
わが市の公営バスに、名勝・錦帯橋と桜をラッピングした観光専用のバスがある。高速道の下関SAで休憩しているとき、そのバスがやってきた。なんと目立つバスかと思いながらも、ひいきなもんで、それとなく見ていた。
そばに立っていた人が「なんと派手じゃのう、まるで遠山の金さんじゃ」と同僚と笑っていた。言われてみればTV画面いっぱいに映る桜に似ている。
「この桜吹雪はすべてお見通しだ」と片腕を出す。悪者どもはしゅんとなる。「引っ立てー」の一声でフェードアウトする。遠山の金さんこと江戸町奉行・遠山金四郎景元を主人公にした劇。
バスだけでなく列車も飛行機も広告を印刷したフィルムを車体や機体へ貼り付けている。いわゆるラッピング広告。観光用だけでなく生活路線用のバスにも登場している。追い越し区間のない地方道で、ラッピングバスの後方につくと内容を暗記できる。広告効果があったことになる。
ある仕事の関係で、ラッピング広告を考えたことがある。そのとき、検討の結果、バスの後面に貼ろうと決めた。実現はしなかったがそれを思い出し、あれは正解だった、と苦笑した。
(写真:長い付き合いは遠慮したいバスの後面広告)