評価できると思います。
日本の皆さんへの感謝
--今回の映像提供について話を戻します。要約すると、反対派も県内の自治体やメディアも事実と異なる主張や報道をしていた、それが事実ではないと指摘する必要があると考えた、だから映像を外部に提供したということですね?
RE 簡単に言えばそれだけです。クビになるとは全然思わなかった。処分ではなく昇格を期待していたくらいです(笑い)。
--今回の件で基地の内外の反応はいかがでしたか?
RE 嬉しかったのは、基地の日本人警備員の方々に心から感謝されていることです。私の処分を皆さんが非常に心配してくれています。
また4万人以上もの方々が、私が復職できるよう署名運動をしてくださいました。司令部に対しても、感謝や激励のメールが約100通届きました。東日本大震災時の「トモダチ作戦」のおかげか、被災地の方々からの激励や署名が多かった。もちろんこれらは、私からお願いしたものではありません。本当に心からお礼を申し上げたいと思います。
私の知らない基地勤務のある方は「あなたがオスプレイの説明をしているのをよく見ていた。県民と一緒に名誉を回復しましょう。青い瞳の侍に感謝します」と書いてきてくれた。すごく、ありがたかったです。オスプレイを配備してからの3年間、私は…(涙ぐむ)。私はこのメールをいただいたとき、本当に今回のことをやってよかったと思いました。
--あえてお伺いします。後悔はありませんか?
RE 手順にはちょっと問題があったかなとは思いますけど、真実を明らかにし、事実に基づかない非難を受け続ける人たちの名誉を守るためには、この方法しかなかった。後悔はないですね。そうね、後悔はしていないね。生活を失った家族には申し訳ないですが。
--海兵隊の人たち、反対運動をしている人たちにメッセージは?
RE まず海兵隊には「外から応援しています」と。なぜ私が映像を外部に提供したか、分かる人は分かる。あと、ある将官から「あなたが解雇と戦うことで組織が改善される」と言われていますので、そうするつもりです。
反対運動には、思想でやっている人と利益目的でやっている人がいます。反対運動が産業化している面もある。それが結局、沖縄問題を引き延ばし、沖縄の不幸となっている。現場で思想的な立場から運動をされている方々には、暴力や違法行動を使わない形での抗議の仕方はあるのではないですかということ、運動の背後にあるものに利用されないよう気を付けて、最終的に目覚めて下さいと伝えたいです。
沖縄発イノベーションのために
--「無職無給の一般人」と名乗られていますが、今後どうされますか?
RE まず日米、沖縄関係の歴史研究、防災のあり方など、従来の調査を続けます。そしてこの沖縄で国際交流を促進する研究所を作りたいと思っています。日米のスタッフを擁した、「超党派」「国際的」「学際的」「イノベーション重視」という、かなり新しいスタイルの組織になるでしょう。基地の後利用の仕方、沖縄の教育やメディアの改革、日米交流のあり方などについて、具体的な提言をしていきたいです。
海兵隊をクビになって自由に発言・発信ができるようになりましたから、これでよかったのかもしれませんね。ある扉が閉まったとしても、新しい扉は常に開いていて、ありがたく思っています。
■ロバート・D・エルドリッヂ氏 1968年、米国ニュージャージー州生まれ。90年に米国バージニア州リンチバーグ大学国際関係学部卒業後、兵庫県で英語教師を務める。99年に神戸大学法学研究科博士課程後期課程修了、政治学博士号を取得。大阪大学大学院教授を経て09年9月より在沖縄海兵隊政務外交部次長に就任。基地監視カメラ映像を不適切に公開したとして、15年4月24日同職解任。主な著書に「沖縄問題の起源」(名古屋大学出版会)など、共編、共著、翻訳多数。近著に「尖閣問題の起源」(名古屋大学出版会)
※月刊正論7月号から
更新日:2015年6月6日
沖縄県の翁長雄志知事は、先月27日より米軍普天間飛行場の辺野古への移設反対を訴えるためにアメリカを訪れていた。ハワイ訪問後、30日よりワシントンに滞在し、米政府関係者や上院議員らと会談を行った。米政府関係者は、辺野古移設が「唯一の解決策」との姿勢を崩さなかった。
◆米上院議員、政府関係者の反応は
訪米には、糸数慶子参院議員、城間幹子那覇市長、稲嶺進名護市長、県議会議員、経済界メンバーら約30人が同行した。
2日、翁長知事は、米上院軍事委員会の委員長であるマケイン上院議員と会談した。知事は、県内で移設反対の大規模な集会が開かれるなど、反対の民意が示されていると説明したという。会談後にマケイン氏が発表した声明によると、氏は会談で知事に対し、「沖縄県内で海兵隊を移転する現行の計画を、これまで通り支持すると表明した」とのことだ。
3日には、知事は米国務省で、同省のヤング日本部長、国防総省のアバクロンビー次官補代理代行と会談した。会談後、国務省が発表した声明によると、両氏は会談で米国と日本両政府は普天間飛行場の代替施設となるキャンプ・シュワブでの飛行場の建設で確固たる約束をしている、と強調したとのこと。また両氏は、この移設計画が、作戦、政治、金銭、戦略上の問題に対処し、普天間飛行場の継続的使用を避ける唯一の解決策であるとの説明を繰り返したという。ロイター、AP通信は、両氏のこれらの発言を軸に報じた。
◆辺野古移設反対を掲げて当選した翁長知事
翁長知事は昨年の知事選で、米軍基地の県内移設反対を公約して勝利した。ウェブ誌『ザ・ディプロマット』は、知事の日本政府への働きかけは、これまであまりうまく行っていないとし、それを受けて知事は今週、米当局者に自身の主張を直接伝えたいと思い訪米しているのだ、と報じた。
さらに同誌は、「しかし移設計画の変更ということでは、今回の訪問で、あまり前進できていなさそうだ」とし、加えて、「日米両政府は、移設計画に実行可能な代案はないとしており、知事が今後取り得る選択肢は限られている」と指摘した。
◆「オール沖縄」は事実ではない?
政治学者のロバート・エルドリッジ氏は米ワシントン・タイムズ紙に寄せたオピニオン記事で、「沖縄県知事によるこうした訪米は、翁長知事が初めてではない。これまでにも多くの知事が、米軍駐留をめぐる問題をアメリカに訴えるために渡航している」と語っている。こういった渡航は(琉球政府時代の)1950年代前半に始まったが、1990年代、大田昌秀知事の時代に、それまでよりもはるかに頻繁に行われるようになったという。大田氏は米大学への留学歴がある。氏は自身の著書で、基地問題について、日本政府よりも米政府のほうが同情的だろうと語っているようだ。
エルドリッジ氏は、沖縄の基地をめぐる問題には、表と裏があり、目に映る以上のものがある、と語る。翁長知事のワシントンでの会談が始まる前に書かれたこの記事では、ワシントンの人間、なかでも報道界と、シンクタンクの世界にいる人間は、これ以上だまされてはいけない、と警告している。
氏は、沖縄の基地反対派の主張に、大きな疑念を持っているようだ。例えば、昨年の知事選では、基地反対の動きが「オール沖縄」というくくりで語られたが、実際には、沖縄の世論は非常に割れているので、これは事実からほど遠い、と語る。
また、普天間飛行場の辺野古移設反対派は、昨年から「新基地」建設と呼ぶようになったが、氏は「これは事実ではない」と語る。実際は、辺野古に60年近く駐留しているキャンプ・シュワブでの、滑走路などの代替施設の建設だ。この点については、国務省で行われた会談でも、新基地ではなく既存の基地の増強であると米側が指摘した、と国務省の声明で伝えられている。
氏は、この他にも活動家によって作り出された作り話はたくさんある、と語る。活動家は、地元メディア、国内外の「平和」団体、反基地勢力を支持基盤とする政治家と緊密に協力している、と述べている。
エルドリッジ氏は、大阪大学で准教授を務めた後、2009年から今年3月まで在沖縄米軍海兵隊外交政策部次長を務めた。しかし今年2月、反基地運動家がキャンプ・シュワブの敷地内に侵入し、基地警備員に拘束された問題で、この様子を撮影した監視カメラの映像を流出させたことで、氏は解任された。当初、地元メディアでは、拘束は不当だとの主張が伝えられていた。
沖縄平和運動センターの山城博治議長が2月22日、米軍キャンプ・シュワブ内に侵入したとして米軍に拘束された場面が動画投稿サイトで公開された問題で、動画の流出元が在沖米海兵隊のロバート・エルドリッジ政務外交部次長だったことが分かった。19日、政府関係者が明らかにした。
政府関係者によると、エルドリッジ氏は流出の責任を問われ更迭された。これまで、海兵隊報道部は本紙の取材に「(流出した者は)内部処分を既に取った」と説明しているが、国防総省の規則で個人名の公表などを禁じているため詳細は明らかにしていない。映像には抗議活動をする山城議長や、取材する記者らが映っており動画サイト「ユーチューブ」に投稿された。
在沖米海兵隊のロバート・エルドリッジ政務外交部次長が、先月公開されたインターネット番組「チャンネル桜」に出演し、米軍普天間飛行場の周辺で繰り広げられている抗議行動を「ヘイトスピーチ」と批判していたことが16日、分かった。さらに抗議行動について「県民、日本国民を代表しているとは思っていないので安心してください」と述べた。
県民の多数が普天間飛行場の県外移設と早期閉鎖を求める一方、日米両政府が民意を無視して辺野古移設を強行する中、地元との対話も任務とする米軍幹部が市民の異議申し立てを「ヘイトスピーチ」と断じたことは、地元に対する姿勢が問われそうだ。
発言は1月8日公開の同放送であった。エルドリッジ氏は「ご存じのように普天間周辺でいろいろなヘイトスピーチをされている方がいる」と、オスプレイの強行配備を機に始まった抗議行動を批判した。
エルドリッジ氏は、普天間問題を含む日米の安全保障・外交政策を専門的見地から検証しているシンクタンク「新外交イニシアティブ(ND)」についても「雑音」や「不協和音」との表現で批判していたことが既に分かっている。番組でエルドリッジ氏は、自身について「海兵隊と日本国民、特に沖縄県民の懸け橋になればいいと思っていて、それを通じて相互理解、信頼関係(を築き)、最終的には平和につながる」と述べた。