ソフトバンクの王貞治監督が今季限りでユニフォームを脱いだ。1940年生まれの68歳、プロ入りして50年。その足跡は「偉大」のひと言につきよう。
本塁打王は13年連続を含むこと15回。73、74年には三冠王。そして通算本塁打868本は今も世界記録として輝く。監督ではリーグ優勝4回、日本一は2回経験。77年には初の国民栄誉賞を受賞し多くの人から拍手を受けた。
王さんは観客に向けての華やかなアピールがなく「黙々とプレーする人」「本当の職業野球人」そんなイメージをいつからか持ち始めた。退団の日、若い選手が大粒の涙を流す場面を見たとき、私の抱いていたイメージ通りの王さんだと信じた。
ソフトバンク球団は「89」を永久欠番にする。巨人軍時代とあわせてひとりで2個のそれを持つことになる。永久欠番は「プロ野球で、球団が在籍した選手の功労を記念してその背番号を、選手の退団後永久に使用しない処置をとること」と辞書は説明する。
欠番は「ある番号にあたる所がかけていること、また、その番号」とする意味は理解できるが、欠は欠点や欠ける、不足などの良くないイメージがある。浅学で思いつかないが「誉れ、賞賛、祝意」そんな意味の言葉にぜひ変えて欲しい。
健康が許されるなら次のWBCで日本代表監督として采配をふるって欲しい。
(写真:この姿はもう見られない:読売新聞より)