
月1度の仲間との農作業、遠くは片道40㌔余り車を走らせて参加する人もある。この日は絶好の秋日和の下で体を動かし久しぶりわずかだが汗をかいた。相変わらず雑草は茂っているが、日差しが柔らかくなった分だけ優しく感じる。と言って雑草に優しくするわけにはいかないから根こそぎ抜き取る。
この日の収穫の目玉はここ数年、畑の常連になった落花生。殻付きを植えて何カ月か、猛暑にも、日照や少雨にも、群がる農害虫にも負けず茎も葉もよく育ち、収穫を待っているように見える。「少しのものもふえて多くの数になる」ことを「一粒万倍」と表すが、落花生にはピッタリ、ひと粒が何千倍かと思うほどについている。その一粒一粒を残さずもぎ取る。忍耐も体験する。
サツマイモを掘る人が「よう育っとる」と大きなそれを捧げて見せる。片方で細く短い体形もいくつか出るが出来合い出来合いと慰める。ほかに大根や人参の間引き菜、ピーマンにネギなど、新鮮な土付き野菜を収穫、参加者で山分けして持ち帰る。持ち帰った落花生は水洗いして土を除き干す。
持ち帰ったサツマイモの一つが何かの生き物に似ている。首位置の自然な曲がり、とがった口もとには長い髭、頭部の目とおぼしきあたりに小さなそれらしき跡、生き物に思える。水鳥のようであり海の生き物のようでもある。いやいや、土の中から登場したのだからモグラ似かもしれない。自然の素晴らしい芸術性に驚きながら鑑賞し感嘆する。