2005年の芥川賞受賞作。
新潮文庫の100冊に収録されていたので、読んでみました。
読む前は、暗いだけの話かと思って、読みだすことを何度もためらいましたが、そんなことはありませんでした。
暗い、真っ暗な話ではありますが、微かに生きる力が見え隠れするところが魅力です。
子供のころに虐待され衰弱して土に埋められた主人公が、大人になって自己破壊的な欲求と闘いながら生きていくお話です。
自分を終わらせたいという思いが、そうではなかったことに気が付くのです。
それは、焼けたアスファルトの上のミミズのような生命力を感じさせました。
今後、何作か読んでみたい作家さんです。