ジブリの最新作を観てきました。
偶然にも、3年くらい前に、原辰雄の「風立ちぬ」と吉村昭の「零式艦上戦闘機」を読んでいるのですね。
あとは、吉村昭の「関東大震災」でも読んでおけばよかったなぁ。
前評判は、おじさんが泣ける映画と言うことでした。
技術者の仕事っぷりに泣くもよし、悲恋に泣くもよしと思って見に行ったのですが、泣けませんでした
詰め込みすぎで、中途半端な印象です。
どちらも、前述の小説には遠くおよばず、所詮、アニメの範疇を越えていませんでした。
あと、飛行機がやたら壊れるので、飛行機が飛ぶたびに近くで観ていた小さな子供が、「爆発するの?」と不安げにつぶやくのには笑いそうになりました。
こんな映画を子供に見せたら、飛行機が好きになるどころか嫌いになりそうです。<それでいいのか!?
演出も、もう何回も他のジブリの映画でやったことの繰り返しで目新しさを感じません。
安心して見れる反面、もう進化することをやめて、現状維持に走っているようにも見えます。
また、押しつけがましいところが各所にみられました。
視聴者が心の中でつぶやけばいいことを、わざわざ登場人物が言うのです。
これは脚本の傲慢と言えるでしょう。
誰も宮崎駿監督(脚本)にダメ出しできる人がいないのだろうなと感じました。
出来自体は、ジブリのスタンダードで悪くはないのでしょうが、老化現象が見られるます。
過度な期待はしない方が良いでしょう。
最後にミリタリー系として面白いのは、空母「鳳翔」への着艦シーンがよく描かれていることと、ちらりと出てくる湾曲煙突時代の戦艦「長門」がグッときました。