狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

最高裁が合憲判断、「集団的自衛権の行使」の閣議決議に

2015-08-02 07:34:00 | マスコミ批判
 
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集団的自衛権論争に最高裁判所が参入してきた。
 
違憲審査権を有する最高裁が、集団自衛権の行使を認めた閣議決議は合憲、との判断を下したのだ!
※中間部分の【追記】をお読み下さい。
 
「集団自衛権の行使」に関しメディアが垂れ流す報道は、まるで憲法学者が憲法の解釈権を有するかのような報道だ。
 
その内容は概ねこうだ。
 
「戦争への道をひた走る安倍政権が、憲法を踏みにじって成立を目論む”戦争法案”を民意で廃案にすべき」といったもの。


ご他聞に洩れず昨日の沖縄タイムスは、安保法案に抗議し廃案を求める集会「憲法は戦争をしないと決めた。戦争法案は廃案へ!県民集会」が開かれたことを受け、県内の学者や共産党議員を総動員で、「安倍政権が強行採決を目論む戦争法案は憲法違反」との大発狂記事のオンパレードだった。
 
当日記は「すべての発狂見出しを拾うのは体力と精神力が持たない」として、憲法学者である高良鉄美琉大法科大学院教授らの「憲法守るのは沖縄から」という寝言は黙殺した。
 
しかし我が国は法治国家である。憲法学者の寝言が憲法解釈を決めるわけではない。

憲法学者たちが憲法を守れという日本国憲法は、最高裁判所が違憲法令審査権を有する終審裁判所である旨を規定している。


日本国憲法第八十一条 
最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。

 

したがって自民党の高村氏の「100の学説より一つの最高裁判決だ」との発言は正しい。

 自民・高村氏「100の学説より一つの最高裁判決だ」:朝日新聞 ...朝日新聞-2015/07/12

 憲法の公権的解釈権を有する最高裁判所が、集団的自衛権の行使を合憲と認めたのだ。

 今朝の沖縄タイムスは一面トップとは言わないまでも、一応最高裁の合憲判断を読者に周知すると思われたのだが・・・。

無い!

紙面の何処を探しても「集団的自衛権訴訟 原告の敗訴が確定」のニュースは一行も見当たらない。

 さすがは不都合な事実は隠蔽し、白を黒と報道する沖縄タイムスの面目躍如である。

 

そこで、最高裁判断を伝える時事通信とNHKの報道を紹介する。

集団的自衛権無効の却下確定=閣議決定めぐり-最高裁

 集団的自衛権の行使を容認した昨年7月の閣議決定は違憲だとして、元三重県職員の珍道世直さん(76)=津市=が閣議決定の無効確認を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(山本庸幸裁判長)は29日付で、珍道さん側の上告を棄却する決定をした。訴えを却下した一、二審判決が確定した。(2015/07/31-21:18

                            ☆

 集団的自衛権訴訟 原告の敗訴が確定 NHKニュース

NHKニュース 7月31日 21時48分
 
集団的自衛権の行使を容認した閣議決定は憲法9条に違反するとして、三重県の男性が閣議決定の無効を求めた裁判で、最高裁判所は「上告できる場合にあたらない」として上告を退け、男性の敗訴が確定しました。
三重県の元県庁職員の珍道世直さん(76)は、これまでの憲法解釈を変更し集団的自衛権の行使を容認した去年7月の閣議決定について、「戦争の放棄を定めた憲法9条に違反する」として当時の安倍内閣の閣僚に対し、閣議決定の無効などを求めました。
1審と2審はいずれも、「閣議決定は直ちに原告の権利を制限するものではない。今回の訴えは具体的な権利や義務についての争いとはいえず、裁判の対象には当たらない」として、訴えを退けました。
原告は上告しましたが、最高裁判所第2小法廷の山本庸幸裁判長は、「上告できる場合にあたらない」として退け、敗訴が確定しました。
珍道さんは「国会で安全保障関連法案が憲法に違反するかどうか激しく争われている最中なのに最高裁は司法としての使命を果たさなかった。法律が憲法違反かどうかを審査する裁判所の権利を放棄したのに等しく非常に遺憾だ」と話しています
                  ☆

 

それにしてもこのような違憲審査訴訟が一審、二審と行われていた事実は、筆者の知る限り全く報道されていない。

全国紙も沖縄2紙と同様「報道しない自由」の守っているのか。

調べてみたら、産経が一応報道しているのにヒットした。

 産経ニュース2014.12.12 18:53更新
閣議決定無効の訴え退ける 東京地裁 - 産経ニュース

 集団的自衛権の行使を容認した憲法解釈変更の閣議決定は憲法違反だとして、元三重県職員の珍道世直さん(75)=津市=が閣議決定の無効確認などを求めた訴訟の判決で東京地裁は12日、訴えを退けた。

 岡崎克彦裁判長は「閣議決定がすぐに原告の権利を制限するわけではない。具体的な法律関係の争いではないので訴えは不適法だ」と述べ、無効確認の訴えを却下。不安を理由とした10万円の慰謝料請求は「個人的感情にすぎない」として棄却した。

 判決後、珍道さんは「閣議決定は手続き上も内容も明白な憲法違反だ。判決は受け入れられないので控訴する」と語った。

 閣議決定の無効確認を求めた訴訟は他にも複数起こされ、これまでに東京地裁や広島地裁で今回と同様の却下判決が言い渡されている。

                      ☆

 

【追記】

香川県にお住まいの読者より次のようなメールをいただきました。

8月2日の記事に「最高裁が集団的自衛権を合憲と判断した」と書かれていますが、あれは原告に訴訟を起こす資格が無いと門前払いをされた「却下」でありまして、そもそも合憲か違憲かの判断はされていないんです。
 
日本では、ある法律を直接違憲かどうかを裁判することが出来ず、具体的な被害を受けたという事件があってはじめてそれに付随する法律の違憲性を審査することが出来るんです。
 
現時点では原告に直接的な事件が無かったので、却下されただけで、違憲か否かの判断はされていません。したがって、合憲と判断はしていません。

                ☆

なるほど、最高裁判所が上告を却下したのは原告にその資格がないという判断であり、最高裁が合憲と判断したと捉えてのは筆者の早とちりのようでした。

本稿の、最高裁が合憲とした部分はお詫びして取り消させていただきます。

 

最高裁判所の判断を黙殺したまま、メディアや民主党らは「憲法学者がー」と叫び続けるのだろうか。

【動画】辺野古移設は反対!でも金はくれ!県、政府へ振興3000億円要請[桜H27/7/29]

www.youtube.com/watch?v=c07HMXPtGtI
4 日前 - アップロード元: チャンネル桜沖縄支局「沖縄の声」
沖縄振興予算について、政府に対し沖縄県は28

平成27年7月28日火曜日に放送された『沖縄の声』。沖縄振興予算について、政府に対し沖縄県は28日までに3千億円以上の確保を求める方針を決め、翁長雄志知事は27日、自民党県連の具志孝助幹事長ら県連役員と面談し、自民党本部に要請できるよう協力を求めたと沖縄タイムスが報道。翁長県知事は政府からの普天間基地辺野古移設のアプローチにたいして、やれ「上から目線」、やれ「キャラウェイ高等弁務官」などと批判した関わらず、どの面下げてこんな要請ができるのだろうか?本日も、多くのテーマからししょーと真子が沖縄2紙の嘘・偏向報道を斬る!

 

 

■御知らせ■

 

告知                    

第7回 8.6 広島平和MEETING「反核平和70年の失敗」 

 

沖縄生中継会場

 

2015年8月6日 18:00(17:30開場) - 20:20

 

場所:琉球大学工学部 1号館 3F 322教室

 

地図

 

 

 

※入場無料

 


櫻井よしこ
「憲法9条は中国の軍拡も北の核兵器も止められなかった」

 


百地 章 
「世界情勢は変わった、憲法9条が平和を脅かす」

 


主催:琉球大学公認サークル 沖縄から日本を考える学生の

 

 

 

*******************************

 

ファイヤー和田 知久(わだ ともひさ)

 

琉球大学 工学部 情報工学科 教授 学科長

 

〒903-0213 沖縄県西原町千原1番地

 

E-mail: wada@ie.u-ryukyu.ac.jp

 

TEL: 098-895-8713

 

Mobil: 090-9785-5802

 

FAX: 098-895-8727

 

URL: http://www.ie.u-ryukyu.ac.jp/~wada/Welcome.html

 

 ■催し物のご案内■

 

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元NYT東京支局長が、「慰安婦」「南京事件」で日本にエール

2015-08-02 05:46:40 | マスコミ批判
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2015.8.1 08:00

更新

【話の肖像画プレミアム】
hヘンリー・S・ストークス(77)=元NYT東京支局長=「反日プロパガンダに惑わされず、誇りある国になってほしい」 

(野村成次撮影)

日本は白人支配からアジアを解放した

 〈半世紀にわたり日本に滞在、日本外国特派員協会で最古参だ。著書「英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄」(祥伝社)は、「在日外国人記者がはじめて書いた正しい近・現代日本史」(評論家の宮崎正弘さん)などと話題を集め、出版依頼が相次いでいる〉

 多くの読者の皆さまに感謝します。「東京裁判は勝者の復讐(ふくしゅう)劇にすぎない」「いわゆる『南京大虐殺』はなかった」と世界の既成概念に欧米人で初めて挑戦したことに興味を持っていただいた。ただ私は歴史に対して公平でありたかったのです。

 〈初めて日本に来たときは、戦勝国史観に立ち、「日本は悪かった」「東京裁判は正しく、南京大虐殺はあった」と信じていた〉

 滞日が長くなるにつれて、霧が晴れるように米国が押しつけた歴史観が誤りであることを悟り、歴史的真実がどこにあるか認識できるようになりました。皆さんも反日国家のプロパガンダに惑わされず、歴史の真実を知って、日本が誇りある国になってほしい。

 〈東京発の欧米特派員の報道には偏向した内容が少なくない。彼らの一部は日本を「肯定」する最長老に「修正主義者」のレッテルを貼った〉

 滞日経験が浅い彼らのほとんどが勉強不足です。昨年5月に私の本について「南京虐殺否定 無断加筆 ベストセラー翻訳者」との捏造(ねつぞう)記事を書いた共同通信の若い米国人記者も、創作小説にすぎないアイリス・チャンの「ザ・レイプ・オブ・南京」を史実のごとくに信じていました。米東部の名門大学を卒業したエリートですらこのレベルです。

私こそ「リベラル」。人種的偏見や差別に反対で、草の根の声を大切にしています。真実を壊す嘘を受け入れられません。しかし、日本でリベラルといえば、中国や旧ソ連を支持する左翼です。これはおかしい。

 〈「日本は侵略した」と欧米や中国、韓国、日本の学者まで主張する〉

 それは「連合国側の史観」。敵側の戦時プロパガンダです。確かに日本が欧米諸国のアジア植民地に軍事進攻したことは事実です。しかし、それ以前に侵略して植民地にしたのは欧米諸国です。日本は欧米の植民地を占領し、日本の将兵が宣教師のような使命感に駆られて、アジア諸民族を独立へ導いた。アジア諸国は日本によって白人支配から独立した。西洋人は世界史を見直すべきです。日本はアジアを独立に導いた「希望の光」。「侵略」したのではなく「解放」し、独立に導いたのです。

 アジア、アフリカ、北米、南米、豪州を侵略した西洋は謝罪していません。なぜ日本だけが謝罪しなければいけないのか。白人が有色人種を侵略するのは「文明化」で、有色人種が白人を侵略するのが「犯罪」とはナンセンスです。

 〈欧米人にも同じ主張をする同志が出てきた〉

 米国人ジャーナリストのマイケル・ヨン氏は私の著書を読んで確信を持ったようです。弁護士のケント・ギルバート氏も賛同してくれました。特派員の後輩たちも続いてくれることを期待します。

ジャパニーズ・カルチャー・アズ・ナンバーワン

 

 〈フィナンシャル・タイムズ初代東京支局長として来日したのが東京五輪が開催された昭和39(1964)年だった〉

 オックスフォード大学在学中に米国やソ連など世界を訪ねました。どの国も半日あれば把握できましたが、日本だけは例外でした。1940年代後半から60年代前半に急速に発展した日本人の行動の源がどこにあるのか。それを知りたくて日本に来ました。

 高度成長の入り口にあった日本に暮らすうちに日本が好きになりました。巨大なロケットが発射されたように急速に動き出す。そんなミステリアスな魅力がありました。半世紀で10回ほど離れる機会がありましたが、その度日本のすばらしさに触れてとどまりました。

 文化が素晴らしい。エズラ・ボーゲルは「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と著しましたが、「ジャパニーズ・カルチャー・アズ・ナンバーワン」と思います。

 黒澤明の「七人の侍」などの映画を見て新鮮な衝撃を受けました。19世紀以来、浮世絵に始まり日本建築までジャポニズムは世界文化に大きな影響を与えています。

 東日本大震災で被災者が救援物資の配給を受ける際、他人を思いやる人徳の高さがありました。暴動も略奪もない。奇跡のような光景に世界の人が感動しました。「思いやり」を大切にする日本の文化でしょう。

地下鉄に乗ると、私が体調が優れないと見て取ると、誰彼となく席を譲ってくれます。それも相手を慮(おもんばか)って。日本には洗練された文化の高みがあるのです。

 〈日本と英国は同じ島国として共通点がある。それゆえ日本の風土に順応できた〉

 シャイで注意深く節度があってあまり直接的に発言しない点など英国人は大陸の欧州人より日本人と共通しています。共に恥の文化です。素材の味を大切にする料理も同じ。私は畳で横になり、綿の浴衣を着ることが心地よいです。

 〈日本人女性、あき子さんとの間に生まれた一人息子のハリー杉山さんは、テレビやラジオでタレントとして活躍中だ〉

 22歳の独身英国人男性が来日して仕事をして日本を好きになれば、100人中99人が日本女性と結婚します。日本女性が素晴らしいからです。日本女性と結婚して正解だった、賢明な選択をしたとみな思います。私も、あき子と結婚して40年、素晴らしい人生です。

 クエーカー教徒で平和主義者ですが、国を護(まも)るために軍隊を持つこと、国を護るために命をささげた方々を顕彰することは当然です。それでハリーが生まれたとき(昭和60年)、靖国神社に家族でお参りしました。ハリーは私以上に文才があります。将来、活字メディアでも力を発揮してほしいと願っています。

三島が訴えた米呪縛からの脱却

 〈日本にとどまった理由の一つが作家、三島由紀夫との出会いだった。今年は生誕90年、自決して45年を迎える〉

 三島は当時、昭和天皇を除くと、世界で最も話題性のある日本人でした。「日本の魂」に触れようとインタビューしました。彼の率直さが好きでした。

 〈1969(昭和44)年3月、三島の富士山麓雪中演習に外国人として初めて同行した〉

 「日本はどう生きるべきか」。三島は苦悩の中にいました。彼の指摘は本質を突いていました。彼を通して日本が抱える問題と進むべき方向性が見えました。三島は、米国によって日本が「属国化」されたことを嘆いていました。

 〈1970(昭和45)年11月25日、三島が自決した日、マニラに向かうはずだった。台風で飛行機が欠航となり、自決を知った〉

 茫然(ぼうぜん)となりました。中途半端な行動をしない男で、死ぬといえば、どんなことがあっても死ぬと思っていたからです。1カ月前に「この世の終わり」と書かれた手紙が送られました。何度もサインを出していたのに見落とした。「友達を見捨てた罪は許すべからざるものだ」といまだに自己批判しています。

 三島が檄文(げきぶん)で訴えたことは大筋で正しい。しかし西洋では理解されていない。事件後、英語で三島由紀夫伝を書きました。邦訳され、ギリシャ語にも翻訳されました。

〈昨年11月、三島ゆかりの熊本・桜山神社を訪ねた。ラストサムライ、「神風連」の志士がご祭神として祀(まつ)られている〉

 訪問してわかりました。神風連、特攻隊に連なる精神、自らの命を賭して日本を護(まも)る魂の在り方に三島が衝撃を受けたのです。

 西洋を知れば知るほど、日本人としてのアイデンティティーに目覚めたのです。日本の文化、伝統が世界で希有(けう)な遺産であることを。

 三島が命を懸けて訴えたかったことはマッカーサーが作った憲法の呪縛や自衛隊など米国の「属国」のようになった戦後日本の在り方でした。ただ反米ではありません。連合国戦勝史観からの脱却でしょうか。三島が人々に理解されるには、200~300年かかるかもしれません。

 〈多くの日本の実業家の知遇も得た〉

 最も親しかったのは第3代諏訪精工舎社長だった服部一郎さんです。電子情報機器のセイコーエプソンを立ち上げ、嘱望されながら川奈ホテルゴルフ場でプレー中に急死しました。今でも思い出すと悲しい。一緒にビジネスをやる計画を立てていたので残念です。

 〈来日直後、白洲次郎とも面識があった〉

 黒塗りのダイムラーで、よく高級料亭に連れていかれました。妻のあき子とごちそうになったこともあります。英国企業の日本進出で稼いでは、豪奢(ごうしゃ)な生活をしていました。流暢(りゅうちょう)な英語で、人を見下して話すところは、好きになれませんでした。

NYタイムズも欺かれた「偽物」

 〈韓国で1980年、全斗煥が軍の実権を掌握すると、北朝鮮は「休戦協定を白紙化する」と宣言、半島は一触即発の危機に陥った。同年6月、米国が北朝鮮に特使を派遣すると、ニューヨーク・タイムズ(NYT)記者として同行した〉

 金日成主席に会い、平壌郊外の宮殿で5日間過ごしました。握手した金日成は息切れする病人のようでした。特使ソラーズ議員との会談に立ち会えませんでしたが、目付け役として米中央情報局(CIA)職員が同行していました。

 〈韓国の金大中元大統領には、30回以上も単独インタビューした〉

 金大中は常に「民主化運動の闘士」というイメージを演出していました。米国の民間組織と言論が後押ししたのです。ニューヨーク・タイムズは、その先頭に立っていました。

 初めて会ったのは、69年春。日本と米国に滞在して、民主化を推進する人権活動家と注目されていました。

 〈73年8月、東京・九段のホテルから、韓国中央情報部(KCIA)に拉致され、船上で殺害されかかるが、軍用機が旋回し、一命をとりとめる。その後、ソウルの自宅で軟禁され、80年5月、再逮捕され、光州事件が起きる〉

 80年春、民主化運動の中心人物として取り上げ、社説でも「金大中は処刑されるべきではない」と論陣を張ったのです。

〈「偽物(フェイク)」であることは、妻のあき子さんが最初に見抜いた〉

 女性のカンは素晴らしい(笑)。必要以上に自分を繕い、私に接近する不自然さにあき子が気付きました。よく観察すると、いつも駆け引きをしている演技者でした。詐欺師で、人々の気持ちを巧みに操る。私もニューヨーク・タイムズも騙(だま)されたのです。金大中の最大の犯罪は民主主義を欺いたこと。その最たる例が光州事件でした。

 〈事件から20年後の2000年、編者として「光州暴動」を米国の出版社から刊行した〉

 事件は金大中が起こした自作自演の「暴動」で、大統領になることを狙って暴動を仕掛けたのです。周辺者は、金大中が世俗的な地位や金銭に重きを置き、不正蓄財をしていたことを知り尽くしていました。さらに問題は、北朝鮮と関わることでした。国家反逆罪に値する売国行為でした。民主化のホープを気取り、ノーベル平和賞を手に入れる名誉欲に駆られた私欲の権化でした。

 〈金大中を救ったのは、米大統領となるロナルド・レーガン関係者だった〉

 80年秋、全斗煥大統領と密約を結んだのです。レーガン新大統領を訪問する初の外国の元首として全大統領を招く代わりに金大中を処刑しないことを約束した。レーガン大統領が金大中の処刑を回避したのは、民主化の旗手というイメージが浸透していたため。米国全体が彼の演技に欺かれていたわけです。

和製ジェームズ・ボンド養成を

 〈安倍晋三首相の父親の安倍晋太郎元外相、祖父の岸信介元首相を取材した唯一の外国人記者だ〉

 岸信介氏に日本に来たばかりの頃インタビューしました。満州を開発した手腕はナチス・ドイツの首都を改造する「ゲルマニア計画」を進めたアルベルト・シュペーアに匹敵して日本の政治史に名を残しています。2度目の総理を務める安倍首相は運を持っていて国際社会で存在感が増しています。アベノミクスを主導する発信力は日本の指導者として久しぶりです。

 米上下両院合同会議で行った安倍首相の未来志向の演説は、米側から高い評価を受けました。問題は中国を訪問する際、どう発言するか。対中外交で真価が問われます。

 〈「慰安婦」「南京事件」で中韓の反日プロパガンダが続いている〉

 ようやく日本も反論を始めましたが、まだまだです。いまなお中国が情報戦で圧倒しています。世界中の人々が南京で30万人が虐殺され、慰安婦が強制連行されたと信じて国際世論が変わる兆しは見えません。

 〈日本が最も遅れているのがインテリジェンス(諜報)だ。七つの海を支配した英国は情報によって植民地統治を練り上げたことはよく知られている〉

私は属したことはありませんが、多くの諜報に携わる人物を知っています。英国の諜報力が世界で最も優れているのは、島国であることと関係しています。周辺諸国が侵略を試みた歴史から祖国防衛には他国が侵略の意図を持っているか事前に把握する必要があり、情報収集が最優先になったのです。日本も同じ島国なので、英国をモデルに諜報の強化を図ってほしい。

 〈愛国精神を求めることにおいて、英国情報機関は先達だ。危険な任務に就くのは女王への忠誠と国家への奉仕を尽くすことで、臣下の名誉とする考えが行き渡っている〉

 英国人は情報機関のみならず、一般の市民も愛国心のために諜報で個人の自由が制約されても当然と考えます。そこが個人のプライバシーの保護が優先される米国と異なります。個人の生活を守ることは、周辺国が侵略してくるかどうかと密接に関連します。約800年の歴史的体験から英国人には身を守るための諜報が民族意識に根付いているのです。

 〈英情報局秘密情報部(MI6)などの伝統的な資格は、忠誠心のほかにオックスフォード、ケンブリッジなどの名門学歴、サーの称号以上の貴族の子弟だ〉

 階層社会で最も優遇された彼らは決して王や女王を裏切らない素性の明らかな存在です。最高の情報が得られるように、最高レベルの教育と社交界の品格と儀礼をわきまえた英国でもっとも知性的な紳士(ジェントルマン)たちです。日本の007=ジェームズ・ボンドを早く養成してほしい。(聞き手 岡部伸)

 1938年、英国サマセット、グラストンベリー生まれ。61年、オックスフォード大学修士課程修了後、62年にフィナンシャル・タイムズ入社、64年、初代東京支局長。67年、タイムズ東京支局長、78年、ニューヨーク・タイムズ東京支局長を歴任。三島由紀夫と最も親しかった外国人記者として知られる。著書に「三島由紀夫 死と真実」「英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄」、編著「光州暴動」、共著「なぜアメリカは、対日戦争を仕掛けたのか」「目覚めよ!日本」「連合国戦勝史観の徹底批判!」など。=6月掲載記事を再掲載

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