三吉彩花 これからが楽しみ
初日初回、朝7時40分の上映を観た。
ウォーターボーイズ以降毎回楽しみにしている矢口監督作品。
このところ期待してた割にガッカリが多くて今回もちょっと不安。
70点かな。
発想はいつも通りユニークで、あの手作り感も健在。
キャストも宝田明の大ベテランからムロツヨシみたいな使い勝手のある脇役まで揃えて、申し分ない布陣。主役の三吉彩花はモデルだけあってスタイル抜群だし、歌も踊りも頑張っていた。お笑い芸人のやしろ優と歌手のchayも矢口ワールドにハマっていたと思う。
それなのに、足らない30点は何なのか。
・序盤オフィスとレストランでのミュージカルシーンは凄く良かったのに、後半はあのノリが消滅してしまった。もっと本格的なミュージカルシーンを沢山観たかった。三人で歌う年下の男の子を歌だけで片付けてしまったのは残念(個人的にキャンディーズ大好きなので)。最後の見せ場である舞台のシーンも、観客席を巻き込んだ大団円にしてくれれば迫力があっただろうに。
・ムロツヨシ演じる探偵は要らなかった。ムロツヨシの可笑し味も全然活かされていなかった。よって、纏わる借金の取り立て屋も邪魔だったな。やしろ優を騙して金と車を盗んだ男のエピソードも面白くない。もっと違うエピソードで人物を浮き彫りにして欲しかった。chayの結婚式ぶち壊し話は良いけれど、結末が尻切れでスカッとした笑いになっていないのも失敗だ。
・途中車のトラブルで不良グループに絡まれるが、ダンスバトルで意気投合するあたりは矢口監督らしく楽しめたのに、結局あれ一回だけで終わってしまった。上記した要らないエピソードを削って、歌と踊りで仲間を増やして行くロードムービーにすればミュージカルとしても物語としても格段に面白くなった筈。
文句ばかり言ってるけど、1970年代の歌謡曲でミュージカルを作ってくれた矢口監督には感謝している。自分の周りに誰も座っていなかったから、一緒に大きな声で歌わせてもらった。同年代のおじさんも楽しそうに笑っていたから、まあいいか。