ミャンマーチーク屋さんのわが道を行く

日々の出来事と旅と愚痴と文句を勝手に語る日記。

タクシン帰る

2008-02-29 17:40:08 | 時事(海外)
首相という身分で出国し、帰国する時は民間人で、
という稀なケースを味わったタイのタクシン元首相が
晴れて帰国を果たした。

1年5ヶ月という期間、事実上の亡命生活を送っていた
わけだが、この間、英国のサッカーチームを買収するとか、
しないとか、はたまた日本では、拓殖大学で講師をやったりと、
小さな話題には事欠かなかった気がする。

さてこの人、ほんとは良い人なのか…?悪い人なのか…?
どうなのだろう…?もちろん賛否両論なのは当然だが、
実は、私も良く知らないのである。

しかし彼は、というか、彼の一族はタイでも有数のお金持ちである。
どんだけお金持ちかというと、2005年のタイの株長者番付けで、
上位ベスト5中、3人までがタクシンの親族なのである。当然、彼の
首相在任中の経済政策が、一族の資産をさらに増やすことになったのは、
タイの国民なら誰でも知っている話である。

その反面、素晴らしい功績も残している。名付けて30バーツ(約100円)
医療制度である。これは保険に加入していない農民や低所得層が、どんな
病気でも30バーツ(約100円)で診療、投薬、入院治療も可能という画期的
なもので、しかも日本の国民健康保険のような月々の保険料負担はゼロで、
その財源は酒税とタバコ税で充当されるという優れものである。
また、これには出産、各種予防接種、健康診断、エイズの治療薬から
入院時のベッドに食事なども付いていて、30バーツなのである。
日本の100円マックなど、比べものにならないほどお得なのである。

従って、未だ貧困層を中心に、彼の支持者も多いといわれている。

今後は彼曰く、「政界には戻るつもりはない…」とのことだが、現政権が
タクシン派の残党である以上、ある程度の影響力は残るようである。

いずれにしても、今回のタクシン帰国はタイの政治的安定ぶりを改めて
世界に知らしめる出来事だったと思われる。

とりあえず、タイ好きの私にとっては、めでたいことである。



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兼ね合い

2008-02-27 19:17:39 | 仕事
以下は25歳から39歳までの、
お金持ちの職種は何か?というランキングである。

■25~29歳
1位 投資銀行業務 / 577万円
2位 運用会社(ファンドマネジャー・アナリスト・ディーラー) / 544万円
3位 プロジェクトマネジャー(IT) / 525万円
4位 ITコンサルタント / 518万円
5位 コンサルタント / 517万円
6位 MR / 516万円
7位 経営企画・事業企画・新規事業開発 / 479万円
8位 臨床開発 / 477万円
9位 プロパティマネジャー / 476万円
10位 生命保険(営業) / 471万円

■30~34歳
1位 投資銀行業務 / 887万円
2位 運用会社(ファンドマネジャー・アナリスト・ディーラー) / 880万円
3位 MR / 655万円
4位 ITコンサルタント / 643万円
5位 財務 / 643万円
6位 法人営業(メガバンク・地方銀行) / 639万円
7位 コンサルタント / 638万円
8位 経営企画・事業企画・新規事業開発 / 629万円
9位 プロパティマネジャー / 613万円
10位 プロジェクトマネジャー(IT) / 610万円

■35~39歳
1位 投資銀行業務 / 1,281万円
2位 運用会社(ファンドマネジャー・アナリスト・ディーラー) / 989万円
3位 法人営業(メガバンク・地方銀行) / 826万円
4位 ITコンサルタント / 761万円
5位 経営企画・事業企画・新規事業開発 / 753万円
6位 MR / 739万円
7位 財務 / 737万円
8位 コンサルタント / 728万円
9位 プロパティマネジャー / 712万円
10位 プロジェクトマネジャー(IT) / 707万円



さすがに個人事業主、輸入業は入っていないなー。(当たり前か…)

何やら解かりにくいカタカナ業種ばかりである。しかし、どの年代
でも投資銀行業務が1位となっている。やはり金融関係が圧倒する。
そしてIT、MRと続く…。ちなみにMRはミスターではない。
エムアールである。メディカル・リプレゼンタティブの略で
医薬情報担当者のことをいう。詳しくは知らないが、医薬品の
営業みたいなものであろう。
白状するとミスターと読んだのは、20代の頃の私である。
また活造りを、かつづくりと読んだのも私である。(関係ないか…)

女性などで結婚の条件に年収を最重要視する方などは、とりあえず
投資銀行業務の男性を狙うのが手っ取り早いと思われる。

それにしても、おそるべし投資銀行系である。30代半ばで、
1000万を超えるのか。もし平社員でもこの程度、貰えるとしたら、
相当あこぎな仕事であろう。この業種の過労死率とうつ病発症率
をどこかの機関に、ぜひ調べていただきたい。
もし平均以下であれば、来世では間違いなく投資銀行系に就職を
考えたいと思う。

というのは冗談だが、仕事というのは、やはり収入だけではなかろう。
基本的には、その仕事にやりがいが見出せなければ続かないものである。
しかし、好きな仕事だから、楽しい仕事だからといって、収入はいくらでも
良いというものでも、またないのである。
実際、このあたりの兼ね合いが難しいのであるが…。


やはり仕事には、収入面を含めて夢を持ちたいものである。



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限りなく、黒に近いグレー

2008-02-26 17:47:45 | 時事(国内)
カズと言えば、長らくサッカーの選手の三浦知良だったが、
このところ再び一昔前のカズ、ロス疑惑の三浦和義が登場
している。

「ロス疑惑」…彼がサイパンで逮捕されて、久しぶりに
聞いた言葉である。若い人は知らないであろう。
私も当時は小学生だったから、事件の詳細は夫による
妻への保険金殺人くらいしか、すでに覚えていない。

この事件は、数年前にすでに最高裁で無罪が確定されており、
日本では、すでに解決済みであったはずだが、事件発生地で、
時効の存在しない米国では、未解決事件として扱われていた
そうである。1988年にはすでに、逮捕状が出ていたと言うから
ロス市警としては20年ぶりの逮捕である。素晴らしい執念である。

今後の展開はどうなるにしろ、この男三浦和義は、かなり胡散臭い
奴であることは周知の通りである。最近は、コンビ二で万引きして
捕まっている。さらに以前にも、やはり1度、万引きで捕まっている
とのことである。大の大人が2度も万引きである。
まず、出来心ではあるまい。

それに、昨年末にはニュース番組に自ら「ロス疑惑の真犯人を知っている」
などとほのめかし、ロスまでの同行取材をしないかと持ちかけている。
おそらく金に困っての苦肉の策であろうが、普通の冤罪人なら、まず
こんなことはしないはずである。

こんな奴である、先の事件でも、限りなく黒に近いグレーだった。
そういえば昔、村上龍の小説で「限りなく透明に近いブルー」
というのがあったな。(全く関係ないが…)

それにしても、サイパンの法廷の映像に、ちらっと奥様の良枝夫人が
写っていた。確か事件発覚後、1度離婚したはずだが、また復縁したの
だろうか?このへんも意外であった。

今頃本人は、おそらくサイパンに来たことを、相当後悔している
ことだろう。

せめて、沖縄くらいにしておけばよかったのに…
(そういう問題ではないが…)


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数字で計れないもの

2008-02-25 17:41:03 | つぶやき
以下は、私が生まれた1年後、1970年(昭和45年)
当時の日本の物価である。今から37年ほど前になる。
時代は高度経済成長期真っ只中、ちなみに当時の
平均月収は、およそ3万3,000円、だったそうである。

商品名          昭和45年      現在    

うるち米(10kg標準価格)  1,600円     4,320円  
鶏卵(1kg中玉)        190円      228円
カレーライス(外食)     150円      645円

テレビ(13インチ)      10万円      2万円   
洗濯代(ワイシャツ1枚)    66円      290円
銭湯入浴料(大人)38円    38円       372円
理髪代            550円      3,685円

航空運賃(東京→大阪 片道) 7,000円     14,000円
国立大学授業料       12,000円      50万円
私立大学授業料        12万円      104万円
映画観覧料          460円      1,800円
プロ野球観戦料      
(後楽園と東京ドーム 指定席) 650円      4,800円
ボウリングゲーム代       300円      630円
特急列車、指定席料金 
(JR 200kmまで)        600円      2,280円     


テレビは37年前と比べて、5分の1に値下がりした反面、
大学の授業料は、かなり高くなっている。また、卵の値段
などは、それほど変わっていないようで、昔は高いもので
あったことが伺われる。

当然だが、現在は当時と比べると所得も上がり数字だけみれば、
格段に豊かになったはずである。反面、当時の方が街には活気
があり、人々には夢も希望もより多くあったはずで、今よりも
果たして豊かな社会と言えるのかどうか、少々疑問であるが…

このように、数字だけでは計れないものが、たくさんあるような
気がしている。


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撮り鉄

2008-02-24 18:18:14 | つぶやき
ブルートレインと言えば、遠距離を結ぶ寝台特急列車のことで
文字どおり、青い車体の色からそう呼ばれている。
ブルートレインは、昔から鉄道旅行マニアの憧れの的てき
な存在であった。しかし近年、新幹線の整備、航空機の
低価格運賃、そして格安夜行バスなどの影響により利用者が
激減し、徐々に廃止される方向に向かっている。

そんなこととは別に近年、鉄道マニアがクローズアップされ、その名も
「鉄」などと呼ばれ、テレビドラマの題材として用いられたりして、
徐々に市民権を得てきているような気がしている。

そんな私も、小学生の高学年の頃、短い間だが友人の影響もあって何度か
鉄道写真を撮りに行ったことがある。今で言う、「撮り鉄」である。
そんなに一生懸命ではなかったから「プチ撮り鉄」とでも言おうか。
ちなみに乗ることが好きな方々を「乗り鉄」などと言うのだという。

当時、埼玉県に住んでいた私は友人と始発電車に乗り、まず東京、上野駅へ。
ここで東北や北陸から戻って来るブルートレインを撮るのである。その後、
日中は特急や急行列車の写真を撮り、夕方からは場所を東京駅へ移し、九州や
山陰へ向かうブルートレインを撮るのである。当時は、まだ国鉄時代で、
今よりもずっと在来線の特急列車やブルートレインの本数が多かった時代である。
大人たちの撮り鉄に邪険にされながらも、小さな体で撮った下手くそな当時の
鉄道写真は、今でも実家の押入れの中に眠っている。

国鉄からJRに変わり、航空機や新幹線や高速バスやマイカー旅行などに押されて、
かつては青い流れ星と称された寝台特急列車も、最近では昔の華やかさはなく、
札幌行き「北斗星」など超豪華列車を除けば、多くのブルートレインは、今では
ただ細々と走っているだけの印象である。
そう考えると、ブルートレインは、まだまだ航空機や高速道路を使って旅行する
ことが、それほど普及していなかった時代の、古き良き時代の産物なのかもしれない。

列車の寝台に腰掛けて、発車ベルの音に合わせてプシュッと
缶ビールの栓を抜く。後方へ流れていくプラットホームの上には
一日の仕事を終えたサラリーマンたちがネオンサインをバックに
ほろ酔い気分で電車を待っている。そんな都会の夜の風景を眺めながら
食事を終え、一晩を列車の中で過ごした翌朝、窓のカーテンを開けると
朝日の中に学生服やセーラー服を着た高校生たちの一団が目に飛び込んで
くる。まさに夜から朝へのタイムトラベルである。

というのが、私の想像するブルートレインの旅の風景である。というのも
私は日本で寝台列車というものに1度も乗ったことがないのである。

おそらく、こういう旅情は航空機や新幹線では絶対に味わえないだろう。

しかし、今後も新幹線網の整備がさらに進み、リニアモータカーも
予定される中、これらのブルートレインもまた、かつての蒸気機関車のように、
完全に消えていく運命にあるのかも知れない。



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台湾

2008-02-23 19:28:28 | つぶやき
本日の東海地方は、天気のフルコースであった。
朝方は曇りで、昼前から晴れ間が見え、午後になると
一転して雪になり、その合間に雨もちらほら…という
感じであった。

東京では春一番が吹いたそうだが、このところ続いた
ぽかぽか陽気から一転、また寒気に覆われて、冬に逆戻りと
なるようだ。それでも先日、この時期の名物「花粉」も
飛び始めたそうで、確実に春が近づいてきているのは、
確かなようである。

そんな日本から、飛行機で飛ぶこと3時間半。南国、台湾のこの冬の
異常気象には、地元の人々も大変びっくりだったようである。
本来、亜熱帯であるはずの台湾だが、この冬、各地で最低気温を記録
したそうだ。北東部と北西部の一部の山で雪が降り、台北近郊でも
あられが降るなど、とても亜熱帯とは信じられない気候だったという。
また、例年にない寒さのため、各地で心筋梗塞や中風の患者が続出し、
なんと、泥酔者が凍死する例も出ているようである。

台湾は沖縄のさらに南に位置するはずである。と言うことは、沖縄でも
そのうちに雪が降る可能性があるということだろうか…?
温暖化現象とは、ただ単に温度が高くなっていくだけでなく、冬は冬で
気温が下がるのだろか…?

まぁ、そういう難しいことは、後ほど石原良純に聞くことにして、
(あれっ、彼は天気予報士か…?温暖化は専門外か?)
そんな涼しくなっている台湾に3月頭、急遽、行くことになった。
台湾は12年ぶりである。

台湾を最後に訪ねたのは、1996年3月、台湾が初の総統直接選挙を
行なっていた最中である。当時、それに中国が猛反発をして、台湾に
向けてミサイルの発射実験を行い、米軍が台湾海峡に空母を派遣する
といった時期でもあった。台北市内の各地では、中国に対する
抗議デモや集会が行われていて、五星紅旗が焼かれている場面に何度も
でくわしたのを思い出す。

あの頃とは、いくぶん状況が違っている現在だが、2000年頃までは、
勢いのあった台湾経済もこのところ停滞気味だそうで、GDPもすでに
韓国に抜かれ、年々、国交してくれる国も減るばかりで良い話は
あまり聞かない。

そんな台湾であるが、どのように変わったのか、ちょっと楽しみにしている。

しかし何の因果か、台湾は、先日から総統選挙期間に入ったようである。


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安定感

2008-02-22 18:22:55 | スポーツ
先日行われたサッカー、東アジア選手権の対中国戦の試合は
さすがにひどかった。主審が北朝鮮人ということもあり、露骨な
中国寄りの判定が目立ったほか、日本人選手がとび蹴りを受けたり
と、中国代表チームのサッカーは、まさに「少林サッカー」を地で行く
ノリであった。

このような国で今年、オリンピックが開催されようとしているのである。
あのようなモラルの下で、本当に大丈夫なのだろうか…?

ちと話がずれたが、そんなサッカーの話をひとつ。
先日、デロイトがまとめるフットボール・マネー・リーグで、
各サッカークラブの、昨年度の収入番付が発表された。

それによると、1位は皆が知っている、レアル・マドリッドの
なんと(約503億円)。3年連続で首位の座を守っている。
かつてはベッカムも在籍していた。

2位はマンチェスターUで4位から2位に浮上して(約452億円)。
以下、バルセロナ、チェルシー、アーセナルと続く。

上位20位はすべてヨーロッパのクラブで占められ、前年度比11%
の伸びだそうだ。このような収益規模からすると、日本のJリーグなどは
微々たるものであろう。そうでなくても、日本のサッカー選手の給料は、
相当に安いと言われている。まぁ、日本でスポーツと言えば、まず野球
なので致し方ないのかもしれないが…。

それにしても、不況突入への予感がそこはかとなく漂うこの頃だが、
サッカー・ビジネスは根強いファンに支えられた安定感があるようだ。

やはり、景気に左右されないビジネス。
 
うらやましいなー。(比べてどうする)



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権力

2008-02-21 19:02:36 | 時事(海外)
米紙ワシントンポストの週末マガジン・パレードが
今月17日、世界最悪の独裁者ベスト20を発表した。

パレードは毎年、「世界最悪の10大独裁者」の順位を
発表しており、今年も米国務省や人権団体やアムネスティー、
そして国境なき記者団などの資料や情報をもとに、人権虐待、
指導者の統治による住民の苦痛水準、指導者の絶対的な
権力の程度などを、総合的に評価してランク付けを行って
いるそうである。

以下が、今年2008年度、最悪の独裁者ランキング
ベスト10である。

1位  金正日総書記           北朝鮮
2位  オマル・アル=バシール大統領   スーダン
3位  タン・シュエ 議長        ミャンマー
4位  アブドゥルアズィーズ国王     サウジアラビア
5位  胡錦濤 国家主席         中国
6位  ロバート・ムガベ大統領      ジンバブエ
7位  アリー・ハーメネイー師      イラン
8位  パルヴェーズ・ムシャラフ大統領  パキスタン
9位  イスラム・カリモフ大統領     ウズベキスタン
10位 イサイアス・アフェウェルキ大統領  エリトリア

カダフィーやカストロは、もはやベスト10には入らなくなっている。
これも時代の流れだろうか。金正日の1位は当然であろう。
5位の中国、胡錦濤国家主席が独裁者とは…、となると中国の
国家主席は自動的に、独裁者と認定されるということなのか…?

退任後も院政を敷こうとしているプーチン大統領もある意味
独裁者の要素を多分に持っているような気がするのだが…

巨大な権力を一度手にすると、やはり人は変わってしまうのかな…?




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オネリアおばさん

2008-02-20 20:28:07 | 旅行(海外)
「キューバのカストロ議長が引退表明」
という記事が、本日付の朝日新聞の一面を飾っている。

「正式に引退か、実は院政か」と、実のところは不明だが、
確実に20世紀の革命家の終わりは、近づいているようである。
チェ・ゲバラと共にキューバに社会主義革命を起こしてから
すでに半世紀が経つ。最大の援助国、ソ連が崩壊した後も、
わずかにドル所有などのささやかな自由を許した程度で、
現在まで、ほとんど改革らしい改革を行わずにやってきている。

現在、名ばかりの社会主義国はいくつか存在するが、実際に
未だ計画経済で、配給制を残しているのは、キューバくらいでは
ないだろうか?

そんなキューバを訪れたのは今から11年前になる。メキシコで
当時すでに60を過ぎた日本人おじさん旅行者と偶然出会ったのが
きっかけであった。詳細は長くなるので省略するが、このおじさんの
元恋人であるキューバ人のおばさん宅を紹介され、そこに暫く滞在
することになったのである。

おばさんはオネリアといって当時50歳。職業は元教師で
当時はレストランのウェートレスであった。月収およそ7ドル。
2間のアパートに、犬と暮らす独身女性であった。私はそのアパート
の一間を借りて、3週間ほど滞在させていただいた。

そこから見えたものは、極度の物質的な貧困である。彼女の
配給手帳には、コーヒー、砂糖、食用油、タバコ、パン、そして
わずかな野菜などが記入されていた。それらは一応定期的に
配給されていたようだが、肉や魚はめったに、支給されることは
ないようだった。また、シャンプー、石鹸、歯磨き粉、そして洗剤
などは常に事欠いていた。

ドルショップに行けば、いわゆる西側の商品と呼ばれる物のいくつかは
手に入ったが、キューバペソで買えるものはほとんどなく、国営デパート
には、我々の感覚からすると、閉店セール後かと間違えるほどの
品揃えであった。

しかし、キューバの人々は音楽や踊りが好きで、まさに陽気な
ラテン系気質そのものである。そういう部分からも、いわゆる
社会主義国にありがちな街に漂う暗さというものをあまり感じさせない
雰囲気があった。南国であるということも一因だと思うのだが、
一見すると幸せな社会のようにも見えるのである。

オネリアを通じて、キューバ人との出会いはたくさんあったが、
なにせ言葉が通じないので、人々がこのような暮らしについてどう
思っているのか、よくわからなかったのが実情である。

しかし滞在中、一度だけオネリアが「フィデルは(カストロはこう
呼ばれている)スイスの銀行にたくさんのお金を持っている」と言っていた。

それがどういう意味だったのか、正確には判らない。しかし人々はアメリカへ
亡命し、その後、財を成した同胞の成功談も皆知っており、そんなことからも、
ある程度の変化は期待しているようでもあった。

キューバを出国する直前、洗濯して干しておいた、ストライプのカラフル
なトランクスのパンツを譲ってほしいとオネリアに言われた。それは、結して
変な意味ではなく、現実的にそのものがほしかったのがすぐにわかったので、
あまり深く考えずに差し上げた。

滞在最後の日、オネリアはそのパンツを履いて、家の外に出て見送ってくれた。
その姿は相当に格好悪く、もし日本だったら変態とも思える姿だが、本人は
とても満足そうであった。

キューバというと、今でもそのおばちゃんのパンツ姿を思い出す。


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ベストな客

2008-02-19 16:16:33 | 旅行(海外)
旅行サイト大手のExpedia.deがヨーロッパのホテルを対象に
観光客をランキングしたアンケート結果を発表している。
いくつかポイントを絞って見てみると…

まず、日本人はおとなしくて上品な観光客だと
いうことを示すランキング。

上品な旅行客
日本人 20%
ドイツ人 12%
アメリカ人 11%

不平が少ない
日本人 26%
中国人 8%
オランダ人 5%

静かで控えめ
日本人  39%
中国人 9%
スイス人 8%

と、この辺りはダントツで日本人がトップである。しかし、中国人もランクイン
しているところを見ると言葉ができないことが、おとなしさの一因かもしれない。

一方、評判がかんばしくないのが、イギリス人である。

下品
イギリス人 13%
ロシア人 12%
中国人 8%

部屋をちらかす
イギリス人 14%
中国人 13%
アメリカ人 12%

不平が多い
アメリカ人 27%
ドイツ人 15%
イギリス人 12%

うるさい客
イタリア人 22%
アメリカ人 20%
イギリス人 16%

服装がださい
アメリカ人 30%
イギリス人 15%
ドイツ人 7%

というわけで、アメリカ人とイギリス人の服装がださいというのには
思わず納得であるが、個人的には、ここにオージーも入れたいところである。
イタリア人がうるさいというのにも笑ってしまう。
では一方、おしゃれな観光客はというと…

おしゃれ
イタリア人 41%
フランス人 13%
スペイン人 6%

イタリア人がダントツで、フランス人が続く。これも納得か。

こんなランキングもある。

現地の言葉を使おうとしない
フランス人 33%
イギリス人 14%
イタリア人 7%

なんとなくだが、これにも思わず納得できる。
というわけで、長くなったが、以下が総合ランキングである。

世界のベスト観光客
日本人 65%
アメリカ人 21%
スイス人 18%

と、日本人はダントツで評判がよい。アメリカ人はださくても、
金使いの良いところが高感度アップにつながっているそうである。

世界のワースト観光客
フランス人 29%
インド人 19%
中国人 18%

イギリス人が出てこないが、なぜかフランス人がダントツでトップ。
調査元がExpedia.deというドイツの会社だからかもしれない?
インド人が唐突にここに顔を出してきているが、これにも納得である。

「日本人はお金は出すが、不平は言わない」ということで、評判は非常に
良いのだが、ちょっとなめられているような気がしなくもない。
上品であることは良いことだが、言うべきことは絶対に言うべきである。



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