本日19日は「県民大会」が開かれる。
「県民大会」とは自称しても、主催する「オール沖縄会議」が共産党、社民党が先導する政治集団である以上、革新系の政治集会と称するのが正しいのだが、沖縄タイムスによると何故か「県民大会」になるらしい。
本日の沖縄タイムスは「政治集会」を「県民大会」と称し、約10面を使って、大会への動員に必死である。
■一面トップ
きょう県民大会
元米兵事件抗議
海兵隊撤退決議へ
■二面トップ
怒り頂点海兵隊撤退
■社会面トップ
命奪う犯罪 二度と
さすが仲井真前知事が「特定団体のコマーシャルペーパー」と喝破したとおりである。
大会の正式名称は、「元海兵隊員による残虐な蛮行を糾弾! 被害者を追悼し、沖縄から海兵隊の撤退を求める県民大会」だが、米軍基地を容認する自民、公明、おおさか維新などは参加を拒否している。
主催者は「県民大会」の体裁を繕うために、41人の首長に参加を呼びかけたが、参加を表明したのは14首長のみである。
さらに、県内11市のうち、参加するのは城間那覇市長と稲嶺名護市長の2人だけで、他の9人の市長は不参加、という寂しい「県民大会」である。
元米兵の米国男性が女性を殺害遺棄した事件が起きたことで、革新系政党・労組などで構成される「オール沖縄県民会議」は、沖縄2紙の扇動をバックに「事件の政治利用」を目論んだ。
だが、あまりにもその意図があからさまなので、良識ある県民から批判の声が沸き起こっている。
おまけに同「県民大会」が開かれるため、以前から予定されていた高校球児の「聖地」が政治目的のため使えなくなった点にも県民の批判が噴出している。
豊見城市議会、うるま市議会、石垣市議会などは開催日や会場の変更を要請したが、主催者によると「高校生を説得すべきであり、譲れない」とのこと。
関係者によると「会場を譲れない」理由は、同会場が那覇空港に一番近い位置にあり、本土から参加する活動家が日帰りで参加するには絶好の会場だから、とのこと。
また「日程を延期できない」理由は、19日は参院選公示3日前というタイミングになるため「政治集会としては絶好の日程だから、とのこと。
本土の活動家の動員や参院選目前の政治利用の政治集会の、どこが「県民大会」といえるのか。
沖縄県民もずい分バカにされたものである。
■「オール沖縄」から「オール沖縄会議」
2013年1月、当時の那覇市長であった翁長氏は、前年から続いている「危険な欠陥機オスプレイの沖縄配備反対」を旗印に、保革県議、各首長ら100名以上で構成する「オール沖縄」を率いて「東京抗議行動」を行い、安倍首相に建白書を手渡した。
⇒<オスプレイ撤回・東京行動>建白書 全文 2013年1月28日 12:10
このとき翁長氏が火をつけた「オール沖縄」の渦は全県を覆う勢いで、翁長氏は「オール沖縄」の旗印の下県知事の座を獲得した。
その後、共産党の操り人形になりつつある翁長知事に見切りをつけた「オール沖縄」内部の自民党県議や保守系首長が次々と翁長知事に反旗を翻し、翁長知事の影響力の低下に拍車をかけた。
そして、「オール沖縄会議」に名を変更し翁長知事のカリスマ性復活を狙ったのが今年の1月の宜野湾市長選挙であった。
ところが翁長知事の陣頭指揮で「戸別訪問」の選挙違反までして臨んだ宜野湾市長選は惨敗し、「オール沖縄会議」の存在さえ危うくなった。
そんな矢先に降って湧いたように登場したのが「元米兵」によるうるま市女性遺体遺棄事件の発覚である。
「オール沖縄」勢力が、この悲惨な事件を、「オール沖縄復活」にとっての千載一遇のチャンスと捉えたとしてもおかしくはない
首の皮一枚で消滅しかけていた「オール沖縄」はこの時点で、新聞を巻き込んだ全県的「政治集会」を目論んだ。
集会の2日後の6月22日は、参院選公示日だ。 「これを事件の政治利用」といわずに何といおう。
首の皮一枚で消滅しかけていた、ということは首の皮一枚で「オール沖縄」は復活する可能性があるということ。
だが、果たして「「オール沖縄」は翁長知事のカリスマ性を復活できるか。
「オール沖縄会議」主催の政治集会への参加を翁長知事が表明したのは「大会」三日前の16日である。
翁長知事の参加表明を報じる17日付沖縄タイムス一面の見出しを拾うと、翁長知事の矛盾が白日の下に晒されている。
知事県民大会に参加
海兵隊撤退を強調
中国海軍また接続水域に
「オール沖縄会議」の主力である共産党は当初「全基地撤去」をスローガンにすると主張していたが、翁長知事を「乗せる」ため、一時「全基地撤去」を封印し「海兵隊撤退」を全面に打ち出す小細工を弄した。
翁長知事は「日米安保は理解する」と述べているので、中国海軍が尖閣の接続水域を侵犯したら、中国の目の上のたんこぶである海兵隊の撤去を主張すると己の発言に矛盾が生じる。
折りしも翁長知事は国と係争中である普天間飛行場の辺野古移設の関する、紛争処理委の「判断を避けた裁定」に不服として高裁に提訴せずに、国との協議をするという。
「辺野古移設が唯一の解決策」と主張し続ける国に対し、「折り合わないことを想定して協議はできないので、協議をベースにしながら、その時々で判断していきたい」と述べる翁長知事。
「協議する」ということは、翁長知事に変化が生じ妥協の意志が湧いてきたのか。
紛争処理委の「判断せずの裁定」を県側有利と考える「オール沖縄」勢力は、翁長知事が「裁定」を不服として高裁への提訴を想定していた。
ところが翁長知事が妥協の兆しを匂わせ、国を提訴することなく協議するという。
これは今まで翁長知事を支えてきた「オール沖縄」への裏切りではないのか。
今後「オール沖縄会議」の主力である共産党の翁長知事への批判が予想される。
いずれにせよ、本日の「県民大会」は「オール沖縄」が壊滅するか否かの分水嶺になるだろう。