是枝裕和と園子温 新作の観れる幸せ

　三連休。
横浜に帰って、映画を観ました。

園子温監督作品「地獄でなぜ悪い」
もともとむちゃくちゃな監督ですから驚きはしませんでしたが、本題に入る前のダラダラした流れに不満がつのりました。「冷たい熱帯魚」以降の作品に充満する狂気に近い怒りが伝わらなかったのが残念です。
コメディを創りたかったのでしょうか？わたくしには理解不能な部分が多すぎて、退屈してしまいました。
次の作品は、また狂おしい熱波を送っていただきたいものです。
二階堂ふみは「ヒミズ」の女の子とは全然違う魅力を醸しだしていました。
将来が楽しみな映画女優です。

是枝裕和監督作品「そして父になる」
この監督作品も見逃すことなく、毎回観ています。
安定して良質の作品を生み出すことの出来る数少ない重鎮です。
いつものことですが、家族が描かれています。今回も子供を中心にした隣家の様子が、ドキュメンタリーのように映し出されていました。これまたいつものことですが、子供の描き方が抜群に上手い。TVドラマの子供は大人になってしまった子供ばかりですが、是枝作品の子供は本当そのままの子供です。
そうです。子供は普通大人の問いかけに、明確なYES・NOで回答しません。
もじもじして、分かり辛いものです。大きい声で答えることの方が稀です。
監督が良く見ているというより、子供が普通にしゃべれる状況を作り上げているんだろうと思います。
子供たちを見ていると、四人の大人の演技が嘘くさく感じてしまうのは果たして演出なのでしょうか？YOUのような大人子供の人でなければ、吊り合いがとれないのでしょうか？
今年の収穫でした。