主観ですが、哲学者より、音楽家への影響が強いように感じられる『ツァラトゥストラはかく語りき』です。
内容は、ツァラトゥストラが、修行しながらいろいろな人に演説をし、章の最後に「ツァラトゥストラはこう言った」と締めるものとなっています。
演説の内容は、訳が分からないくらいぶっとんでいます。怒ったり、愛したり、絶望したり、喜んだりします。
ツァラトゥストラは、上等な人間たちを集めて説教します。上等な人間たち+ロバ1頭は、一癖も二癖もありそうな人たちで、社会的に脱落したような人たちです。社会の大部分の賤民たちとは違うのです。言ってみれば、ちょっと斜に構えた人たちということです。
全体的には反キリスト、反イエスで、ツァラトゥストラはイエスの逆の格好をしようとし、弟子から離れ一人になり修行しますが、結局、上等な人たちを集めて説教してしまうこところが悲しい。
おそらく、言いたいことは、「自分で考え、自分で選べ。神は死んだ、信じるな。俺を信じるな。自分の人生は自分で創造するんだ」ってもんなのかな、と読み取りました。
難解な書物ですが、難しく考えずに、ササっと読み飛ばすくらいで良いと思います。
そう、音楽を聴くようにね。
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