日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

南極の石

2010年06月10日 | 自然 季節
               

南極観測船「宗谷」は1957年(昭和32)年1月29日、南極のオングル島海岸に第1次南極地域観測隊を運び、昭和基地を開設した。帰路に厚い氷に閉じ込められ、当時最新鋭艦だったソ連の砕氷艦「オビ」の救援により脱出に成功した。

モノクロの記録映画は日本の英知、それに乗組員と越冬隊員の活動が写しだされ全て感動的だった。ただ、オビ号の跡を追う映像に、乗組員の悔しさが偲ばれるようで、一人前の砕氷能力を備えた船の建造を願ったのは高校生のときだった。記録によると宗谷は6回、南極観測船の任務をはたした。

南極大陸、そこは素人には神秘・未知の大陸。そこで続けられている観測隊のニュース報道はほとんどない。ないということは異常がないと同じ意味かも知れない。最近紹介される南極は地球温暖化防止キャンペーンで崩れ落ちる氷山ばかりだ。

そんな氷山の下に隠れる「南極の石」、実物を初めて見た。ただの花崗岩のようにおもえるが、詳しい説明が添えられている。南極の石の呼称は国際委員会においてアンタークカイトと定められ、地球でもっとも古く少なくとも6億年以前の貴重なものである、そんな事が書かれている。

続けて専門的な説明がされているが、「氷河時代に氷の移動することによって擦れてできた擦痕のある石で数少ない大変貴重なものである」と結ばれている。擦痕、確かに擦り痕を感じる窪みがある。触ってみた、6億年前のゆっくりした動きを感じた。

千古の歴史をつめた南極の氷、うまいウイスキーにひとかけら落として味わってみたい。空気のはじける音を聞きながら。

(写真:説明を読んで知った南極の石)



コメント (2)
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