冷たい風の吹く河川敷広場で、帰省した家族だろう寒さなどものともせず楽しんでいる。ジイジらしき姿は見えるがバアバの姿はない。食事の支度に忙しいのだろう、と勝手に思う。連凧が2家族カイトが3家族、競いはしないが子どもは糸をもって走る。上手く風にのせた子は走りを止め、腕の屈伸だけで糸を操り高さを保っている。急に舞いながら落ちるところを見ると、上空の風は安定していないようだ。
子どものころに揚げた凧とは姿かたちは違うが正月らしさを感じるいい眺めだ。小学校の工作では竹籤(たけひご)を糸で結わえる。半紙か何かの薄い紙に字や絵を描いて結わえた籤に張り付ける。新聞紙で平衡用のしっぽを2本つける。揚げ糸取り付けの3点の位置決めは先生の感だった、ように思う。運動場で競い合ったことがある。
電線にも建物にも邪魔されない広場での凧揚げ、この河川敷では年末年始よく見かけるようになった。奴凧のように長いしっぽをつけたものは消え去り、色鮮やかでいろんな形のカイト凧が揚がっている。揚げ方を見ていると河川敷の風のせいか、小さな子どもも懸命には走れば風に乗っている。ネットにはそんなカイトの作り方も載っており、親子合作もいいことだ。
子どものころは稲刈りの終わった田んぼで揚げていた。切り株の残った田は走るには難儀したように思うが、そこには電線に引っかかる心配はなかった。凧揚げは見かけるが羽根突きは見かけない。江戸の名残か羽子板市の映像は見るが、遊具でなく飾り装飾の一つに変わったのだろうか。連凧の飛翔は揚げている子どもの発想のようで見ていてあきない。