ミャンマーチーク屋さんのわが道を行く

日々の出来事と旅と愚痴と文句を勝手に語る日記。

最弱パスポート

2024-06-06 19:12:16 | つぶやき
先日、中国にはトランジット144で入国した。

144は144時間のことで、つまりトランジット扱いでマックス6日間の滞在ができるということ。でもあまり利用する人は多くないようだった。
空港でチェックインの時も「144トランジットは承知しておりますが、ここではほとんど前例がないので、少々お時間頂いてもよろしいですか…」と言われ、20分以上待たされた。中国の出国のチケットとホテルの予約確認書、本来、確認など不要なはずのタイからの出国チケットまで拝見され、しかもそういう情報を何かに記さないといけなようで、さらに上司を呼んで確認してもらったりちょっと面倒な感じだった。ようやく終わると「弊社で日本から中国に向かう方が、そもそも少ないということと、これまでの方はすべてビザを持っていたので…」ということだった。こんな感じなので、出国チケットを香港までのバスチケットでこれをやろうとしたら、一体、どうなるのだろう?

上海や北京の空港では、入国審査の列に24-144というトランジット客の列が設けられていたが、広州では隅の方の一角にそういう小部屋が設けれていて大変わかり難かった。乗ってきた便の乗客にはその手の人は誰もおらず、その小部屋へ行き20分以上待たされて、ようやく入国審査官がやってきた。威圧的な人で感じが悪く提出書類を長々と眺め、偉そうにビザシールを印刷してパスポートに張り付ける。ここまでですでに30分が経過している。ここからさらに入国審査の列に並んで入国印をもらい、荷物のピックアップに向かう。私の便の客はすでに誰もおらず、ターンテーブルも止まっていて脇にポツンと私のスーツケースだけが置かれていた。ターミナルを出るまでに50分はかかったと思う。こういうのって地味に悲しくなる。日本のパスポートは最強だとか言われているが、今や中国行きでは日本のパスポートは最弱の部類に属する。
もっともビザを取れば良いだけの話だけど…。

タイでは今月からノービザ滞在が30日から60日へ延長された。タイの経済も不況の只中にいるようで、インバウンド誘致に力が入るのは必然かもしれない。ひと昔前には、あれほどいた日本人がチェンマイでもバンコクでも、今は本当に見かけなくなった。バンコクの俗にいう日本人街なんかには、それなりにいるんだろうけれど、街中でそれらしき人には出会わなくなったなという気がする。それがめずらしく台湾からの帰国便では、ほぼほぼ満席でそのうちの8割近くが日本人だったような…。今やこういう状況が珍しくなっている。

6月に入った。
あの能登の地震から始まった今年もそろそろ半分が終わる。
地震に円安に物価高、前半はあまり明るく話題も少ないままだったような気がする。

後半はぜひ、日本にとって一発大逆転くらいのインパクトのある明るい話題が、何か一つでも良いからほしい。

大規模油田発見とか、せめて大谷の2年連続本塁打王とか…。

本塁打王はまだわからないけど、
前者はまず、ないだろうな…。




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チェンマイ、バンコクへ

2024-06-05 12:53:25 | つぶやき
広州からチェンマイへ、春秋航空で飛んだ。

これ春秋と書くのに、英語だと、どうしてスプリングエアラインとなるんだろう。秋はどこにいってしまうのか不思議だ。朝6時の便だったので、広州のホテルを4時前に出発。まだ真っ暗だしタクシーのトラウマもあったのでやや不安を引きづりながらだったが、ホテルの隣の飲食店がこんな時間でもやっていて、しかも結構な人が外にあるデーブル席で飲み食いしていた。ちょうどタクシーを止めて何か食べていた運転手と目が合い、そのまま空港まで乗せて行ってもらった。ちゃんとメーターで行ってくれて良い人で良かった。

チェンマイに朝の9時前に到着。宿に行くとチェックインは午後2時からだといわれたので、荷物を預けて、そのままバイクを借りに行った。その足で両替へ、1バーツ4.3円。1万円で2300バーツにしかならない。。昔4000バーツ越えがあったなんて、信じられないほど。円安とこの物価高でタイのモノは実質、完全に競争力を失っている。東南アジアでもベトナムやインドネシアは、タイほど物価高という話は聞かないが、タイは最近行った多くの人が、もう安くないと口にしている。
特に日本人は円安もあるから、余計にコスパが悪く感じる。ちょっと前の価格が頭から抜けきれないので躊躇してしまう。そんな事情もあるのか、ここでも「日本人の商売人、来なくなったよー」という話しか聞かない。

チェンマイでは、LINEで頼んでいたモノを昼に持ってきてもらい、午後から迎えに来てもらって鞄の工場へ。工場オーナーのおじさんの奥さんが、1週間前に亡くなったとかで、おじさんは元気なかった。夕方には荷物を送り、仕事は終了。日中、市場へマンゴーを買いに行き、剥いてもらって冷蔵庫で冷やしていたものを食べる。冷やし過もダメで、一夜明けるともう美味しくない。3~4時間後に食べるのがベストだ。この時期のマンゴーはやっぱり美味しい。

宿の話。
今回の宿、ちょっと前までの定宿だった。たしか2019年の初めの頃、前の経営者が身売りして、新たな経営者が買い取った後、そのまま改装に入った。それからすぐにコロナ禍になり、以来、ずっと閉まったままだった。昨年来た時も未だやっていなかったので、再開したばかりなのかもしれない。この宿、前の経営者が身売りする少し前、増え続ける中国人を囲い込むために看板などの文字を中国語に変え、一見すると中国人専用宿のような感じになった時があった。嫌だなと思っていた矢先に身売りしたと聞いて、もしや中国人が買い取ったのかなと想像していたが、杞憂だった。改装したとはいえ、各部屋の扉が電子ロックになったこととテレビが薄型になり、バスルームの浴槽が撤去されていただけ。あの幼児用かと思わせる低すぎるトイレの便座と給湯器型のシャワーは健在だった。無駄に広い部屋もそのままだし、最低限の改装だったみたいだ。しかしなぜかホテルの正面に小ぶりのプールを作り、そのわきにベットを置き、安っぽいリゾート感を出そうと頑張っているのが不釣り合いで痛々しかった。案の定、日中、不良欧米人が水着でベッドに横たわり、マリファナを吸って過ごしていた。
改装したのに1泊600バーツ(2580円)、以前は550バーツだったから、円安でなければ、ほぼほぼ変わっていない。朝食は食べたことがないけれど、60バーツとなぜか以前より随分、値下がっている。フロントはやる気のないタイ人姉ちゃんだし、典型的なタイのダメ宿に戻りつつある感じが逆にうれしい。これでまたチェンマイの定宿に返り咲いた。

翌朝、早起きしてタンブンをして空港へ向かう。昼前にバンコクについて、その足で1軒の店に行き、オーダーして終了。
もうタイは、こんな感じで充分。
ラインだけで行かなくても、モノは購入できそうだが、写真の掲載がアップデートされないし、やっぱりタイはまだまだアナログを引きづっている。

帰国してセントレアに着くと、なぜか騒がしい。
入国審査のところも税関のところも若い女子で大賑わい。なんでもソウルからの便に、韓流タレントのグループが到着したところらしく、同乗していたファンの子なんかかが大騒ぎしている。入管の人も税関の人も大声で注意しているのに、まったく聞かない。お目当ての黒服の男の子らが来ると、騒ぎはマックスに。一体、誰なんだろう?

おかげで税関は機能不全に…。

こんなならマンゴー大量に持って帰ってくればよかった。
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市場へ

2024-06-04 19:54:09 | つぶやき
到着日は散々だった中国。

翌日は、朝からお仕事モード全開。いろいろ変わってしまっているだろうと身構えていたが、以外にも、今まで懇意にしていた市場のお店なんかは、一部の店の場所が変わった程度でほぼほぼそのままでホッとする。市場専門の両替姉さんもすぐに見つかり、ちょっと拍子抜けだった。新しいお店やかつて利用したお店など、次から次へとウィチャットの交換を求められ、その整理に苦労する羽目に。ある程度の数の市場を回ったが、ほぼほぼコロナ禍の影響は感じなかった。中国経済は低迷中などと言われるが、市場を見る限り、一見以前と変わらずモノが動いているように見える。実際は違うんだろうけど、さすが世界の服飾雑貨の物流拠点だけはある。市場で見かけるのは、相変わらずのロシア人とアフリカ人、それにインド人とアラブ人が圧倒的。ある店の人は、元々さほど多くなかった日本人と韓国人、そしてタイ人が大幅に減ったと言っていた。

中国でもモノの価格は相対的に値上がりしつつある。でもここまでの円安がなければ許容範囲内だと思う程度。その点はタイと比べると運電の差だ。中国に来なかった4年の間も継続して仕入れをしていたが、やっぱり対面のメリットは大きい。価格交渉もできるし、そもそも写真で掲載されていない商品の方が多いわけで選択肢も広がる。それに触れるから失敗も少ない。やっぱりチケット代を出しても行くメリットはある。日本で見たことのない商品も多く、久しぶりなのもあって気が付くと夏物にもかかわらず、あっさり100キロを超えてしまった。日本も消費低迷中で、本来なら在庫も絞らないといけないのに…。

今回、もう一つの目的があった。どうしても作りたい商品があり、それを依頼するところを見つけること。中国でオーダーと言えば、基本はロット単位で、百どころか千とか万単位が一般的である。でもそれは商社や大きな会社の話で、20とか30でも作ってもらえる方法がある。当然、工場への直接オーダーはダメ。市場にある同じような商品を取り扱う店を経由する。当然、価格は工場直オーダーより値上がるはずだが、それでも思いのほか高くはならない。で、まずその店に生地屋さんに同じ生地があるか確認してもらう。そしてその店から工場へオーダーしてもらう。この方法なら同色で20枚くらいから可能だ。でも、面倒だからなのか、やってくれないところも多い。なので、まずこういう親切な店を探さないといけない。以前、コロナ禍前にやってもらっていた店があったが、この店がコロナ禍で無くなってしまっていた。(すでにウィチャットで知っていた)
予め、中国語で作成した依頼文を持参して、極力面倒にならないように用意周到に準備した。サンプルは5つ持参した。6件断られ、7件目でようやくOKがもらえた。忘れていたが、この店、以前利用したことがあり、担当者が私の顔を覚えていてくれた。しかもデポジットは500元(1万2000円)で、残りは出来上がってからで良いと言ってくれた。しかもその場で生地屋に写メを送ってくれ、しばらくすると「ありそうだ…」と連絡を受けた。さらに生地の差異を失くすため、サンプルを生地屋に送って確認してくれるとのこと。きちんとやってくれそうなところで安心する。

その後、これまでの場所から随分離れた場所で堅実なカーゴ屋さんを見つけた。発送元には何かの時、きちんと対応してくれないと困るので、担当してくれる人にある程度の誠実さを求めるから、価格だけを強調してくるところは避けるようにしている。配送代もさほど以前と変わっていない。いや、国際エアー便は安くなっている。円安で差益はほぼ吸収されてしまったが、実質値下がり傾向にある。ここでも、タイが大幅値上げしたのとは対照的だ。

中国ではキャッシュレス化が進んで外国人は困っているとの報道があった。
これはもしかすると上海とか北京なんかの話なのかも…。広東省の広州ではタクシーも個人商店も屋台的な店やコンビニも全然、現金で問題なかった。あるとすれば公共の地下鉄やバス、こういうところでは、もしかすると現金は使えないのかもしれない。

最終日、荷物を送った後、果物屋さんでマンゴーを買ってみた。海南島産、1キロ400円くらい。日本の1個分。宿に帰り、持参したアーミーナイフで皮をむいて食べようとしたが、上手にできないので、単純に割ってスプーンですくって食べた。初めての中国産マンゴー、味はまあまあ。でも、タイや先日、メキシコで食べたマンゴーに軍配があがった。

4日間いて、1日平均13キロ歩いていた。

そして、一路チェンマイへ…。


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反日 2連発

2024-06-03 20:59:06 | つぶやき
4年ぶりの中国は、悪夢のタクシーで始まった。

日本でダウンロードしたはずの中国版、配車アプリのDiDiが上手く起動せず、停まっていたメータタクシーに乗ったのがいけなかった。この4年の間にタクシーのメータがナビのモニターに組み込まれているようで、以前とは随分、仕様が違っていた。行先を言うとそのまま走り出したので「メーター」と言うと、スマホを見せられ、そこにメーターが映し出されていたので、それを勝手に本体と連動していると解釈してしまった。

タクシーの運ちゃんは30代のガタイの良い坊主頭の男。走り出してしばらくすると「ウーとか、アーとか」奇声を上げたり、膝を叩いたりと落ち着きがない。変な薬でもやっていそうな感じすらした。その後、今度はスマホの翻訳機能を使ってあれこれ話しかけてくる。「何しに来た?ホテル代はいくらだ?仕事は?などなど…」鬱陶しいことこの上ない。なかなか終わらないので、スマホのメールをしているふりをして無視していると、これを聞けとばかりに、スマホを向けてきた。

「ニホンジンハ、ナンキンデ、50マンニンノチュウゴクジンヲ コロシマシタ…」
「オマエハ、ソレヲ シッテルカ?」

何にも答えなかった。顔さえ見なかった。

すると、再びスマホを突き出してきた。

「ニホンジンハ、チュウゴクヲ、シンリャクシタ。コンドハ チュウゴクガ 二ホンヲ シンリャクスル」

チラッと運転手を見ると、ニヤニヤしていた。

それを見てゾクッとした。密室だし、逃げ場がないことが、怖さを倍増させたように思う。このまま知らない場所に連れていかれて、殺されるんじゃないかと想像した。単純に日本が嫌いな中国人はもちろんいるだろうし、中には反日思想の人もいるのも理解できる。でもこうやって直接、露骨に攻撃して来られると、どうして良いのかわからなくなる。この男は、おそらく反日思想の持ち主ではなんかではなく、単純に人を脅して楽しんでる頭の悪いクズなんだろうと思う。でもそこが、逆に何をするかわからない怖さを感じた。

その後は、何も言われなかったが、沈黙中もまた怖かった。ずっとグーグルマップの位置情報を見ていた。そしてホテルの100メートルの手前で降ろされた。そこで見せられたスマホメーターには450元(9000円)と表示されていた。普通なら130元前後(2600円)が相場だ。どんなに高くても150元(3000円)は越えない。やっぱりメーターは本体とは連動なんかしていない、イカさまメーターだった。突き出してきたスマホの翻訳機向かって「高過ぎて払えない」と言った。すると400元になった。こちらは「150元だ」と言うと大声で「F…k you!」と何度も怒鳴ってきた。外はうす暗くなってきているものの、人通りもたくさんあったので、外へ出て自分で後ろのトランクを開けてスーツケースを取り出した。男は350元で良いと言ってきた。こういう時は、もう金だけおいて逃げるしかない。人もいるから無茶はしないだろうと思い、予めポケットの中に入れてあった170元を閉めたトランクの上に置いて背を向けて歩き出した。男は最後まで大声で「F…k you!」と叫んでいたが、追いかけてくることはなかった。

歩きながらホッとしたのと同時に、ドッと疲れがやってきた。何よりとにかく無事でよかったと思った。ホテルに着くと、「部屋がメンテナンス中なので20分待って…」と言われた。ツイていない時は案外続くもの。時間が出来たので、この近くにあるコロナ前までお世話になっていたカーゴ屋姉さんの会社へ向かった。ちょっと予想はしていたが、案の定、会社は無くなり別の会社になっていた。この辺りには50件くらいのカーゴ屋さんが密集していたが、そのうちの4~5件を除くとほぼほぼロシアと中央アジア専門だった。けれど、わずかにあったロシア圏以外を扱う会社はすべて無くなっていた。生き残ったのはロシア圏を扱うところばかりだった。

またお世話になるところを一から探さないといけないと思い、すでに日が暮れかけていたが、その周辺を少し探して歩いた。少しして一本の脇道の奥に各国の国旗が書かれたカーゴ屋さんを見つけた。オフィスを覗くと中に人が見えたので入っていくと、一人の男が「ハンゴー?(韓国人か)」と聞いてきたので、「リーベン(日本人)」だと答えると、その男に「外に出ろ」と促された。男と一緒に外に出ると日本の国旗を指さして「これを見ろ!」と…。遠くからでは暗くて見えなかったが、日の丸の国旗にはマジックで「SHIT」と書かれていた。しかもその横には、「1945.8.15 japan unconditional surender(日本無条件降伏)」の文字と丁寧にポツダム宣言時(多分)の写真まで貼られていた。男は無言でオフィスに戻り扉の鍵をかけた。

なんなんだろう、この塩対応は、しかも今日まさかの2度目の反日攻撃である。呆然としてしまったが、これは記念にスマホで写しておいた。この男はもしかすると心情的に反日なのかもしれない。男の所有する会社かどうかはわからないが、わざわざ会社の看板に反日をアピールしているところをみると、限りなくそれっぽい。すっかり気が重くなり、もう何もやる気が起きずホテルに戻ると「あなたの部屋のエアコンが壊れているので部屋をアップグレードしました…」と告げられた。部屋へ行くとベッドがハートの形をしていた。部屋に入ってすぐには、ちょっと落ち込んでいたせいでベッドの形には気が付かなかったが、一度、水餃子屋さんへ夕飯を食べに行って戻ってきた時に、初めて気が付いた次第。でも気分的に落ちていたので、「連れ込み宿かよ!」と、ちょっと笑える気分じゃなかった。

これまで中国でもどこでも、こんな風に露骨に日本人を敵視する言葉を直接投げつけられたことは一度もなかった。だから正直、驚いたしタクシーの40分の間は恐怖すら感じた。幸い何もなかったから良かったけど、近年ではもっとも怖かった出来事になってしまった。

それでも久しぶりに、度々行っていた水餃子屋さんで白菜餃子ときくらげの和え物とキュウリ漬け、豆腐の皮なんかを食べると、ちょっと元気が出た。

この日はたまたま悪いことが重なっただけで、翌日からは何の不都合もなかった。中国の治安は決して悪くないし、今は特に反日運動もやっていない。
どこの国でも、良いことも嫌なことも、出会いとタイミング次第である。

でもやっぱりタクシーは、なんか怖いな…。
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