ミャンマーチーク屋さんのわが道を行く

日々の出来事と旅と愚痴と文句を勝手に語る日記。

行ってきまーす

2008-04-21 18:44:58 | つぶやき
明日からタイに出張するのだが、いつも決って
出かける前に「あれがない、これがないと」
慌てることになるのが常である。

着替えと洗面具の他、目覚まし時計、電卓、量り、
ノートにペン類、携帯電話、そしてホテル室内用サンダル、
以前はこれに、洗濯ロープ、バスタオルも持参していた。

この辺が貧乏旅行者のなごりだが、最近は泊まるホテルも
3000円代くらいにグレードアップをしてるので、貧乏旅行者
アイテムは減り、めっきりスリム化している。

それでも、未だランドリーサービスは使ったことが無く、
洗面所を使い、備え付けの石鹸で自ら洗濯している。
このへんも貧乏臭いが、どうしても昔取った杵柄が邪魔して
頼めずにいる。

たぶん50になってもそうなのだろう…。

しかし、せめて清潔感だけは失わずにいたいと思う今日この頃である。


まぁ、何はともあれ行ってきます。

また、帰国後にお越し下さいませ。


























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アイデンティティー

2008-04-19 18:21:25 | 時事(海外)
結婚記念日の夜、中国、浙江省に住む張さんは、
結婚したばかりの夫が、バラの花束を送ってくれる
ことを期待していた。

しかし夫がバラを用意していないと知って大激怒。
一緒に行ったレストランで「なんてロマンのない男」とののしった。
その言葉にカチンときた夫「そんなにバラが欲しいならやるよ!」
と言い残し、レストランを出て行った。

数分後に現金6万元(約90万円)を携えて戻ってくるなり、
張さんに「100元札を折り紙にして作ったバラを全てプレゼントする」
と言い出した。

確かにバラが欲しいと言っていた張さんだが、現金がもらえると
知って大興奮。結局、3時間以上かけて6万元全てを使いバラを作った。

ロマンはないが金はある。そんな夫も悪くない、というのが
現在の中国である。

中国人が金持ちになると、このように品のない使い方をするのである。
(全ての中国人ではないだろうが…)
これからはこんな中国人がどんどん増えるのかもしれないと思うと、
末恐ろしい気がする。

前回タイに行った時、とあるカーペット屋さんに入った時のこと、
出てきた、ターバンを巻いたインド人かパキスタン人のオーナーらしき
人が「アーユー、チャイニーズ?」と一言。
「ノー」と答えると、すぐさまずこずこと肩を落としたように、
引き下がって行くではないか…。

思うにそれは、この店で買い物をする人の多くが、中国人だからではないのか、
中国人だったら買ってくれるのかもしれない、という淡い期待があのような
行動に出たのではないか、と言う気がして仕方なかった。
単なる勝手な思い込みかもしれないが…

数年前までなら、間違いなくこれが、「アーユー、ジャパ二―ズ」だったはずだ。

しかしもう、そんな時代なのである。

個人的には、この方が付きまとわれないで済むし、ゆっくり見られるので
良いという思いもある。しかし、日本経済が絶頂期の80年代後半から
アジア往来を繰り返している身からすると、このようにいざアジアにおける
日本の地位転落を目の当たりにすると、正直、寂しく感じる。

特に愛国心も無く、アイデンティティーさえ希薄な私でも、こんな時に
やっぱり日本人だったのだと強く感じる。

しばらくの間は、海外だけでなく国内においても中国人の羽振りの良さを
見るにつけ、そんなふうに思うのかもしれない。



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暗闇に提灯

2008-04-18 17:01:43 | つぶやき
米国で、実際に使用されていたナンバープレートを
リサイクルして、細部に斬新なアイデアを取り入れ、
さらに有名なアーテイストのイラストを用いて作られている
ロハスなバックがある。

その名も「プレートバック」。

日本では、一部の百貨店などでしか取り扱いがなく、名古屋での
常設店は先日、名古屋、アスナル金山にオープンした、
「アスパラ名古屋店」が始めてとのこと。こんな小さな店に置いても
良いのか、というような感じだが、友人のツテというのは時に大変
ありがたく、また心強いものである。しかし、どんなすばらしい商品も、
結局は生かすも殺すも、販売する店次第であろう。
そう心得たいところである。

また、本日は、わざわざ東京から友人が訪ねて来てくれた。
会うのは約2年ぶりである。この友人とは、20世紀の終わりの頃、
ニュージーランドのセーター屋さんで少しの間アルバイトをしていた頃の
先輩である。彼女は当時、ワーキングビザで働くその店の社員であり、
またその店のトップセールスレディーでもあった。
当然、日銭稼ぎ感覚の私などとは、仕事に対する心構えが決定的に違っていた。
こちらとしては、そのようないい加減な気持ちを必死に隠そうと、
表向き一生懸命やるふりを取り繕っていたのだが、後で聞いたところ、
どうやら完全にバレていたようである。私のアカデミー賞張りの演技を
見抜くとは、なかなか人を見る目は確かなようである。
そんな彼女も数年後には帰国して、今は結婚もし、今年の夏には赤ちゃんが
生まれるそうである。ぜひ、無事に元気な赤ちゃんを産んでいただきたい。

この頃は、1日があっという間に過ぎていく。歳を重ねれば重ねるほど
時間の経つのが早く感じるもの,とは良く言ったものだが、子供の頃は、
自分が大人になる日などは、永久に来ないように感じていた。
それが、20歳を超えた頃から加速しはじめ、30を超えたらすぐ50、
てな感じである。
時々、そんなことに、ふと不安のような感覚を覚えるのだが、そんな時、
昔の友人と久ぶりに話すと、暗闇に提灯を見たくらいのささやかな安堵感を
覚えるものである。

きっと、友人とはそんなものなのだろう。


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不安定

2008-04-16 17:13:42 | つぶやき
未だ、ホームページがご覧いただけず、
お取引先の皆様には大変ご迷惑おかけしております。
明日には、復活すると思いますので、今しばらく
お待ち下さいませ。

このところ、満足なお休みが取れず、まさに貧乏暇なし状態の私。
このまま来週タイへ出張せねばならず、日に日に衰える
体力が持つのか、自分ごとだがちょっと心配している。
そう言えばタイは今、1年で一番暑い時期だったような…。

なんだか、空調の効いたオフィスの中での仕事がうらやましく
なってきた今日この頃である。

ここに、「新小学1年生の将来就きたい職業」アンケートというのがある。
  
まずは、男の子がなりたい職業
1位 スポーツ選手、30.2%
2位 消防士、6.8%
3位 運転手・士、6.7%
4位 警察官、5.8%
5位 職人、5.0%
6位 パン・ケーキ・お菓子屋、4.6%
7位 パイロット、4.0%
8位 TV・アニメのキャラ、3.3%
9位 医師、3.1%
10位 学者・教授、2.9%

そして、女の子がなりたい職業
1位 パン・ケーキ・菓子屋、30.9%
2位 花屋、12.8%
3位 芸能人・タレント、6.9%
4位 看護士、6.4%
5位 教員、5.7%
6位 保育士、4.3%
7位 医師、3.7%
8位 美容・理容師、2.9%
9位 ピアノ教師、2.2%
10位 ペットショップ、トリマー2.0%

なんだか夢があるなー。

ちなみにこちらは、男の子の親が就かせたい職業である。

1位 公務員、19.9%、92年調査開始以来首位
2位 スポーツ選手、16.7%
3位 医師、9.8%
4位 会社員、8.5%
5位 消防士、4.5%

そして、女の子の親が就かせたい職業は…
1位 看護師、14.4%
2位 公務員、8.6%
3位 保育士、8.1%
4位 教員、7.8%
5位 医師、7.7%

やはり現実的である。安定した職業に就かせたいという親の思いは、
一方で、子供から夢を奪ってしまう危険性をはらんでいるような気もする。

確かに安定した生活を目指すべきであろう。しかし、何も最初から安定して
いなくても良いのではないのか?
始めは不安定でも、少しずつ安定する方向へ持っていくところに、
やりがいや、達成感があるのであるのではないか。

そこで、あえて声を大にして言いたい。

「不安定ごときが怖くて、夢なんて叶うわけが無いのである」

しかし、そんな私は38歳にして未だ、不安定の中にいる。
これもまた現実である。









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蝦ワンタンメン

2008-04-14 18:01:44 | 時事(海外)
HPドメインの支払いの更新を、ついうっかり忘れており、
現在ホームページをご覧になれません。
大変、ご迷惑をおかけしておりますが、復旧までに
今しばらくお待ちください。

昨日は、友人たちと遅くまで、手羽先屋で談笑し、
話は、先日出した新店舗の商品構成へ…。
未だ発展途上にある新店舗の商品構成。なんとか彩を付けるために、
この友人のツテを生かし、某デパートのみで販売されている、米国産の
リサイクルなカジュアルバックをうちで委託販売しようということになった。

本当に販売までこぎ着けられるのかわからないが、もし可能であれば
大変面白い商材である。販売価格が高いのでそうそう売れるものでは
ないだろうが、ぜひやってみたいところである。

日本経済もすでに、ゆるやかな景気低迷に陥っているようで、消費も
縮小していると聞く。先日も、買い物に行った際、いつも購入する
パスタの値段が値上がっていた。いつもなら4~5個まとめて買うところを、
つい2つにしてしまった。
昨今の物価の高騰を実感した瞬間だった。

話は飛ぶが、昨年のマカオのGDPがついに3万6,357米ドルとなり、
香港やシンガポール、そしてついに日本を抜いて、アジアで最も裕福な
地域となったそうである。マカオは国ではないが、地域別に数字だけで
見るとすでに日本を追い越している。ある意味、アジアで最も豊かな、
という日本の地位が崩れた瞬間でもある。

マカオの場合、カジノの成功がこの背景にあるようで、本土の金持ち中国人
を取り込み、カジノ全体の収益もすでにラスベガスを越えているそうである。
しかし、現実の市民生活は、統計数字が表す姿とはかけ離れているようだ。

昨年の物価上昇率は9.5%とすさまじく、大衆レストランでの朝食は、
香港なら20HKドル(約262円)強でメニューも豊富だが、マカオでは
ワンタンめん1 杯で30マカオパタカ(約375円)以上するという。
庶民の収入が物価上昇に追いつかないのだろう。

中国返還前までは、騒々しい香港からフェリーでマカオに着くと落ち着いた
ものである。週末こそ、香港からのカジノ詣での客で賑ったものの、平日は
ひっそりと寂れていた印象がある。物価も香港より、ずいぶん安かった
記憶があるが、飯は香港より不味かった気もする…

まだマカオが、ポルトガル領だった頃の話である…。

ちなみに香港の確か油麻地と佐敦の周辺だったか?に蝦雲呑麺
(えびワンタンメン)の屋台群がある。この屋台群のえびワンタンメンは、
ほんとうにおいしい。価格と内容のコストパフォーマンスが素晴らしく高く、
私は、これを食べるためだけに香港に行きたい程である。

そして未だ、ここのえびワンタン以上に美味しい蝦ワンタンメンに
出会ったことがない。

香港にお出かけの際は、ぜひ一度、お出かけください。
2杯目は汁なし蝦ワンタン麺がお薦めです。



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割り勘夫婦

2008-04-12 18:49:09 | つぶやき

「早く4元(58円)出せよ!」今どきのファッションに身を包んだ
男性が、そばにいた美女に向かって手を伸ばす。
美女はむすっとしたまま財布から取り出し1元札を4枚取り出し、
男性の手にねじ込んだ。

中国、福州市のある婚姻登記所。離婚手続きにやってきた27歳のカップルは、
8元(116円)の手続き費用も“割り勘”で支払った。

結婚した時に、生活費はすべて割り勘にしようと決めた二人。
最初はうまくいっていたが、昨年初めに夫の母親が病気になった際、
妻が治療費を渡すのを拒んだことが原因で二人は一時期、冷戦状態に。

その後、妻は妊娠したが、残念ながら流産。退院した妻に、夫は入院費から
ティッシュ1箱の費用まで「お前も半分出せ」と言ってきた。
それから2人の仲は完全に決裂し、一つ屋根の下に居ながら食事も別々、
何か費用が発生する度にけんかになる日々が続いていた。

「結婚して2年、まるで独身生活のようだったわ」ぶぜんとつぶやく妻に、
「オレもだ」と答える夫。

実話である。

夫婦には、様々な形があって良いと思うが、さすがにここまで来ると、
当然の結果というような気がする。しかし夫婦間でも、案外お金のことは
デリケートな問題なのかもしれない。私自身は共有財産という認識なので、
どちらか一方のお金ということはないように思うのだが、結婚前の貯金や
それぞれの親からいただいたものがあるなどした場合は、それぞれが個別に
管理するべきなのではと思う。

まあ、割り勘するならほどほどに、たまにはおごったり、おごられたり
でいんじゃないでしょうか?


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誤解と偶然

2008-04-11 15:43:23 | 時事(海外)
オリンピックの聖火リレーが、世界のあちこちで
妨害にあっている中、昨日ダライラマ14世が日本に立ち寄り
記者会見を行った。なんだか、法衣をまとっていなければ、
国際的感覚を持ち合わせた、インテリだが、気さくなおじいさん
といった感じで、おおよそチベット仏教の活仏というイメージからは、
程遠い印象であった。

夜のニュース報道では、ダライラマの記者会見の模様の後、
中国政府のコメントが流れたが、こちらはダライラマの
発言を一蹴するのみで、両者が対話の席に着くことの
難しさを物語っていた。

全く、人権の無い国が経済大国になるなんて末恐ろしいことである。

話は変わって…

以下は中国、天津の新聞、「海峡都市報」が数日前に報じた珍事件である。

深夜3時の天津の街をタクシーは走っていた。
乗客は時代劇のような昔の服装を着た女性。声をださずに、
行き先を指で指し示す。「気味が悪いな」と思いつつ、運転して
していると徐々に不安がこみ上げてきた。墓地近くの細い路地に
差し掛かったとき、恐怖が一気に頂点に。思わず急ブレーキをかけ、
横をみると、女性の顔は血まみれに……。
すぐに運転手は車を捨て駆けだした。

夜遅くまでの演劇会に疲れ切り、声もすっかりかれてしまった。
着替えるのも面倒でタクシーに乗り込み、行き先を指で指示する。
かばんに入れていたケチャップを手にした瞬間、急ブレーキ。
思わず握りしめた圧力で、ケチャップは顔に飛び散った。
何が起こったかと、運転手を見ると、悲鳴を上げて駆けていく。
すっかりおびえた彼女は警察へ通報。

連絡を受けた警察が現場に向かう途中で、挙動不審に走っていく男を確保。
「幽霊がでた」と騒ぐ運転手とともに車の場所へ…と、いう話である。

案外、このように怪談話は、誤解と不安と偶然から生まれるのかもしれない。

同じように中国とダライラマとの対話も、誤解と不安と偶然から
生まれることを願いたい。



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松下幸之助

2008-04-10 15:29:36 | つぶやき
松下幸之助と言えば、立派な人である。

貧しい農家の8人兄弟の末っ子に生まれ、4才の時、
父親が米相場で失敗し、先祖からの土地や家を全て失う。
小学校を中退し大阪に奉公に出た後、父が病死、母は再婚し、
会えなくなる。16才で現在の関西電力に入社、7年勤務の後、
妻とその弟と3人でソケットを開発。 1918年「松下電気器具製作所」創業。
その後、松下グループを作り上げ、家電製品の普及に貢献した人物である。

そんな立派な人が残した名言がいくつかある。
(最もその多くが、商売に関することだが…)

経営というものは天地自然の理にしたがい、世間大衆の声を聞き、
社内の衆知を集めて、なすべきことを行なっていけば必ず成功するものである。

無理に売るな。客の好むものも売るな。客のためになるものを売れ。

一方はこれで十分だと考えるが、もう一方はまだ足りないかもしれないと考える。
そうした、いわば紙一枚の差が大きな成果の違いを生む

売る前のお世辞より売った後の奉仕、これこそ永久の客を作る

思ったことが全部実現できたら危ない。3回に1回くらいがちょうどいい。

悩みはあって当たり前。それは生きている証であり、常に反省している
証拠でもある。

素直な心で見るということがきわめて大事だ。そうすれば事をやっていいか
悪いかの判断というものはおのずとついてくる

我々人間は、決めなければならないときには決めなければならない。
勇気をふるって決断をしなければならない。

「知恵ある者は知恵を出せ、知恵無き者は汗を出せ、それも出来ない者は去れ」
を聞いて、彼はこれを否定した。
 そして、「先ず汗を出せ、汗の中から知恵を出せ、それが出来ない者は去れ」、と。
知恵があってもまず汗を出しなさい。本当の知恵はその汗の中から生まれてくる
ものですよ、ということや。

なるほど…すばらしい名言である。

私の汗なんて、主に冷や汗と無駄な汗である。そして、かいた汗から生まれてくるのは、
主に疲労感だけである。もちろん時々は、知恵も働くが、ほとんどが悪知恵ばかりで
それも皆、サルの浅知恵程度である。

と言うのは冗談だが、これらの言葉は、たとえ業種が異なっても全てに通用する、
ビジネス用語と言えよう。

心にとどめて置きたい言葉である。



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魅せられて

2008-04-08 08:10:20 | 
医療や学問の水準を向上させるための開放は認めるが、
国づくりの基本は伝統と仏教思想に基づくものとしたい。
そして、観光客をたくさん受け入れて外貨を稼ぐよりも、
自分たちの穏やかな生活を守りたい。
そんな国づくりを進めているのがヒマラヤの小国、
ブータンである。

同国を知るための格好の本「ブータンに魅せられて」が、
岩波新書から出ている。

著者の今枝由郎氏は、フランスを拠点にチベット仏教を研究する学者で、
1981年から1990年までブータン国立図書館の顧問として滞在し、
国の変化をつぶさに見てきた経験を持つ。
エッセイ風ではあるが、学者ならではの観察眼にあふれており、
情報の少ないブータンの今を知るための最新のリポートにもなっている。

ブータンといえば「国民総幸福」(GNH)という概念で知られるが、
この本ではその概念、またベースとなる思想について、わかりやすく
教えてくれている。またブータンが抱える民族問題とされるネパール系
住民の難民問題についても、一般的なマスコミの報道(住民への迫害など)
とは違った見方を示している。

「国民総幸福」(GNH)は経済規模の拡大だけで全てを計ろうとする
発展一辺倒への反面的な理論であるが、その基盤となってきたのは、
この国の国王親政であり、ほとんどの国民が信奉する仏教思想であった。
そこに今、議会制民主主義という新しい要素が加わろうとしている。
人口60万人程度の小さな国ではあるが、そこで行われている実験は
きわめて大きなものである。(しかし、小国であるゆえ注目度に欠ける)

また、著者がどうやって鎖国を行っていた国の、国立図書館の顧問に
なれたのか。学者の執念というべきか、この辺も読み応えがあるように感じた。

ブータンに興味のある方はもちろん、秘境と呼ばれる国に関心のある方
にお薦めの1冊である。

現在、観光でブータンを訪れようとすると、1日あたり一人200米ドル近く
かかる国である。5日なら単純に1000ドルもかかってしまう。
お金さえ払えば、誰でも行けるが、その価格ゆえ尻込みしてしまう国である。

そういう私も、インド側からビザなしで入れるブータン領のプンツォリン
という国境の街で2泊し、記念に散髪をしてプチブータンを味わっただけで
未だ正式に入ったことが無い。いつかは…と思うが、やはり高額なので
二の足を踏んでしまう。だからといってこの制度を廃止すれば、隣国である
ネパールのように、大量の観光客流入による環境破壊、治安の悪化、
貧富の差の拡大など、様々な社会問題が起こり、やがては文化や価値観の崩壊に
繋がってしまうのだろう。どうせなら、そんなブータンの姿より、伝統文化の
色濃く残る現在の姿を、お金を払ってでも見る価値があるような気がしている。



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援助

2008-04-07 17:41:52 | つぶやき
本日、通勤途中、電車に乗っていて、ふと目に留まった
車内の中つり広告。

「海外青年協力隊募集」、「海外シニアボランティア募集」

いかにも「アフリカで井戸を掘ってます」、と言った感じの
写真と一緒に載っていた募集広告を見て、「こんな人生もありか」
…と思い眺めていた。

がしかし、JICAには腹の立つ思い出があり、あまり良い印象が無い。

以前、中米のパナマで、道を歩いていて急にお腹が痛くなり、トイレを
探していると、ちょうど目の前のビルの1階にJICAの看板を見つけた。
他にトイレなどなさそうだったので、貸していただこうと、尋ねてみると、
開口一番「旅行者には、トイレは貸せません」と一言。
「ひどい、ひどすぎるではないか…」
何せ、こちらはお腹の調子が緊急事態なのである。ビックウェーブが来る度に
前かがみになり、つま先歩きで乗り越えるのだが、それも限界に近づきつつ
あった。その時は、怒る余裕もなく、早くトイレを探さねばと、ただそれだけを
考えていた。なんとか、同じビルの2階にある良くわからない事務所らしき
扉を叩き、事なきを得たが、あと少し遅れていたら、確実に最悪の事態であった
はずである。もし、仮にそうなっていたら、汚れた下着をJICAの事務所に
投げつけダッシュで逃げたに違いない。それは冗談だが、後からふつふつと
怒りが込み上げてきたのを、今でも鮮明に覚えている。

困っている人を助ける援助団体であるはずのJICAが、目の前にいる
緊急事態の人にトイレさえ貸してくれないなんておかしな話ではないのか?
貧困で困っている人々もトイレで困っている人も、困っていることには
代わりはないはずである…。
とは、言ってみても、結して一人一人の隊員の方々が悪いわけではなかろう。

彼らは皆、表向きには純粋な気持ちで、国内で2ヶ月の訓練を経て
現地に派遣されるそうである。以下は以前、協力隊の方に聞いた話である。

訓練中は「候補生」と呼ばれ、退所式後、正式に「協力隊員」に呼び名が
変わるそうだ。また、訓練中は寮生活で、美味しくバランスの取れた食事を
3食たっぷりと取り、特に女性は訓練終了後には、少し太るくらいだそうだ。
短期間に6種類、計10本もの予防注射を打つのも訓練のうちとも言っていた。
日曜日以外は毎朝6時前に起床し、ラジオ体操とランニング(1.5km~)があり、
夜は点呼後、11時に消灯だそうだ。睡眠時間は最高でも7時間、平均だと
6時間しか取れないそうで、ある意味これが1番きつかったと聞いた。

勉強する環境、設備、講師陣などはしっかりしているようで、
効率的で面白い講義内容で、大学の講義よりよほど面白かったと
言っていた。

日本は援助大国である。お金だけではなくこうやって人的援助も
行っているのである。しかし、その評価はあまり著しいものではないが…。

良くわからないが、援助って案外難しいものだと思っている。
その仕方を間違えると、返って自立の妨げになってしまうからである。

せめて、せっかくの援助が本当に必要としている人に届くことを願いたい。

そして、トイレは、誰にでも貸していただけるようにしていただきたい。



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