前回に引き続いて
課題解決型(PBL)でいこう
参考図書デス。
佐々淳行『「危機管理・記者会見」のノウハウ』文春文庫2011新刊
◆圧迫面接での対処を考えよう、のつづき
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『論点変更の誤謬(ごびゅう)Mutatis Elenchi ムタティス・エレンチ』
相手が何か主張してきたら「ソウ・ホワット?」「それが何か?」と、相手の用意した土俵に上がることを拒否し、自分に有利な別な土俵を作って、逆に相手をそこに引っ張り込む弁論術です。
ルール違反の詭弁術のひとつですが、これが武器になるのです。
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佐々淳行『「危機管理・記者会見」のノウハウ』から
◆もう一回考えてみよう◆
企業の最終面接で行われることもある
「圧迫面接」に、この武器も使えることがあります。
前回の記事と同じシチュエーションで考えていこう。
「最近の就活生は、みんな大手の安定志向が強いよね」
「うちは君のような安定志向の人物は採用しないよ」
ここで
・黙るか?
・どう切り返すか?
前回記事で紹介の『不可知の論証』で切り返すならば
「最近の就活生」
「君のような安定志向」
という面接官の
一方的な断定の根拠を
しつこく確かめてみよう。
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「それはどういうことですか?」と素直に尋ねる勇気が必要なのです。
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佐々淳行『「危機管理・記者会見」のノウハウ』から
論点変更の誤謬(ごびゅう)で切り返そうとしたら
またいろんなパターンがあります。
この場合の具体的な事例も、みんなで考えてみよう。
別の本からちょっと入れ知恵だよ
↓
◆古代ローマ:スキピオによるMutatis Elenchi
こちらの参考図書
塩野七生「ハンニバル戦記」新潮文庫
ブログコメントで書いたものを再録しますね。
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古代ローマ・スキピオの勇気 (tarebon)
2011-07-19 10:44:39
塩野七生ファンなら知っているかもしれない。
『ハンニバル戦記』で、カルタゴの名将ハンニバルを破った古代ローマのスキピオの逸話を紹介しよう。
課題解決型学習(PBL)でいくよ。
現代日本の大学生は、22歳の彼に勝てるかな?
・法律の年齢制限(30歳以上)に違反して、22歳で政治家に立候補して当選したスキピオに対して、選挙委員長が当選無効を訴えた。
スキピオは自分の正当性をどう主張したか?
法律違反なのは確実なのだ・・
PBLだ。
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『全市民がわたしをエディリス(注:立候補した役職名)ふさわしいと思ったのだから、私はそれに十分な年齢にあるということだ』
市民たちの支持は圧倒的だ。資格年齢には七歳もたりないエディリスが誕生することになった。
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塩野七生『ハンニバル戦記』から
ハンニバル戦記を知らない22歳の東大生で、こういう“答え”を思いついた学生はいなかったぞ。
古代ローマの22歳、さすがだ★
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法律の規定より「私が支持されているという事実」をみよ。
スキピオは
見事なMutatis Elenchiで切り返したようだね。
就活生も知恵と勇気で戦おう!