「75歳」カルテット音色生き生き 「音楽は人をつなぐ力」 退職金つぎ込み沖縄通う団員も
【浦添】沖縄県内ベテラン弦楽器奏者による平均年齢75歳のカルテット(四重奏団)が元気に演奏活動を続けている。バイオリンの岳原(おかはら)恵美子さん(77)を中心にした「フェリーチェ弦楽四重奏団」。昨年11月に浦添市のアイム・ユニバースてだこ小ホールで開かれたフェリーチェ音楽教室の発表会に出演し、ハイドンの名曲などに挑んだ。(役員室・上間正敦)
同四重奏団は2009年に結成。メンバーは岳原さんの他、第2バイオリンの宮城多佳子さん(73)、ビオラの和田睦夫さん(73)、チェロの石嶺幸信さん(75)。4人とも50年以上の演奏キャリアがあり、県内外のアマチュアオーケストラで活動した経験がある。
和田さんは東京在住で、練習のため、数カ月ごとに沖縄を訪れる。「退職金をつぎ込んで沖縄に帰ってくるが、みんなと会えるのが楽しみ」と仲間との付き合いを大切にしている。
フェリーチェ音楽教室はリーダーの岳原さんの娘が主宰。発表会では、鳥のさえずりを思わせる主題で人気があるハイドンの弦楽四重奏曲第39番「鳥」に挑戦した。4人は呼吸を合わせ、生き生きとした演奏を披露した。
リーダーの岳原さんは「音楽には人を楽しませるだけでなく、(人をつなぐ)別の力も備わっている」と語り、仲間たちとの絆を再確認した様子。それぞれ年を重ね、体の不調も乗り越えながら、聴衆の前で演奏できる喜びを感じているといい、「どこまでできるか分からないが続けていきたい」と意欲的だ。
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工事強行 怒りの声 沖縄犠牲の国策許さない 陸上と海上 市民団結 辺野古で集会
陸上で、海上で、900人を超える市民が訴えた。名護市辺野古の新基地建設で、大浦湾側の工事が始まったことに抗議する12日の集会。「諦めない」「子や孫のために」。参加者たちは、決意を新たにした。(北部報道部・玉城日向子、下地広也、社会部・當銘悠)=1面参照
米軍キャンプ・シュワブのゲート前で開かれた県民集会。参加者は登壇者の力強い訴えに「よし!」と声援を送ったり、拍手したり。「沖縄を犠牲にする国策を許さないぞ」「民主主義を守れ」と声を上げ、ガンバロー三唱で団結した。
八重瀬町の沖本裕司さん(77)は「政府は県民の声に耳を貸さず、横暴を繰り返している。日本国憲法の下で、こんなことがまかり通って良いのか」と怒りを込め、「現場に行くこと。行動で訴え続ける」と語った。
新基地には反対だが、なかなかゲート前に来られなかったという名護市の30代女性。「基地で働く人が身近にいる沖縄で、意見表明するのは難しい。でも、これまで訴え続けてきた先輩たちの思いをつないでいきたい」
佐藤亜弓さん(33)は広島県から訪れた。「代執行」という言葉は、辺野古に来て初めて知ったという。「幼い頃から原爆が投下された歴史を学び、平和について考えてきた。沖縄では沖縄戦が終わっても、まだ基地問題で苦しめられている。集会で学んだことを、友人や同僚に伝えたい」と話した。
「もう基地はいらない」と手書きされたプラカードを持参する人も。米軍車両が通るたびに、運転手にも見えるよう高く掲げた。シュワブ内では、米兵らが集会の様子をじっと見つめていた。
海上でも、ヘリ基地反対協議会が抗議行動を展開した。カヌー12艇と小型船4隻に乗った市民が「沖縄の未来は沖縄が決める」などと書かれたプラカードを掲げ、「石材投下をやめろ」とシュプレヒコールした。
午前10時20分ごろ、ショベルカーが石材を次々と海中に投入し始めた。カヌーチームが、臨時制限区域を示すフロートを越えて抗議する場面も。海上保安庁のゴムボートに乗った保安官が海に飛び込んで市民らを一時取り押さえたが、その後に解放した。
「子どもたちの未来のために基地はいらない」とマイクで訴えたカヌーチームの安里邦夫さん(51)=南城市=は「沖縄の声を聞かない国は間違っている。できる限り行動に参加し、県民の一人として国の理不尽なやり方に強く抗議し続ける」と力を込めた。
(写図説明)臨時制限区域内にカヌーで入り、海上保安官に制止される市民=12日午前10時35分ごろ、名護市・大浦湾(北部報道部・下地広也撮影)
(写図説明)大浦湾の工事着手を受け、抗議集会に集まった人たち。フェンスの向こうでは米兵が警戒する=12日、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前(金城健太撮影)
沖タイ阿部岳記者とその仲間たちがひろゆき氏にボコボコされる動画。
【ひろゆき物議】座り込み抗議の実態は?沖縄基地問題を考える
12月20日発売の月刊willに『沖縄「集団自決」の大ウソ』が掲載されました。
月刊WiLL(マンスリーウイル) 2024年2月号 (発売日2023年12月20日) の目次
目次
グラビア 現代写真家シリーズ オーロラの奇跡 谷角 靖
朝三暮四 加地伸行
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