映画と渓流釣り

物忘れしないための処方箋

釣りキチ三平

2009-03-29 12:51:02 | 新作映画
 開花発表からここのところ寒い日が続き、桜好きな日本の人を焦らせるばかりですが、皆さん良き春をお迎えなされてますか?私事では長女の大学受験が失敗に終わり、何となく気の抜けた春の到来です。長い人生の中では1年2年の浪人生活など何のことはないと分かっていますが、それは人生の半分を通り過ぎたわたくし達の悟りであって、今まさに青春の蹉跌状態の娘には何を言っても白々しいだけのような気がします。

 さて、渓流釣り好きで映画好きなわたくしが今日観てきた『釣りキチ三平』のお話をいたしましょう。
白組のVFXは素晴らしいものでした。山女魚も岩魚も躍動感溢れ美しく出来上がってました。唯一、三平が途中で釣った山女魚の尾鰭が放流物独特の醜さであったのが残念でした。
結局漫画ですから、釣りそのもののリアリティなどどうでもいいことです。映画もそのことではなく、家族のあり方に焦点を当てています。原作には無い姉の存在が上手に生きておりました。原作者は多分ですが、家族の物語を描きたい人なのだろうと思います。傑作『ふるさと』を読むと一層そのことが伝わりますもの。
『おくりびと』の滝田監督作品としては、まあこんなものかと言ったところです。元々当たり外れの激しい人ですし、職人ですからどんな材料もそれなりに料理しますから。可もなく不可もないと言うことでは、映画館で観るまでも無いのかなぁとは思いますが...。
わたくし男三人兄弟の長男でしたから、ガキの頃無性にお姉ちゃんが欲しい頃がありました(今も願望はあります)。劇中の香椎由宇のような姉がいたなら幸せだったろうにと、仕様も無いことを考えておりました。