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前回ブログ記事更新のあと、Independenceというテーマから
福澤諭吉の自伝を読み返してみました。
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福澤諭吉「福翁自伝」岩波文庫
幕末にアメリカに渡り、Independence(独立)の精神ということを
肌で学んだ福澤諭吉の言葉は、今でも役に立つと思います。
◆独立の手本を示そう
※※※
維新政府の基礎が定まると、日本国中の士族はもちろん、百姓の子も町人の弟も、少しばかり文字でも分かる奴はみな役人になりたいと言う。
全国の人民、政府に依らねば身を立てるところのないように思うて、一身独立という考えは少しもない。
一国の独立は国民の独立心から涌いて出てることだ。
※※※
福翁自伝から
明治の草創期に、だれもが〝役人〟になりたがったのは
「そうすることが一番安全で楽に暮らせる」
という日本人の『国中を挙げて古風の奴隷根性』
(福澤の言葉)なのだと言い切ってます。
〝役人〟志向という部分は
2011年の今の就活生の公務員志向や人気企業志向と
まるで二重写しに見えるようにも思えてきます。
※
福澤が指摘したIndependence(独立)の大切さは
明治維新から140年以上経った現在の日本で
まだ十分に根付いていない最後の
『文明開化の学び』なのかもしれない。
◆140年を取り返すために
就活スタートで大切にして欲しいIndependenceの気概というのは
安易に公務員や人気企業への就職を希望して
「そうすることが一番安全で楽に暮らせる」
という明治草創期のままの今の日本人の意識を
140年分まるごと切り替えていこう、とする
将来の日本人にも影響を与える使命を持つ大切な気概でもあります。
つまり今の就活生は
1)『どこの会社に就職内定するのか』
という結果を気にするのではなくて
2)『どこでも、いつでも独立した気概でチャレンジするぞ』
という行動を具体的に見せて示すことが
3)日本国民の140年分の意識改革の手本になる
という意味のリアルタイムなポジション認識を持つのが
一番ベストなように思うんだ。
★★就活へむかう決意こそ、たいせつ★★
※※※
どんな分野であれ、成功に必要なのは秀でた才能ではなく決意だ。あくまで精一杯努力しようとする意志の力だ。
※※※
スマイルズ/竹内均訳『自助論』知的生き方文庫から
※福澤諭吉とほぼ同時代のイギリスの著述家。
明治期に中村正直訳『西国立志編』として明治の青年に影響を与えた。
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