映画と渓流釣り

物忘れしないための処方箋

鍵泥棒のメソッド

2012-09-18 13:14:58 | 新作映画
 たまぁにYahooの映画紹介にレビューされている方の寸評を拝見することがあります。
映画なんて好き好きですから、どんなに性懲りもない愚作でもいいと思う人には忘れえぬ名作であっていいと思います。わたくしのように単純に映画好きな者からすると、一生懸命作った映画が愛されるのは嬉しいことです。その反対に、何だか良く分からない講釈で批判されているのを読むと悲しい気持ちになってしまいます。
 それも好き好きですから、嫌いならば99人が認めても嫌いでいいのですけど、「やっぱり日本映画は...」とか「暗くて...」なんていう寸評見ると、いい加減うんざりします。
 沢山観れば良いわけではありませんが、経験値の多さが審美眼を養うのはまぎれもない事実です。判ってもいないのに書くなと言いませんけど、判かろうとする努力くらいしなさい。先日観た「鍵泥棒のメソッド」のような優れた作品にもうんざり系の寸評がいくつかありましたのでおせっかいな日記になりました。

 内田けんじという人は、監督より脚本家として評価したいと思います。
前作「アフタースクール」も見事な脚本でしたが、わたくしとしては今作のほうに一層愛着を感じます。登場人物の一人ひとりがとても上手に作られていて、最後の最後まで本当の魅力(バケの皮)が明らかにされません。冒頭の5分で犯人とトリックが透けて見えるような、○○サスペンス劇場等と比べればなんと贅沢な作劇なんでしょう。かつてアメリカ映画が優れた作品を量産していた頃に良くあった、ウェルメイドなつくりの安心できる傑作コメディのようでした。

 広末涼子に「鉄道員」以来久し振りに胸がドキューンとときめきました。