みちしるべの伝説

音楽と希望は刑務所でも奪えない。

中村紘子さんと握手する

2005年11月19日 | ピアノ
中村紘子さんのリサイタルに行く。流麗なモーツァルト、フランスの明るい光が踊るようなドビュッシー、ラベルのおどろの夜、華麗で縦横無尽、息つく暇もないリストの大スペクタルと、改めて、ピアノの魅力を堪能。アンコールもショパンの名曲を中心に5曲も。大満足。

終演後はサイン会に向かい、「自分もピアノをやるので、是非、握手して頂けませんか?」の一言に、「まぁ!」と発せられて気軽に応じて頂けた。気さくな人柄が感じられる。とても温かくて柔らかい手。(昨年の加羽沢さん、クオレの井波さんと、なんだかピアニストと握手するのが趣味になってきたかも・・・)

でも、出だしは、ちょっとびっくり。女史もきっと冷や汗ものだったのではないかな?
1曲目の、モーツァルトK.331(トルコ行進曲付)の第1楽章はミスタッチも幾つかあったし、第2楽章は最初の1/3ぐらい弾いただけで、第3楽章に入ってしまう。多分、暗譜落ちされたんだろうな・・・。ちょうど大きな楽句の終わりだったから、この曲を知らない人には、ちょっと2楽章が短かったなぁと感じるだけだったろうが・・・。
このソナタは自分の愛奏曲なので(といっても第1楽章だけ)、たまたま、よく分かったのだけど、中村紘子さんのようなピアニストでも、こういう事件があるんだなぁ・・・。自分が人前演奏で、ビクビクするのも、まぁ仕方ないか・・・。と変なことに納得。

中村さんのピアノは、自分の拙い耳には、どちらかと言うと人工的、硬質で、輪郭のくっきした、決然としたピアノに感じられる。甘系の曲(例えば、今回のアンコールにあったショパン「別れのワルツ」など)、自分の好みに合わない曲も一部あるのだけど、でも生で聴いてみると、やはり素晴らしいピアニストだなぁ、好きになった。今回はフランス~スペインのラテン系で統一されてたんですね。

~プログラム~
モーツァルト「ピアノ・ソナタ第11番イ長調K.331」「ピアノ・ソナタ第9番イ短調K.310」「ピアノソナタ第18番ニ長調K.576」
ドビュッシ「2つのアラベスク」 ラヴェル「ソナティナ」 グラナドス「哀歌 又は 乙女とナイチンゲール」 リスト「スペイン狂詩曲」

(アンコール)ショパン「ノクターン遺作」 ラフマニノフ「鐘」 ショパン「ワルツ9番」「ワルツ1番」「革命」

in 豊田市コンサートホール
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする