
田んぼの水を抜いています、そんなブログに出会った。稲が大きくなりはじめたのに田の水を抜いてどうするの、稲と水は切り離せないというのが素人の思い。しかし、よく読んでみると、米作り八十八手のひとつと学んだ。
水稲は水の管理が大切という聞き覚えは残っているが、実体験はないのでそれがどのようなものかについては全くの無知。この水抜きを「中干し」と呼ぶそうだ。それは字のごと「田を干す」ことではあるが、中干しの良し悪しはコンバインまで影響を及ぼすほど水管理の中でも最も重要なポイントという。
中干しすると、生育を抑え根を強くはらせ葉の垂れや稲の倒れを防ぐ、光が株内によく入るようにし、土壌中に空気をいれ酸素の補給を促すなど、その効果は多大で、稲田の土質などに見合った方法で行うという。水を抜いて干せばいい、そんな易しいものでなないことが分かる。
獅子は子どもを崖から落とす。集団移動する野生動物はその行動について来れない子は最期には置き去りにする。稲は収穫という目標のためには水を抜き干す。自然に生きるための力は優しさや支えだけではどうにもならない。もともと持っている力や能力を鍛えることが、独立できる自分の力になる、そんなことを思いながら、初めて知った「中干し」という言葉を味わった。