
小さな段々畑の1段に小さな小さな紫色で釣鐘状のラッキョウの花が一面に咲いている。雑草の刈取られた段々畑の法面は薄緑色の花器のようで花を引きたてている。農作業の美術展に見える。
最近知ったことだが「ラッキョウの花見」があるという。花見といえば桜、秋の花見はコスモスと相場が決まっている。ツアーで行くラッキョウの花見があるそうで驚いた。
花見の時期は10月下旬ころから12月の初めころまで、摘んで持ち帰る人もあるという。花見の光景は見たことはないし摘んではならないものと思い込んでいた。
ラッキョウはこの地でも沢山栽培されている。ラッキョウ漬けの独特の臭いを嫌がる人も多いが、歯切れの食感と音は食欲不振を解消することもある。ラッキョウ漬けが3個あれば晩酌の肴はいらない、そう言った先輩もいた。
なん昔か前の話。畑のあるころは貴重な副食、また保存食として我家でも漬けていた。今はいただき物で十分に間に合っているようだ。なければ寂しい懐かしいひと品かも知れない。
花のあるところに蜜あり、ミツバチは花から花へ移りながら忙しそうにしている。
(写真:ラッキョウの花)