
古くから秋の語を引っ掛けていろいろいな秋をいいあらわす。食欲の、スポーツの、読書の、芸術のなどごく普通に使っている。その短い言葉で何を言いたいのか通じる。
稲刈りの終わるころを「秋上がり」、単(ひとえ)では肌寒く感じて着るあわせを「秋袷(あわせ)」、桜に似た花コスモスは「秋桜」、朝夕に感じる寒さを「秋寒」と今ごろはこんな言いあらわしもされる。なんだか味がある。
勉学に勤しむにもにもいい季節だ。基礎研究の功績が称えられ4名の日本の科学者がノーベル賞受賞と決まった。世界恐慌といわれる金融不安に対するトゲトゲとした気持ちが癒される。資源に乏しいわが国、多くの若者が続いて欲しい。4人のかたの語り口は違うが素直に尊敬できる。
工事中の立札は立っているがこれはなんだろう。「幸輪」と示された不思議な造作、これは芸術なのか。大理石の大きな外輪は回転し、内側に掘られた溝の上を小さな玉が転がっている。やがて説明の札も立とうが「幸せが転がり来る」ものであってと願いながらシャッターを押した。
(写真:回り続ける輪は何を醸しだすのか:錦町)