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前回更新で私立大学職員のことを書きました。
そこで今度は
国立大学のトップ・東京大学の職員の学生支援について
紹介しながら「理系の進路相談」について考えていこう。
興味深い新刊が出てます。
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「東大理学部発 学生相談・学生支援の新しいかたち」
大学コミュニティで支える学生生活
東京大学大学院理学系研究科・理学部 監修
東京大学大学院理学系研究科・理学部学生支援室/下山晴彦 編著
岩崎学術出版2011.4
◆理系の進路サポートは
※※※
職業選択の際に、理系学生特有の生真面目さで、適性や条件にこだわりすぎると思われるときには、人生における偶然性に身を任せてみるおおらかな姿勢、自分のやりがいだけではなく自分が貢献しうることに目をむけてみること、チャレンジ精神など、別の価値観を提示してみることもあります。
※※※
(前掲書より)
理系の学生の場合、大学院に進学する研究者志向の学生が多く
「自分の専門性」ということが就活のネックになる場合があります。
自分の専門性を生かす進路選択が難しい場合
それまでの人生がすべて否定されたような
極度の挫折感に襲われてしまうことがあります。
★★★
理系の進路は計算で成り立っていると思う。
それで計算ができるものには安心できるが
計算ができないものについては
「いたずらに」不安が広がるようです。
「いたずらに」というのは
計算が成り立たない世界というのが
社会の現実でもあるのだから。
計算できないことを不安に思うのは
計算できる世界を当たり前だと認識していることにある。
★★★
理系の学生は研究やレポートで
自分の時間を持つことが少ないと思いますが
できる限り多様な価値観を受け入れ
多様な進路について興味・関心を持つことで
考え方に柔軟性を持たせてみよう。
キャリアセンターや学生相談室を通じた
大人の人たちとの接点を増やすことが
社会性を身につけ、多様な価値観を身につける
ポイントになってくると思うよ。
東京大学理学部の学生サポートについて
もうすこし見ていこう。
◆「応援されている実感」を与えるもの
※※※
支援室相談員や理科系教員が大事にしているのは、進路選択や就職活動を実質的に成功させるためのハウツー的なサポートではありません。
苦難に遭遇してもまた乗り越えていけるよう、応援されているという心強さを実感できるよう、学生を下支えすること、エンパワーすることで力になりたいと考えています。
※※※
(前掲書より)
大学生の相談は、「就活の悩み」が「学生生活の悩み」だったり「家庭環境の悩み」だったり複雑に絡み合うことが多いものでしょう。
同じ大学の中で、学生の微妙なニュアンスを感じとって対応できるのが
キャリアセンターの担当者でもあります。
身近な相談窓口を使ってみよう
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ではまたね。
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