映画と渓流釣り

物忘れしないための処方箋

親父と釣りのこと

2017-12-19 20:23:31 | 釣り
親父は趣味らしい趣味が無く、毎日(殆んど365日)仕事していた。
そんな親父が唯一息抜きに渓流竿を振る事があり、子供だったわたくしと二つ違いの弟を連れて渓に立った。うっすら覚えているのは、多分夏の夕方、近所の途中沢という小さな沢に行った事。あまり釣れた思い出はない。山椒魚が居て、それを捕るのが楽しかった。今も居るだろうか?
村の村社の祭り(四月一日)は山仕事を休んで、一日中釣りに出掛けた。温川という群馬県吾妻川の支流に釣行した思い出がある。寒い日で、やっぱり釣れなかった。
二人で行った思い出深い釣りは、四万川支流小倉沢上流で大きな岩魚を釣った事。多分中学生だったと思う。滝の連なる暴流帯を抜ける山道は石楠花が群生しており、初夏の陽に美しかった。そんな迂回路を知っていたのも山仕事を生業にしていた親父だからだ。釜(淵)で掛かった岩魚は途中で糸が切れ岩の上で跳ね回っていたのを捕まえてくれたのも親父だった。初めての大物に、嬉しくて魚拓をとって部屋に貼っていた。
もうひとつは、三十過ぎて又渓流釣りに凝ってた頃、親父の隠し沢に行った事。本流筋は魚が棲めない水質で、誰もが行かない支流の小沢に放流した岩魚は殆んどが尺を超えていてパラダイスの様だった。行き帰りの険しい道のりが懐かしい。