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最近、古い本を読むのがマイブームなのだが、この本も、1978年4月に刷られた文庫である。
内容は、著者が万博会場でマリーネ・デートリッヒが歌う「リリー・マルレーン」を聴いたことをきっかけに、この歌を調べるため、行き当たりバッタリのヨーロッパ取材に出かけた旅行記になっている。
西ドイツのボンから西ベルリン、東ベルリン、パリ、ロンドン、再びベルリンへもどり、北海に浮かぶランゲウォング島にあるララ・アンデルセンの墓の前に立つ。
そして、イタリアを超えてユーゴスラビアへ入り、ベオグラード放送局へ・・・・
と、無計画の壮大な旅の記録なので、それなりの面白さはある。
どこへ行っても、その場所や民族文化を映す鏡のようにリリーは違う顔を見せ、決して素顔を見せることがないようである。
また、歴史の中の戦争感と、兵士のそれとの違いも垣間見ることができて、とても興味深い一冊だった。