
JRの線路上をコットン、カッタンと鉄路特有の音をたてながら市街地へ向かう第3セクター上りのジーゼル車は1両。ローカル線ならではののんびり、のどかな光景に見える。
最近、猿を群れごと捕らえる大型の仕掛けが設けられ住民の皆さんがその効果に期待している、集落の住民の数よりより農獣の数の方が多い、そんな表現をされる市内北部の山間部から山裾を縫うようにして走ってきたジーゼル車は過疎地と市街地を結ぶ唯一の公共交通として頑張っている。
セツブンソウはこのジーゼル車を利用しないと繁殖地へ行けない、ホタル見学やマツタケの食事もジーゼル車を利用すると特典がある、窓外の眺めの良い所では減速して景色を堪能してもらう、沿線の魅力を取り入れながら走っている。
この路線は錦川清流線といい、名前の通り清流沿いを走る。市街地の到着駅のホームは0(ゼロ)番。いかにもローカルらしくていい。下りはその「ゼロからの発車」、市街地の何かを清流沿いに運んで行くことだろう。