この次頑張りましょう。
「モテキ」「バクマン」と快作が続けば、誰でも期待しちゃいますよね。
題材も面白そうだし。思い切り笑って興奮して気持ち良い後味を期待したのですが...。
何がダメかって、福山雅治はパパラッチじゃないんですよ。チャラそうな演技はしているのですが、地が出ちゃうんです。育ちの良さというか、生きてきた環境の良さみたいなものが随所に見えちゃうんです。
あの声もいけません。孤高の博士役とか、高飛車なエリートサラリーマンにはぴったりなんですけど、自堕落な生き方している男にはあんな渋い声だせるわけありませんわ。大根監督も気が付いていたと思うんですね。違うって言えなかったんでしょう。福山くらいの大物になると本人というより、周りが降板させる選択肢を認めませんでしょうし。昔、黒澤が勝新太郎をバッサリ切り捨てたように、監督には人事権を持たせてあげないと可哀想です。
失敗の要因はそれだけじゃありません。これは監督の責任。
主題が定まっていません。題名の通りスクープを狙うパパラッチの暗部と活躍が見られたのなら期待通り。パパラッチの生き様に焦点を当てても良かったでしょう。リリーフランキーの怪演も生きたでしょうから。そうじゃなきゃ、二階堂ふみ演じる新米記者の成長物語でも良かったと思います。全部全部みんなやりたかったのでしょうが、脚本も演出も消化不良で全部全部中途半端でした。
上手な若手俳優を自由に使える環境で、次回作を撮った方が監督の力量は発揮できると思います。プロデュースの問題かもしれません。太っ腹で小回りのきくプロデューサーを用意してください。